<鴨川沿岸 海岸づくり会議>議事録 全文
 「第6回会議」 平成17年7月30日  於・鴨川市役所4階会議室

1.開      会

○司会(佐久間) 皆さん、こんにちは。ただいまから「第6回鴨川沿岸海岸づくり会議」を開会させていただきます。
 私、冒頭の司会進行をさせていただきます鴨川市役所都市建設課の佐久間と申します。どうかよろしくお願い申し上げます。

2.挨      拶

○司会 それでは、会議に先立ちまして、建設経済部長の島津より御挨拶をさせていただきます。
○島津建設経済部長 皆さん、こんにちは、御紹介いただきました島津と申します。会議に先立ちまして、一言御礼を申し上げさせていただきたいと存じます。
 本日、第6回の鴨川沿岸海岸づくり会議を開催させていただいたところ、三連休の中日ということにも関わりませず皆様方の多くの参加をいただきました。本当にありがたく、御礼を申し上げる次第でございます。また海岸の専門家として東京大学の清野聡子先生、財団法人土木研究センター理事の宇多高明先生には大変お忙しい中、かつまた御遠方よりコーディネーターとしての御参加をいただいております。本日もよろしくどうぞお願いを申し上げる次第でございます。
 今さら申し上げるまでもなく、海岸は津波や高潮などの災害から生命や財産を防御するほか、海辺の豊かな自然環境を提供し、漁業や観光などの生活の場としても極めて重要な場所であるわけでございます。当鴨川市の海岸は海水浴や釣り、サーフィン、散歩、またはシーフェスタなどのイベントの場として多様な利用が図られており、現在、県下で実施されております千葉ディストネーション・キャンペーンにおきましても渚のハイキング、さらにはフィッシングダービーなど海岸を活用したイベントを用意し、きれいな海岸をアピールさせていただいているところでもございます。
 しかしながら、皆様方も懸念されておりますように、近年、海岸が侵食したり、一部では越波や護岸の崩壊が発生するなど様々な問題が発生しております。市では、私たちにとりましてかけがえのない貴重な資産であり、資源でもありますこの海岸を将来にわたって保持していかなければならないと存じております。そのため、市民の皆様方にも御協力をいただき、専門家の皆様方など、より多くの方々のお知恵をおかりしながら論議を深め、最善の方策を見出したいと考え、この会議を開催させていただいているところでございます。
 この会議は平成15年の11月に第1回会議を開催し、今回が6回目と相なります。過去、5回の会議におきましては参加者の皆様方から貴重な御意見、御提言等をいただき、両先生によりまして、今後の方策等についての整理がなされたところでございまして、一部、鴨川漁港の防波堤の設置につきまして協議結果を踏まえて実施をされたところでございますし、東条海岸の越波対策におきましても、現在、護岸を1m程度嵩上げする案が基本的合意に至っているところでございます。本当にありがたく存じております。
 本日は前回までの概要やその後の調査活動の報告、高波から後背地を守る事業の説明がなされますので、それらをもとに意見交換や論議をしていただき、沿岸、海岸づくりのよりよい事業の展開が図られますよう期待をいたしているところでございます。
 最後になりますが、本日の会議が実り多いものとなりますよう、あわせまして、御参会の皆様方のますますの御活躍を御祈念申し上げまして、整いませんが、開会に当たりましての挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

3.会議の趣旨等について

○司会 続きまして、本日の会議の進め方などにつきまして御説明を申し上げます。
 初めに、この会議の趣旨を簡単に御説明を申し上げます。
 先ほど部長の挨拶の中にもございましたとおり、鴨川の沿岸では近年、様々な問題が発生し、対応が求められておりますが、今後のこの地域の発展のためにも、きれいで、安全で、利用しやすい海岸として未来に残していく必要がございます。そこで、様々な立場の方から御意見をお伺いしながら、皆様とともにこの海岸をどのようにしていくべきかを考える場として、この海岸づくり会議を開催させていただいておる次第でございます。
 第6回目の今回は、前回までの会議の概要を御報告しつつ、前回の基本合意を踏まえ、侵食や高波などの課題から我が町を守るための具体的な事業内容の説明をいただき、よりよい事業の進展が図られますよう、皆様とともに考えていきたいと考えております。
 次に、この会議の参加者とその役割について御説明を申し上げます。
 この会議では、より多くの地域住民の方々や海岸を利用されている方々から幅広い御意見を伺う必要がございますので、市の広報、あるいは海岸に関係の深いと思われる方々に御案内を差し上げておるところでございます。また、この会議は市役所が主催いたしておりますが、さまざまな課題を解決するために、海岸の専門家の方々に御協力をお願いいたしております。後ほどお二方については御案内申し上げたいと存じております。
 さらに、皆様の御意見などを事業に反映していただけるよう、県の行政機関の方々にも参加をいただいております。
 なお、会議の運営方法、あるいは資料づくりにつきましては、専門的な内容等々ありますので、コンサルタントに事務局をお願いいたしておる次第でございます。
 最後になりますが、この会議のルールなどについて御説明をさせていただきます。
 まず、この会議ではいただいた御意見などを正しく理解するため、議事録を作成させていただきます。また、先ほど御説明したように、この会議は広く皆様の御意見を聞き、様々な情報を共有化することが必要ですので、基本的には公開とさせていただきます。
 次に、御発言をいただく際の注意事項を申し上げます。
 まず会議の趣旨から、できるだけ多くの方々から平等に御意見を伺いたいと思いますので、御発言は1回につき1件程度としていただきたいと思います。
 なお、進行役より発言の依頼等があった場合はこの限りではございません。
 また、御発言を希望される方は挙手で意思表示をし、進行役の指名を受けてから御発言をいただきたいと思います。その際については、居住地、お名前をいただければ幸いに存じます。
 さらに、個人や機関に対する誹謗中傷や本会の趣旨に無関係、または著しく反する発言はしないように、重ねてお願い申し上げます。
 なお、これらに反し、議事進行の妨げになると認められた場合、主催者側の裁量により、それ以降の発言の制限、あるいは退場をお願いすることもございますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、市役所の建物内は全面的に禁煙となっております。喫煙を御希望される方は、1階のフロアが喫煙場所になっておりますので、よろしく御協力をいただきたいと思います。
 それでは、大変遅くなりましたが、本日お越しいただきました専門家の先生のお二方を御紹介させていただきたいと思います。
 まず、清野聡子先生でございます。
○清野アドバイザー (起立一礼)(拍手)
○司会 清野先生は、東京大学大学院総合文化研究科の助手をされております。御専門は海岸河川保全学、沿岸環境学、生物形態学などでございますが、近年では、特に漁業者や地域住民、生物など、さまざまな立場から地域社会と公共事業の関わり方について研究をされており、全国の住民会議や講演会にと、文字通り東奔西走されております。
 また千葉県においては、海岸保全基本計画の委員、三番瀬の専門家会議の委員などを御担当され、南房総市の和田地先にある白渚海岸でもアドバイスをいただいており、今回も大変お忙しい中ではございますが、御出席をお願いいたした次第でございます。
 続きまして、宇多高明先生でございます。
○宇多理事 (起立一礼)(拍手)
○司会 宇多先生につきましては、現在、財団法人土木研究センター理事、なぎさ総合研究室の室長をされております。
 昭和48年より約28年間、国土交通省国土技術政策総合研究所に勤務をされ、全国はもとより、世界中の海岸を歩き回り、海岸の調査・研究を行うとともに、海岸事業などの計画、立案に関わってこられました。日本の海岸工学の第一人者でございます。
 また、近年では合意形成会議や講演会など多数御出席をされておりまして、よりよい海岸づくりを目指して超多忙な活動をなされ、千葉県においては白渚海岸や九十九里浜へのアドバイスをいただいておりまして、今回も御出席をお願いした次第でございます。
 大変長くなりましたが、以上で会議の趣旨説明を終わりにいたしたいと存じます。
 それでは、ここからは司会進行を事務局にお渡しいたしまして、およそ午後4時過ぎごろまで会議を進めさせていただきたいと思います。
○事務局(星上) 皆さん、こんにちは。私は財団法人土木研究センターの星上と申します。もうおなじみの顔の方もいらっしゃいますので、今回もまた引き続き、よろしくお願いします。
 では、会議に先立ちまして、1つお願いがございます。
 ミスター・アレックス、プリーズ、スタンダップ。
 実は、彼はアレックスさんと申しまして、オーストラリアから今、文科省の留学生としてこちらに来られています。オーストラリア国立大学と言いまして、日本で言う東京大学のようなところにおられて、今、ドクターを目指していて、こちらには上智大学の留学生として在籍されて、こちらでサーフィンと地域の文化について研究をされている。彼の方から御要望がありまして、こういう日本の中でのサーフィンにかかわる地域での合意形成について研究をしたいということで、ビデオ撮影をさせていただきたいというふうな申し入れがございました。皆様から御了解がいただければこれから撮影をさせていただきたいと思うのですが、特に異論がなければ、いかがでしょうか。
〔拍  手〕
○事務局(星上) では、アレックス、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、そういうことで撮影をさせていただきますので、御了解をいただきたいと思います。
 それでは、早速きょう来られた方々にお配りした資料の確認を若干させていただきたいと思います。
 お手元の資料に3つございまして、1つは資料の1ということで、本会議の会議次第でございます。それからもう一つはA3版で2つくくってありますけれども、資料2というのが前回、第5回の海岸づくり会議の概要をまとめたものでございます。この中身については後ほど前面のスクリーンの方で御紹介します。それともう一部、資料3というのがその前にやりました第1回から第4回目までの会議の議事の概要を簡単にまとめたものでございます。
 落丁とかお手元にない方がいらっしゃったら、今のうちに申し出てください。よろしいですか。

4.第5回海岸づくり会議 概要報告

○事務局(星上) それでは、早速ですが、議事の方に入らせていただきます。
 それでは、まず前回までの議事の概要ということで若干おさらをさせていただきたいと思います。
                〔 Power Point 〕
 スクリーンが2枚ありますが、右側の空中写真は実は昨年の8月に撮った空中写真、最も新しいものですけれども、ちょっと見にくいのですが、これはこのまま投影しておきます。左側のスクリーンで御紹介します。
                〔 Power Point 〕
 第5回の海岸づくり会議は一昨年の7月30日にここの場所で行いました。会議の趣旨はきょうと同じ趣旨でございますので割愛いたしますけれども、約40名ぐらいの方に御参加いただいて、もっぱら漁港の波除堤の整備についての御報告を県からいただいたこと、それからきょうメインテーマでもありますけれども、越波対策についていろいろな御提案をさせていただいた。そのほかに加茂川の土砂活用について、現状を踏まえた御報告をしながら議論を若干進めさせていただいた。そのほかに清野先生の方から地元の海岸にまつわる話題提供ということで、「カジメの利用と亀塚」ということで情報提供をいただきました。その他、意見交換ということを進めていったわけです。
                〔 Power Point 〕
 これは会議の様子で、お手元の資料にも写真がありますので、ごらんいただければと思います。
                〔 Power Point 〕
 詳しい会議の内容はこんなような状況でございますが、それもお手元の資料に詳しく議事を書いていますので、後ほどごらんいただければと思います。
                〔 Power Point 〕
 参加者からの主な意見ということで、これはもっぱら越波対策に関する御提案をさせていただきましたので、それに関するいろいろな意見が出されたということでございます。ここは詳しくやりたいと思いますので読み上げますと、まず1つ目、嵩上げをコンクリートでやると子供は海が見えない。シーワールドの大水槽のような厚いアクリルのパネルでつくるといった技術はないのかというような御質問、それから透明な護岸という案よりも可動の護岸をつくってせり出せるというのはどうかというような御提案。
 また、前原海岸にある階段は段差の割には足を乗せるところが非常に狭くて不評である。足首を折ったという人もいらっしゃるということで、アクセスを階段で設ける場合はそういう人間工学的な面も考えてほしいという御要望がございました。
 それと越波対策の範囲はどこからどこまでやるのかというような御質問もございました。
 また、海浜へのアクセスの方法は階段の方がよいというような意見、このような意見について、当日もディスカスもさせていただきましたけれども、ある程度、後ほどお見せしますが、嵩上げについて御了解をいただいたという上で、実質、県の方で実施設計と言いまして、嵩上げを実際にどういうような図面でつくっていくのかということを検討する時間をいただいたというのが今までの経緯でございますので、本日、その検討結果を後ほど御紹介することになります。
 以上が第5回の概要の報告でございます。また、越波対策等のお話については後ほど次のセッションで詳しく述べさせていただきますので、資料等で御了解いただければと思います。

5.沿岸に関する話題提供
・加茂川河口の閉塞について

○事務局(星上) これからは、御当地の海岸にまつわる情報提供というところに入るわけですが、まずは第5回の検討会のときにも加茂川の土砂の活用ということが話題に上っていました。これにつきましていろいろ議論がなされたわけですが、その後、皆さん御存じだと思いますけれども、大きな台風で加茂川が出水しまして、その出水によって土砂が開口部付近に運ばれて閉塞したというような状況がありました。それに対して県の方でいろいろ対策を打っていただいたということがございますので、そこの辺を若干詳しく県の方から御説明をしていただきたいということで、県の課長の方に今マイクをお渡しします。
○中山建設課長 鴨川整備事務所の建設課長の中山と申します。よろしくお願いいたします。
 昨年の12月の下旬に鴨川のマリンブリッジの下流河口部において河口閉塞された堆砂を12月下旬から南部漁港事務所さんと共同で約4,000m3の堆砂土を除去いたしました。主に未来高校前の駐車場前面に土砂を埋めたのですが、その後の台風等でまた流出したような状況でございます。また、国道にかかっている横渚橋とJR橋の間において、ベイシアの脇なのですが、平成18年2月中旬から約3,300m3の土砂を掘削いたしました。その後、また台風等が来ましてまた埋まってしまったのですが、これから3月に向けて約2,000m3の土砂を除去したいというふうに考えております。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○事務局(星上) 宇多先生の方から補足説明。
○宇多理事 ちょっと言葉だとわからないと思うので……。
                〔 Power Point 〕
 これ、今即興で言うのだけれども、これは去年の8月の空中写真。そしてさっきから変だなと思ったのは、ここのところは加茂川の河口で、これはフィッシャリーナ、漁港のところに橋が渡ってしまっている。よく見るとこれの前に白波が立っていて、ここが白いということは、ここは砂礫が打ち上がって完全閉塞、完全閉塞というか、水が全然流れない状態、一部流れていたのかな、わからないけれども、この写真で見る限り完全にとまっている状態になっていて、これだとここの川の水が海に全然流れ出ないという条件になっていたのだと思います。それで、それを今の話で取って、こっち側の方へ持っていった。それが4,000m3、大体大型ダンプで言うと800台分ぐらいを取っていった。
 これは何でこんなところにたまるのかというと、これはもちろん川から流れてきたんだけれども、昔はこれはなかったもので、ここから入ればこれはこういうふうに砂が横へ流れていき得る条件にあった。ところが、今のところ、こっち側は防波堤で囲まれているし、右側の方も防波堤があるので、これは行き場がない。しかも、粒の大きな砂礫は洪水のときにサーッと流れ込んでもここらのところに浅くたまって、今度は波が来ると全部岸へ戻ってくるという特性がありますから、それでここにたまってしまった。
 だから、今回、4,000m3運んだよという話があるんだけれども、洪水でたまるたんびに、この土砂というのは決してこっちへ流れることができないので、済みませんが、毎度、毎度と言うのもなんだけど、永年にわたってときどきそういうことを人間の方でやってあげない限りは詰まる。逆に言えばこっちの方は砂が足りなくなるという状態になるので、今回のことはよく絶対やってはいけない方法、これを取って砂利屋さんに売っちゃうという方法、それは取っていませんので、さっきの課長さんの話ではちゃんとこれをこっちへ持っていったという話。入れたところからちょっと動いちゃったんだけれども、まあしごく順当な、これは人呼んで「サンド・バイパス」と、砂をこっちへ持っていくという作業になると思います。そういうことだと思います。
 ありがとう。
○事務局(星上) どうもありがとうございました。
 今の土砂のお話はきょうの最後のセッションでもう一回詳しくやりたいと思いますので、このような状態だったという御報告だったということで御理解いただければと思います。

・亀塚と防災の今昔

○事務局(星上) 続きまして、沿岸の情報提供の2つ目として、清野先生の方から、この地域がどういうふうに沿岸域が発達していったかというところを、若干トピックとして御説明いただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
                〔 Power Point 〕
○清野アドバイザー この会議の中で亀塚というのが鴨川にあって、そこから先、海側というのは亀の土地というか、そういう領域だったというお話を伺いました。
 それで、亀塚というのはどこなんだろうということで、この間の会議の後に行ってみたのですけれども、そうしたら、今でも小高くなっていて、松の木が生えていてということで、未来高校の裏ぐらいですね。そういう場所にあります。
 それで、昔の地図を買って、鴨川というのはどういうふうに発達してきたんだろうということを今調べています。
 それで、その速報なのですけれども、鴨川の地図は明治36年から、私も含めてだれでも地図センターで買えるような資料がございます。それで、まだこの時期には鉄道が通っていなくて、ずっと海沿いの松林のところの裏を道が通っていたみたいなんですね。
 それで、この次の図面を出していただけるでしょうか。
                〔 Power Point 〕
 やっと鉄道が通りまして、鉄道がもう少し昔の道の陸側を通って、それでもやはり道というのは今の道と同じですけれども、ずっと砂丘の内側を通っていって鴨川の沿岸をずっと横切るような形であったわけです。
 この「亀塚」というふうに言っているのはこのあたりの昔の街道が通る橋の際にありまして、待崎川の右岸側のこの辺です。だから、ここからずっと集落の方に入っていくところというのは、非常に人の往来が激しかったんだと思うのですけれども、ここのところの待崎川の河口のこの辺というのは、どうも昔はなかなか人が住むにはいろいろ災害があるとか波が上がるとか、そういうことがあったのではないかと思われます。
 この昭和27年までは、道もこういう形でそんなに発達していなかったのですけれども、その後に、昭和55年になりますと、今の景色と大体似ているのですけれども、まず海側にサイクリング道路ということで、堤防の管理用通路なんですけれども、地図では「サイクリング道路」と書いてあります。これは別に道路工事を市とか県がやったわけではなくて、堤防を一応地図でそういうふうに書いてあるということで、若干不正確なのですけれども、実はサイクリング道路をつくってその向こうの方に通れるように橋をかけたわけですね。この橋をかけるようになったら、やはり便利になっちゃったんだと思うんですね。それの前のときは橋がなかったのですけれども、サイクリング道路から行って、海岸の縁をずっと通っていくような道ができて、自動車は通りにくいのですけれども、自転車だったら問題がないというようなことで、この辺が結構発達してきました。
                〔 Power Point 〕
 こういう形で、サイクリングロードからずっと橋を渡ってという整備ができた後に、このあたりに家がふえていきます。ですから、私より皆さんの方が、鴨川の地元の方が詳しいと思うのですけれども、やはり昔の方がつくっている道というのは、まあまあ安全なところまで橋をかけて横切っているんですけれども、それよりも海側というのはときどき川が暴れるとか、砂州が右左に揺れるとか何かそういうことがあったみたいで、このあたりというのはやっぱり防災上、これからも気をつけなければいけない場所かなと思います。
                〔 Power Point 〕
 県の方から資料をいただきまして、鴨川の沿岸の道路というのがどんなふうにできてきたのかなというのを種類も含めて色をつけていただきました。それで、昔からある道路というのはもう一般の国道ということであるのですけれども、その昔の道はもうちょっとこっち側にあったのですけれども、御存じのように陸側に移動しているということです。昔の道は市道とか県道とかいうことで、ここのあたりの街中を通る道というのはずっと整備されていまして、昔ながらの道というのはこういう形であるのですけれども、その後にサイクリング道路ができて、こういうところがどんどん、どんどん陸が海の方に迫ってきて、道路ができてくるとそこに人が住むようになるということかと思います。
 それで、この海岸づくり会議でも元々の砂浜とか、そういう砂丘というのは海の風だとか波がさわる場所としてあって、そこに人間が住んでいくということでいろいろな防災上の苦労があるという話はたびたび出てきたかと思います。今回のこういった一連の古い地図を順番に集めて眺めてみると、やはり人間がどんどん海の方に出ているというのがわかるんだと思います。ですから、これから鴨川の海岸や地域を考えるときに、昔から集落があるところというのはもう何百年、何千年、ひょっとして何千年も人が住んで安定しているところなんだけれども、新しくできて、さらに新しく道路をつくってきたところというのは、どうしてもときどき波をかぶったり浸水するということがあっても、まあしょうがないと言うと申しわけないのですけれども、そういうような強い力が働いちゃう場所なのかなというふうに思います。
                〔 Power Point 〕
 これは鴨川の地図とそれから道路の位置でざっと見てみたものなのですけれども、全国どこもそうで、やはりこれから海岸を考えるときにどこまで道路というのが守れるのかとか、あるいは海岸縁のどこまでが安全に住める範囲として行政の方や地主さんの方でも考えるかというのが大きい問題になってきています。ですから、もう一度まちづくりを考えるときに、きょうみたいに穏やかな日は大丈夫なのですけれども、高波が来るようなときにどこまでが安全かを考えるときには、ぜひ昔の地図、一番最初のページ……。
                〔 Power Point 〕
 一番最初の明治時代のこういう地図を見ていただくと、昔の人がまだコンクリートとか護岸工事とか余りできない時代に住んでいたところというのがよくわかるかなというふうに思います。
 ですから、鴨川のまちのこういった成り立ちをわかると、ほかの相模湾だとか東京湾だとか、やはり同じように海岸の砂丘の上とかちょっと内側にずっと道路が通っていて、砂丘より向こうというのはもう亀の土地というか、亀と漁業のためのスペースということになっていたところがほとんどですので、そういうつもりでまた景色を見ていただけたらと思います。
○宇多理事 弁天島もついでに話して。
○清野アドバイザー 弁天島ですか。
 これは弁天島で、これはちょっと昔の地図だとこうやって島がポコポコあるんですけれども、港は昔はありませんでした。
                〔 Power Point 〕
 これで昭和55年になると弁天島のあたりに防波堤をずっと延ばしているんですけれども、これもこの会議の中で教えていただいたんですが、昔は弁天島に渡るにはこうやって防波堤を伝ってとかではなくて、本当に船橋という、船をつないでいくとか、この島に渡るというのは30年に一遍とかそういうお祝い事であって、岸から身近に見える島にしょっちゅう行くということがなかなかできない。できなというか、逆にできないことによってありがたみというのを増していたようです。それで、今、この亀塚などもそうなんですけれども、千葉県内の海際の神社を調べると、海からお参りするということを前提にしていて、それで海からお参りするとかと、沖に出て神社をおがんでから魚を捕りに行くとか、海から見た神社の方が本当だったみたいです。
 この弁天島もそうなのですけれども、こうやってどうも陸続きになってしまったりとか、防波堤の裏側になってしまうと陸からなかなか見えなくなってしまったり、船で回り込んだりできなくなってしまうので、どうしてもお参りする方が減ったりだとか、忘れられたりということがあるようなんですね。それで、何千年も鴨川や房総で生きてきた人が海から見たときにありがたい場所にお祀りしているということがあるようなので、今後また鴨川を復活するときには、ぜひどこから見たらお参りしやすいかということも考えていただけたらなと思います。
 皆さん、天童よしみの「珍島物語」という演歌、御存じですか。今、鴨川だけではなくて、島に大潮の引き潮のときに渡るとか、お祭りをするとかという文化がどこまであるのかなということを調べています。そうしたら、天童よしみの「珍島物語」という演歌は、あれも春の大潮のとき、3月の春の大潮の干潮に何万人という人が「いっせいのせ」で沖の島に渡るそうです。それで、3時間で行って帰ってこないと潮が満ちて帰れなくなっちゃうということで、その珍島という島ではわざと橋をかけないで、「いっせいのせ」でみんなで一遍に渡るということが大イベントになっているようです。ですから、そういった一般の人が潮の満ち干で、年にこの時期は渡れるんだということをよく知っているという文化は房総もそうですし、韓国だとか、あるいはベトナムの人たちも持っているので、こういった一般の人が海を見て、もう何千年と観測して、この日だぞという日に渡る文化というのはぜひ大事にしたいなと思います。ですから、また弁天島にそういう歩いて渡るとか、船橋で渡るとか、そういった沖の島に渡るようなイベントが、またまたもっと多くの人が参加できるようなものになってもいいのかなという気がします。
 日本の港の工事は、島があるとそこに防波堤の片方をかけてしまうというか、ちょうど便利だなということで足場にしちゃうというのがあるので、銚子の近くの名洗という港もそうですし、どうも沖に島があると港の一部になっちゃうということで、その分、ありがたみがなくなってしまうので、これからはやっぱりありがたみを再生するような、そういうイベントとか、そういうものがあると盛り上がるかなと思います。
 以上、古い地図を見たらいろいろおもしろかったということですので、また地図の資料などが欲しい方がおられたらおっしゃってください。
 じゃあ、どうもありがとうございました。(拍手)
○事務局(星上) 清野先生、どうもありがとうございました。
 やっぱり文化につながることは地図を見ると結構残っているという非常におもしろい話ですので、ぜひ皆さんも、地図センターというところがありますので、そこで有料で買えますので、そういう地域の地図などを買っていただくとおもしろいかもしれません。

・情 報 提 供

○事務局(星上) 続きましてもう一つ、鴨川のサーフィンの関係の方から、マルキというところの下の駐車場の活用について若干情報提供したいという申し入れがございましたので、きょう上田さんの方から御説明をお願いします。
○上田 鴨川サーフィンクラブの上田と言います。
 本来ならサーフィンクラブの高梨の方から報告する予定でいたのですけれども、どうしても連休の谷間で、レストランという仕事をしていて、この時間内に来られる約束がちょっとできなかったので、きょうは来るんですけれども、今はまだ来ていないので、私の方で代理をします。あとサーフィンクラブのメンバーから後でちょっとフォローしてもらいます。
                〔 Power Point 〕
 鴨川の海岸で全面的にサーフィンには利用しているんですけれども、特にこのバイパスの高架になっているところの下の海岸、こういう行政上では東条海岸と言うんですけれども、私たちはよく「マルキ」と呼んでいます。ここの国道から海側に、一応これは国の土地として海岸整備のためのいろいろなブロックとかをつくるとか、そういう目的で整備をされた土地があります。そこは元々行政の利用のものでしたから中には入れなかったのですけれども、ここの前というのがサーフィンをするにはものすごく適した波が立つので、全国はもとより、鴨川市内に住むサーフィン関係者も、どうしてもここを使うときに車を路上にとめないといけなかったという背景があって、それが駐車の問題とかいろいろな問題を引き起こしていました。
 サーフィンクラブというのはサーフィンをする関係者でつくっている任意団体なんですけれども、そういうサーフィン利用と地元の方との意見調整をするというのを目的としている中で、そういう不満に対して、ここの土地を駐車場というか、車が入れるように活用できないかということを当時の土木事務所さんの方と調整することによって開放していただいたという経緯があったんです。
 その後、そこはフリーの駐車場としてだれもが利用できる環境だったんですけれども、ここ最近、その駐車場自体の中での諸問題が発生してきた。というのは、だれも管理している人がいないので、ほかの人がごみを捨てるとか、車をとめるのですけれども、車上荒らしというのも近年ものすごくふえてきたとか、また開放をしたのはいいものの新たな問題も出てきた。それをサーフィンクラブとして何か前向きな解決ができないかということで観光協会などとの調整を踏まえて、もちろんサーフィン関係者の中での意見調整もして、そこを管理をできる人間がいて、あとそれと同時に元々駐車場利用としての場所ではなかったですから、トイレとかそういうものもなくって、使ったはいいものの、全然トイレがなくって、保安林の中で排泄をするとかということも、まあ状況によっては仕方がないようなことでもあったと思うのですけれども、そういうこともあって、トイレとかも整備をしたいといういろいろな要望が出てきた中で、どうしてもそういうことをするには金銭的な背景がなかったらいけない。
 それで、観光協会とかの調整のもとで、管理をするための協力金をもらってみてはどうかということで、一応試験的な運用として去年の9月からやっています。それはあくまでも協力金という位置付けで、強制的な駐車料金というふうにはやっていないのですけれども、一応サーフィン利用の人間に関してはそれに対しての対応はしてもらっているという現実はあります。
 それは一応ことしの3月までの試験期間ということで、いろいろなそこでの出てくる問題とかをまた再度調整はして、その後の決定はするんですけれども、そのときも、今はまだサーフィンクラブとか観光協会、それと行政の方での話し合いになるので、そういうことを一般の人の意見を聞くという場は基本的にはなくって、その後のこの海岸づくり会議が初めてなので、ここでやらせていただいた次第なんですけれども、若干の効果というか、特に犯罪に関して、昨日、鴨川の市の警察署が千葉県の中で犯罪が減った地域として表彰されたんですね。その警察署長の方のお話で、いろいろな要素はあるけれども、その1つとしてここの駐車場で毎年起こっていた50件とか60件のそういう車上荒らしというのが2件とか3件とかに減ったという結果はあります。
 あと全般的に、常駐の人がいるのでごみのこととかもかなり少なくて、少し前にもディストネーション・キャンペーンでビーチクリーニングをやったけれども、私もびっくりしたんですけれども、ものすごく少なかったですね、いつもは袋に一杯になるのに。そうなのですけれども、しかしそういうところでそういう料金を取るのがいいのか、取っていいのかという意見がやはり若干市民の人からあるということもあります。だから、どうしていくのか。特に、海岸整備というか、土木的な対応とは別に、そういう海岸利用の問題というのも絶えず出てきていて、それを行政にやってくださいというふうな地域はものすごく多いんですけれども、一応、鴨川市の対策としてそういうことをやっています。
 一応そんな感じですけれども、何か補足があればお願いします。
 だから、きょうはこの場でお金を取るのがいいのかどうかとか、そういう議論のテーマにはならないんですけれども、一応そういうことをやっているので、だからそれに対してのまたいろいろな御意見とかというのはサーフィンクラブなり市の方に言ってもらえれば、またいろいろ考えさせてもらいたいと思っています。
○宇多理事 ちょっといい。
○上田 はい。
○宇多理事 前提条件だけれども、それはサーファーでも海浜に遊びに来る人でもだれでも入れる駐車場、自由使用。
○上田 もちろんそうです。
○宇多理事 それから、お手洗いをセットするなどというのは結構お金がかかると思うのですが、セットすればいいというものではなくて、後々もきれいにしていくというのはお金がかかる。
○上田 維持管理ね。
○宇多理事 そういうのはどのぐらいかかるかというのは勘定してみればわかると思うけれども、今はそういう長期の話ではなく、まずはちょっとこういうことでうまくいくかなという段階。やっぱり設備投資とか、本当に水洗便所を置いている、例えば静岡なんかはそういうので運動をして、本当にきれいなシャワーつきのやつを置いているところもあるんだけど、そういうのはどういう方向に行く予定なの、行ったらいいなと考えているの。お金も関係するしさ。
○上田 私の知る範囲で言いますと、9月からの前提期間として、一番最初は観光協会の方の支出で最初の施設はつくったんですね。
○宇多理事 すでに施設があるわけ。
○上田 施設というか、簡易のトイレで、簡易の詰め所で、その後、要はお金というのをそういうサーフィン利用者が払ってくれるのかとか、そういうものも含めた試験期間の中で、あとどれぐらいの経営的なお金が回るのかというのもいろいろな計算しながら、その収入と支出のバランスというもののデータも今まで蓄積しているところなんですね。
○宇多理事 まずは6ヵ月やってみて、いろいろな問題もあるけれども、それを全部出そうということね。
○上田 そういうふうに理解はしているんですけれども。だから、その先から見える、固定的にしたらいいのかとか、管理者がそういう第三者的なものでいいのかとか、いろいろなものも出てくるでしょうね。特に、海岸をサーフィンとかで利用する人たちというのは、ほかの海岸でもいろいろな管理者のパターンはありますけれども、普通の農地を持っているおじさんがその土地を自分の駐車場にしてお金を取って貸しているとか、和田とかは結構ありますし、湘南の方とかでは完全に市営駐車場ということで、料金も1,000円とか、それぐらいの金額を取っているところもありますし、いろいろなパターンがありますけれども、海岸を利用するために、そういうトイレとかの整備とかをやってもらえるんだったら払ってもいいよという、そういう認識はある程度は高まってはきているのは確かでね。だから、一般利用の人、本当にちょっと訪れる人がそういう同じ金額を負担すべきなのか、そういうのは議論もあるし、結構外国ではやはりメーター制とかでやっているところもいっぱいありますからね。だから、いろいろな解決策はあると思うんですけれども、そういう海岸の利用というもののテーマで、そういうものというのも全国でもいっぱいあると聞いていますし、一応、ここではそういうふうな取り組みを始めてます。
○宇多理事 ほかのところの事例も調べているの。
○上田 はい。
○宇多理事 有料化の問題とか、だれが管理したらきれいになるかとか、いろいろあるじゃない。今、トライアルをやっているんだね。それもよく聞いてもらった方がいい。
○上田 そうですね。
○井坂 ちょっといいですか。9月からやってると、もう半年になっちゃうじゃないですか、もうすぐ。次の半年というのは、もう何か具体的に次にどういうことをしようとか。
○上田 まだその経験の結果の総括というか、まだその打ち合わせが、要はこの3月までなんで、1つの区切りとして。まだそれは今検討中ということです。
○清野アドバイザー それでは、3月が終わったら何かの話し合いや、またその結果を持って議論するんですか、いろいろどうしようというこれからの話は。3月の後は、観光協会さんの方も含めて何か、せっかくそういうことを……。
○宇多理事 せっかくやったのだから。
○井坂 時間的にはもう次のことがある程度見えないとちょっとと思ったんで今ちょっと聞いたんですけど、せっかくやるんならね。
○関谷 いいですか。やっていて、もうすでに意味があると思うんですよ。僕は海岸を見ていて、ごみも大分減ってきていますし、ああやって管理しているだけでごみだって捨てにくいと思うんですね。それからあと犯罪の車上荒らしなども結構減っていますし、その辺だけでもかなりいい成果が出ているんではないかと。あとやることとすれば、あそこの砂利のところの舗装ができたら最高ですけれども、すごいお金がかかると思うんですけど、行く行くはですね。
○上田 だから、そういうものを、要は行政の管理者とどういうふうにやっていくのかとか。
○関谷 だれもとめられなかったことでしょう、今までごみを捨ても、車上荒らしも。
○上田 ええ、人がいないことによっての……。
○関谷 たったそれだけで、それだけの成果が出るということですよね。
○宇多理事 全体の流れとしては、すべて行政に文句を言ってやってくれよと言う時代は終わっちゃったんですよね。もうそんな手はないわけ。だから、そういう意味では自発的に皆さんがやっていくという流れは今の全体の流れとして間違っていないと思うんですよ。お金の順序が……。
○関谷 お金の、相手が自然ですので、波が悪いシーズンというのは必ずありますから、そうすればやっぱりほかに行くわけですよ。だから、やっぱり計算はできないですよね。そういう方向に持っていくこと自体が間違いだと。
○井坂 半年じゃなくて1年やらないと。
○宇多理事 本当は通年やってみて……。
○関谷 もうけを出したいのか、何のためにじゃああれをつくったのかですね。
○宇多理事 それはだってもうけというよりも、より多くの人がサーフィンを楽しみに来るんだから、安全に、気分悪く、もう二度と来たくないなということにならないような感じに、いいところだなとなってくれるように……。
○関谷 争いごとも減るでしょうしね、サーファーの。
○宇多理事 それこそ警察署長も喜ぶでしょう、ある意味。
○上田 その部分ではね。けれども、絶えず言うように、そこは基本的にこの海岸はサーファーだけのものじゃないし、だからサーフィンをしない人がお正月に使いたかったら、まあとめられないのはしょうがないかもしれないけれど、そこに対しての金銭負担というのは何なんだという意見があるというか、それは出るでしょうね。
○関谷 海を使ってお金を払う人というのはほとんどいないと思うのですよ、釣りでも海水浴でも。まあ、海の家には払いますけれども、サーファーだけだと思うんですね、駐車場とかでお金を落とす。海水浴は九十九里の方へ行ったり、湘南の方へ行ったりすれば2,000円とか3,000円とか1日夏、取りますけど。
○井坂 取りますか……。
○関谷 わかんないですけど、鴨川ではやはり無料でやっているところ、市営駐車場もありますので、その辺を今度はどうするか、統一するかどうかですね。同じ市でやっている駐車場を、マルキと前原の駐車場でお金を取る、取らないという違いが出てくると、あとはだからサーファーがちゃんと払って駐車場にとめるようになっても、今度は釣り人が、海水浴客が駐車違反するようになると思うんですね、そこがお金を取られるようになってしまったら。その辺の問題も出てくると思うんですけど。
○井坂 クリアにしていくと、僕が聞きたかったのは、半年で終わってしまうのではなくて、もう3月だとすれば次のことが決まっていないと、実際にはサーファーにとってもほかの人にとってもそこの駐車場が使えるかどうか、また元へ戻すという話になっちゃうのが嫌だなということでちょっと確認したかったので。
○関谷 半年チケットとか売ってんですよ、もうすでに。
○井坂 だから、それは継続できるということを、市の方とか観光協会がある程度少し目星をつけてくれているんならばいいけど、そうじゃないと、またこの議論を始めちゃうとまたこれでとまんなくなっちゃうと思ったので、ちょっとその辺、サーフィンクラブというか、任されているところがどういう形で、今後、市の方とある程度内々でも話ができているのか、だって、もうそれはできていないとちょっとまずい時期なんで、その辺を……。
○上田 それはできているんですけれども、私がその担当者じゃなくて、ちょっと余り説明し切れないことがあるんですけれどもね。けれども、また逆に客観的に見て、そういうような話とかというのも、駐車料金を取るとかというのも、もっと事前に市民の人に、こういうふうになるんですけれども、どうですかというような対話ができる場とか、それはこの海岸づくりというものの将来のあるべきコンセプトだと思うんですね。だから、できてサーファーだけが勝手に決めやがってというようなことをこちらは望んでいるわけじゃないんで。
○宇多理事 全体としてはよく相談しながらポジティブに進めていってもらった方がいいんじゃないの。
○上田 実際、全国的に見てサーフィンをしている人たちがそういうネットワークをつくって、そこまで踏み込んだというのは、余り実例は知らないので……。
○井坂 都市型でサーファーがそれだけいる場所というのがそれほどないということですよ。逆に千葉の一部と湘南と静岡の一部ぐらいしか、あと関西の一部、そこしか元々ないんで、その範囲ではそういうことが起きると思うんだけど、今後、それが一番大きな問題になってくるわけで、あとは一般の遊泳者の問題もあるし、サーファーだけでいいのかという話、子供が遊べないという話とかいろいろありますんで、それはまたちょっと……。
○事務局(星上) では、上田さん、どうもありがとうございました。
 このような議論は、ちょっときょうは時間の関係もございますが、そういう情報提供ということで御認識いただいて、ぜひ今後また議論も進むと思いますので、その際にはいろいろな意見をお出しいただけたらと思います。ぜひサーフィンクラブとかの方にも直接アポイントを取っていただいても結構ですし、皆さんの意見をお待ちしているということです。
 余談ですけれども、やはり法律問題とかにいずれは抵触してくることもいっぱいあると思いますので、そういうところを十分いろいろトライアルをやっていただければいいんじゃないかと思います。
 それでは、ここで一たん休憩をとらせていただきまして、10分ぐらい後に再開させていただきます。

                 〔暫時休憩〕

○事務局(星上) それでは、2つ目のセッションを始めたいと思いますので、御着席をお願いします。
 まず、画面は「嵩上げ工について」となっていますが、その前に皆さん御存じの相原さんの方からちょっと情報提供がありましたので、少し動画をお見せしたいと思います。
                 〔 ビデオ 〕
 これは汐入公園の前のところの風景を毎日散歩されて撮影されているということで、向こう側に未来高校が映っていますけれども、これは12月の台風の前のときの状況だそうです。植生が青々として生えていた。
 ちょっと進めますけれども、こんな感じですね。これが去年の12月の爆弾低気圧、皆さんも記憶にあるかと思うんですが、12月なのにとんでもない台風みたいなものが来て、こういうふうに打ち上がってしまったらしいんですね。もう植生も完全になくて、流木などが打ち上げられて、これは26、27ですか、このときもまだ時化ていますね。相当打ち上がった感じで、これもほとんど一夜にしてこの状態になったというふうな……。
○宇多理事 このごみはどうしたの。
○事務局(星上) このごみは市の方で撤去を進めたらしいのですけれども、初日の出のときには間に合わなかったそうですね。
○宇多理事 すごいね、これ。
○上田 もうちょっと護岸まで映してもらえば……。
○宇多理事 手前ね。
○事務局(星上) もうちょっと左へ振ってくださいという感じですが、それは置いておいて、こういう迫力のある映像を御提供いただきましたので、皆さんに御報告します。12月にこういうものが来るというのは非常にめずらしいことだと思いますけれども、これがいろいろ言われている異常気象のあれかどうかわかりませんが、この後もまた復元してさっきのような植生がいずれは生えてくるんだろうと思いますが。
○宇多理事 すごいね。
○井坂 これは川からのごみですか。
○事務局(星上) そうですね。流木は全部川から出たものが海から回り込んでいるはずですね。
○宇多理事 このときは雨が降った……。
○相原 あれは私が整理しているのです、山になっているのは。
○宇多理事 汐入公園の前。
○上田 台風のときは堤防まで来ていましたね。
○相原 来ていました。でも、ここは、汐入公園は今砂がいっぱいたまっていて。
○宇多理事 砂が打ち上げた……。
○上田 台風よりも弱いですよ。
○相原 台風じゃないのにこんなになってしまったんです。
○宇多理事 去年の10月6日、7日のあれはすごかったでしょう。そのときには撮っていないのですか。そういうときも行って撮ってきて。(笑声)
○相原 わかりました。(笑声)
○事務局(星上) ということでございまして……。
○相原 もう少し、今現在の春のものがありますので。
○事務局(星上) あるんですか、もっと先かな。これはまだですか。まだ時化ていますね。
○相原 これは12月ですから。ユニバースホテルの方まで撮りましたので。
○宇多理事 すごいんだ。あそこのところだ。
○事務局(星上) これは整備事務所さんの前の駐車場のところですね。
○相原 シーワールドの前は本当にごみがなかったのです。あったのはグランドホテルまでですね。
○事務局(星上) 砂浜も一瞬、なくなっている感じに見えますね。
○宇多理事 なくなってる、たまるスペースもない。
○事務局(星上) これ、打ち上がっていますよね。ちょっと戻しますが、これは今の台風の続きでしょうけれども、堤防の上に完全に砂が打ち上がって、今、自転車を押していましたけれども……。
○宇多理事 すごいな、これ、全部砂が打ち上がったんだ。
○事務局(星上) これはロイヤルホテルさんの駐車場のところですよね。
○相原 そうですね。
○事務局(星上) 前原海岸も海岸線付近に流木が……、
○宇多理事 すごい。
○事務局(星上) これは初日の出ですか。
 以上で、もう少しありますか。
○相原 もうちょっと、今現在の。
○事務局(星上) 現在の、失礼しました。何かたき火をしていますけれども。
○相原 燃やしたんです。
○事務局(星上) 皆さんで燃やしているんですね。
○相原 これは元旦じゃないでしょうか。
○事務局(星上) すごい量を燃やしてますね。
○相原 元旦に初日の出を見に来た人が燃やしている。火をつけたのです。
○事務局(星上) これは煙で見えないとか、そういうことはないんですか。
 もうちょっと先がありますか。
○相原 あります。これがきょうの汐入公園です。
○事務局(星上) これがきょうのようです。
○相原 草刈りしているところです。
○事務局(星上) 少し、流木は撤去されていますね。
○宇多理事 ここまで波が上がったわけでしょう。
○相原 上がりませんでした、このときは。これは今、汐入公園を整備している状況です。春が早くて、この海浜公園の芽吹きが早すぎる。カラスノエンドウというあの青いのが、あんなに芽吹いている。
○事務局(星上) ああ、この緑のところですか。
○相原 はい。
○事務局(星上) ありがとうございました。という貴重な情報を、拍手で。(拍手)
 すごく性能のよいビデオを買われたそうなので、小型のビデオなのでぜひ毎日持って歩いていただいて、(笑声)また御報告いただければと思います。

6.越波対策と加茂川の土砂活用について

○事務局(星上) 実は、これから最初のテーマに入りますが、越波対策工ということで、前回までにいろいろ御提案差し上げた嵩上げ工について御紹介するのですが、その前に沿岸の今の全体の状態をもう一度皆さんに見ていただきたいと思いまして、今朝ほど、午前中、清野先生と宇多先生と事務局の方で海岸端を歩いてきましたので、そのときの写真をちょっと御紹介しながら解説をお願いします。
○宇多理事 東条海岸の東の方から順番に前原までずっと。
                〔 Power Point 〕
 向こう側の方、ときどき地名がわからなくなるんだけれど、さっきの駐車場のここから、マルキ下から下りていったところのビーチ。この辺はたっぷり砂浜があって、割と粗いザラザラの砂がある。ずっと向こうを見ると遠くの方に見えるのがシーワールドのところで、何となくいやらしい風景。
                〔 Power Point 〕
 途中、こういう松林があって保安林と言うんですけど、これはおもしろいことに保安林がたっぷりある前に植生帯が護岸を横切って出ているんです。この植生が入っているということは安定していて、例えば亀なども上がってこれるような土地なんだろうと思うのだけれども、何でここがこうなっているのかはよくわからない。この護岸はもうできてから30年以上で、砂で埋まっているという状態ですね。
                〔 Power Point 〕
 きょう、この夜長川が非常にうんと北側に蛇行して流れていました。これが起こるというのはさっきの相原さんの話ではないけれども、気候がおかしくなっている。これが北へ流れるというのは、南からのうねりがうんと入ってきている証拠なので、気温が高いときによく起こる現象だと思います。これはこっちへずっと行ってまた戻ってくるのは大変だったんですけど、とにかくここのところ、河口はどっかこっちの方なのに、1本、2本が重なってこう流れるのが、かれこれ500〜600m北へ流れていましたね。ちょっと異様な風景です。
                〔 Power Point 〕
 ロイヤルホテルの前付近になると砂利がいっぱい打ち上がっている。これは見ればわかるとおり非常に小粒の小砂利で、これはずっと前原のこっちの方へ来ると全然違うんで、浜辺と言っても砂の粒の大きさが全然違うことがわかります。
                〔 Power Point 〕
 これ、おばさんがここで掃除機をかけていましたけど、このガラス窓のところを見ていただくと、これがここで1m、1m50、これぐらいだとまあ普通のときはここに植生もあるので波はかぶりませんけど、この東条海岸にすごい時化が来るときには大体海面が1m、満潮に加えて1mぐらい上がってきますので、大体身の丈ぐらい海面が上がる。そのところに5〜6mの波が入ってきますので、周期が長い波が来るとジャブーンと飛び越える。こんなガラスを割るのは容易である。そこのところがちょっとここの問題なわけですね。
                〔 Power Point 〕
 これはシーワールドの駐車場の隣側、これは地上げしてあるんだと思いますが、このコンクリートの衝立状のものがあって、地盤高が高くなっている。こういうところは水はジャブーンと乗っかるけれども、また落ちるだけですけれどもね、この護岸は明らかに低い。
                〔 Power Point 〕
 ずっと行くとこれはシーワールドの駐車場、ここが一番弱点です。これは今ここの天端上を歩いていますけど、ここに下りて、ここにおじさんが立っていますけど、我々もここにさっき行ったのですけれども、ここに1mの塀ができるとここに立った人は水平線が見えません。でも、何とも言いがたいのは、ここのところはすごくへこんでいますので、水が上がっていった場合にはもはやこっちへ戻るべき必要がないぐらいでかい水たまりになるべき場所。これはもうこの状態のままだとちょっとおっかないなというところですね。
                〔 Power Point 〕
 だんだん近づいてくると、シーワールドの建物が向こう側に見えてきましたけど、これが玄関の方ね。一たん地盤は上がるんだけど、前浜がとにかく狭くなってくる。
                〔 Power Point 〕
 ここに砂が盛ってあるでしょう。これがだから相原さんのさっきのビデオに撮った12月26日か何かに大量の砂がここに打ち上がっていたのを多分土木事務所の人がヨイショと言ってこれ……。
○相原 いや、あのときはないです。
○宇多理事 上がっていたのを下ろしたんではないですか、掃除した後。
○相原 これは若者たちが走った跡です。訓練のたまものです。
○宇多理事 へぇ、ここ。
○相原 はい。これは台風とは関係ないです。
○宇多理事 関係ない、へぇ、本当、知らなかった。僕らは想像したんで、これを戻したのかなと思ったんだけど。
○相原 この台風は、26、27日は砂は余り上がらなかった。
○宇多理事 上がんなかったですか。
○上田 でも、その前に夏に上がってたものはシーワールドの人も掃除して……。
○宇多理事 前へ出した。
○相原 それはその前のときのね。
○宇多理事 前の台風ね、それが残っていた可能性はある。
○相原 それは半年以上前です。
                〔 Power Point 〕
○宇多理事 だんだんコンクリートの衝立が出てきましたよね。
○相原 もう半年以上前。少しは上がりましたけどね。
○宇多理事 ここにちょっと上がっているのがそうかもしれない。
 これ、ずっと緩傾斜、3m行って1m下りるという勾配なんですけど、これは昔からこうやって出ていたわけではない。どんどん、どんどんこの護岸の露出距離が長くなってきています。今も長くなっている。この目の前の砂浜が余り広くなくて、波がずっと上がっちゃう条件に今ある。それは何遍も言ってきたけど、ここのところの施設が前に出てきた。この施設が前に出てきたから波と鉢合わせをしているという言い方もできるかもしれません。
                〔 Power Point 〕
 反対方向を見ると、ここ、護岸が入っているじゃないですか。
                〔 Power Point 〕
 これ、ここの三角のテントの前にこういうふうにスロープがあると、ここに穴があるからいいかなと思うとそうでもなくて、この穴はどうせ水でふさがれちゃうので、スーッとほとんどエネルギーを失うことなく飛び込む。だから、このスロープというのは、ここが鉛直の壁の場合よりも水が飛び込みやすい、当たり前ですよね。
○相原 済みません、この工法が一番滑りますね、危ない、この状態が。
○宇多理事 人が歩こうとしたときね。
○相原 歩こうとしたときに、砂が入って滑って、滑って。
○宇多理事 そう、さっきやってきたんだ、それ。やっぱりこれだとおっかない。
○相原 おっかない。
○宇多理事 上から下りていくときにスロープが下に向かって行っちゃうでしょう。そういうところに、だから後々出ますけど、階段というか、人が安全に下りられるということはやっぱりこのままここで下りればいいだろうということはちょっとおかしいなということが後々出てきます。
                〔 Power Point 〕
 これ、きょうはいっぱいお客さんがいたんだけど、この護岸の高さが50p、これは何もないでしょう。ここはだからいつも水がいるところ。
                〔 Power Point 〕
 ここも中が低くてこの辺が赤茶けていまして、錆びているのは全部水がジャブンと、だからシーワールドの中の設備で、この辺は一番老朽化が激しいんだろうと思います。
○上田 この緩傾斜護岸は災害復旧でやったんですけれども、一応その工法としては水が透過するから比較的安定しているという説明だったんですけれども、かなりこのブロックの1つ1つの沈下が始まっていますね。だから、いつガサッと行くかというのは、何かこう……。
○宇多理事 おっしゃるとおり。だから、耐久性というか、永年にわたってこれがもつかどうかはわからない。
○上田 白渚は下が岩盤なんでかなり強いんですよ。
○宇多理事 ここは砂だもんな。
 それから、ついでながら、この前、IPCCのレポートが出ましたけど、今より海面が58pぐらい上がる。そのときはとても大変ですよね。台風みたいな状態がいつでも接近してしまう。
○上田 何年ごろですか。
○宇多理事 あれは正確には言っていないんだよね。21世紀末ごろにはと、だから100年で大体このぐらいね。だから、そういうところも見ておかなければならない。
                〔 Power Point 〕
 シーワールドホテルは、これは御自分で立派なやつをつくったように思われる、最近。僕、最近ご無沙汰しているんだれど、これは1m20の衝立状に、ここに砂があるのは、これはザーッと上がってきた水が行かれなくて、ここへ砂だけ置いて水だけ戻っていった跡だろうと思います。
○庄司 いや、これは風ですね。
○宇多理事 風か。失礼、やはり地元の人の方がよくわかっている。風で飛んできたやつが、これは中へ飛ぶべきがカットされているということ。
                〔 Power Point 〕
 これは階段状としてはいいんだけど、ちょうどステップ状になっている。さっきのものよりも下りやすいけれど、でも、問題はやっぱり前側の前浜が非常に狭いことです。後ろは保安林ね、昔からの景色。
                〔 Power Point 〕
 見てください、これ。きょう行ったら、ここ、つつくと蛇篭がジョコジョコに出てきました。切れてはいないけれども、要するにこの護岸の下のこれを「基礎」と言って、そのまた基礎の基礎にこの鉄線籠に石を入れたものをずっと帯状に置いたのでしょうね。それが今、砂がなくなって露出している。これはこのまま行くと錆びてピュンとなるので、裸足で歩いたりするとズカッとやる。だから、こういう状態では通常、海岸の管理者はここのところへ行ってこれが怪我をするもとにならないだろうかというチェックが必要で、危ないときには何かしないと、少なくとも危険防止の何かをやっているのという質問に耐えられないでしょう、だって。そういうちょっと嫌らしい面が少し出てきている感じでした。
                〔 Power Point 〕
 それでずっと行くと……。
                〔 Power Point 〕
 グランドホテルは、これは御自分で、ここで1mですから、1m70pの衝立がある。これはいいんだけども、視界は完全にシャットダウンされるので、しかもこのグランドホテル、このすぐ下はプールなんで、プールからこっちを見たら、昔でよく言う監獄の中でのプールみたいなものになってしまっている、残念ながらね。
                〔 Power Point 〕
 この前に来ると、これはもう相当古い、1970年だから、今から、私が建設省に入った時代のころにつくった非常に古い護岸が出てきます。これは埋蔵文化財みたいな、(笑声)というのはここのところが石が丁寧に詰まっているんですよ。この石を詰めてもだめなんだけども、それが砂に埋まっていたのがザブーンと取られた。さっきの相原さんの写真で、高波がかぶったのかな。取られた後、出てきたものが見えました。
                〔 Power Point 〕
 ずっと続いていって、ここに崖が見えるでしょう。皆さん御存じのようにここに小屋があったですよ、昔。その小屋は完全になくなっている。
                〔 Power Point 〕
 さっき相原さんの言ったのはこのあたりで、それの前側は砂がふえたようにも見える。
○相原 すごくふえました。
                〔 Power Point 〕
○宇多理事 すごくふえた、やっぱり。これは粒の大きい、割と粗めの砂が……。
○相原 何倍とふえました。
○宇多理事 そう。
○上田 海底はまだ深いですから……。
○宇多理事 打ち上がったんですかね。
○上田 全然サーフィンはできない状態です。
○宇多理事 ここは、そうなの。
 それで、これをずっと歩いていったんですよ。
                〔 Power Point 〕
 これ、さっきの待崎川の左岸導流堤の上に乗って陸側に撮っているんですけれど、ここに砂利が大量に打ち上がっている。その裏側に貝の白い線が見えるでしょう。これはさっきのすごい高波が来たとき、ここからドーッと水がここへ流れていた写真をよくこれはあらわしていて、この砂利は川の中へ飛び込んだ。波はここまで間違いなく来ていたということだと思います。ここへ削られた跡。それから、この右岸導流堤のあたりが今、グチャグチャグチャとなっていました。ここはね。前は安定したんだけど。
                〔 Power Point 〕
 それで、ちょっと皮肉を言わせてもらうと、これは人呼んで駐車場なんだけど、皮をはいでみたって、僕がはいだわけじゃないんだけど、はいでみると、ここのところにポールが立っていますけれども、この大体70p下のところには元の砂浜があって、その上に土砂を入れて上にさらに別の土砂を入れて駐車場にしたんだけど、それが元に戻っていた。やはりこの土地はさっきの清野さんじゃないけれど、元々波が上がっていたりする場所なので、そこをちょっと悪いけどと言って広げると……。
○庄司 宇多さん、あそこの前に木が植わっているでしょう。
○宇多理事 ここ。
○庄司 ええ。そこのところは昔、下が波返しになっているんです。
○宇多理事 ということは、ここまで海だったんだ。だから、これは人呼んで「侵食」なんだけど、波呼んで、また自分の元の土地に戻したというか、皮肉っぽく言えばね。もっとも、だからと言って駐車場が要らないと言っている意味ではないんだけど、その微妙なバランスがあるな。
○相原 済みません。
○宇多理事 はい。
○相原 そこの手前が燃えていますよね。
○宇多理事 ここ。
○相原 そのもっと手前。今も火がついていますよね。その手前のあれが網がかかっていますよね。
○宇多理事 これ。
○相原 そこがやはり竹の藪だったんです。それに火をつけたボランティアがいまして、鴨川土木事務所じゃない、今は名前が変わったのですが、その人たちが、パトロールカーも来て、十何人もすごく人が出て海からの水で、バケツでその火を消している姿があったんです。私に、「だれが火をつけたんだか知っている」って聞かれたんですけど、私はわからなかったんですが、現状を見ましたら、何はともあれ、私だって火をつける状態なんです。あの網の上に竹や何かが乗っちゃうと、もうそれは処理できないのです、一人あれでは、燃やすしかない。網にビニールがかかっていて、そのビニールが溶けてしまうと錆びてそれが腐食が始まると、こういうことでパトロールの方たちは水をひっかけた。それの対策は、私としては何が先がいいのかということは、竹の流れてくるのをとめるのも必要でしょうし、いろいろとありますが、そういう現状がつい10日ぐらい前にありました。
○宇多理事 そうだったのか。だから焦げてたんだ。
○相原 はい。
○宇多理事 ああ、これは黒く見えたのですよね。
○庄司 それは私が全部1つ1つ取って、海岸で、砂浜で燃したんです。そうしたら、次の日に来たらこれが全部燃えているから、何でだろうなと思ったんですよ。
○宇多理事 とにかく、大量の竹だったですものね。
○相原 毎日同じ時間、私は5時に行くんですけれども、毎日同じ時間に、6時ごろになると火がついてました。毎日、それはだからボランティアの人がやってくれていたんだと思います。
○庄司 私、やってました。
○宇多理事 そうか。
○庄司 向こうに煙が出ているの、全部今の、私がやったんですよ。
○宇多理事 これはごみの始末か。
○庄司 ええ。
○宇多理事 そうか。次へ行こう。
                〔 Power Point 〕
 これは反対側を見たところで、前原を見ていくでしょう。
                〔 Power Point 〕
 ここの辺もさっき、足首を折ったというのがこれかどうか知らないけれども、前の地盤が下がっちゃって、急な階段でこれはステップの幅が狭いもんで、クルッとなりそうな感じが確かにありました。ここから先は細かい砂が全部離岸堤の後ろにたまっている。
                〔 Power Point 〕
 これね、さっきの。だから、ただつくればいいよというものではないわけで、安心して下りられるような階段じゃないとまずいなというところです。
                〔 Power Point 〕
 ここはさっきの東条と比べるとすごく細かい砂がたまっているのがわかりますよね。波の静かなところには細かい砂が先にたまるという典型例です。だから、この細かい砂が一体どこから来たかというと、東条海岸の沖あたりにあったので、この細かい砂があるときというのは勾配が緩やかなので、それが全部こっちに来ているということは、こっちは勾配が緩やかでいいけれど、シーワールドの目の前はズドンと落ちる海岸になったということですね。これを見れば直ちにそれがわかる。
                〔 Power Point 〕
 ここは、これは清野先生が歩いているけれど、ものすごい広々とした浜になっている。だから砂の、ここから見るとシーワールドの前にとにかく狭いのが最もくぼんでいて、それが両脇、特に南側に向かって広くなっているというのが一目でわかるという状況でした。
 これで以上。
○事務局(星上) どうもありがとうございました。
 今朝の状態ということで一度皆さんにごらんいただきました。これに引き続きまして、いよいよ今度は嵩上げのお話をさせていただきたいと思います。
 前回の会議のときにいろいろ議論がありまして、長期的にどうすべきかとか、短期的にどうすべきかというような議論の中で、まず短期的にやれることをやっていこうというふうに皆さんから御意見をいただきまして、その1つの例としてこの嵩上げを進めたらどうかということになりました。
                〔 Power Point 〕
 これも繰り返しですけれども、前回までに何回もお見せしていますが、先ほどのシーワールドさんのところに、平成9年のときの写真ですけれども、飛び込んだ波の状態。ここにさっき写真で写っていた護岸の天端はここにあるわけですね、皆さんが散歩されているところは。これをはるかに乗り越えてもう後ろまで完全に通過してしまう。この状態は今でも余り改善されているわけではありません。特に、この三角のテントがございますね。先ほども写っていましたけれども、ここのところは今も護岸が低い状態なので、同じような時化が来ればこうなってしまう可能性はあるということでございます。
                〔 Power Point 〕
 これも同じように横から見た感じですが、完全に護岸の上を白波が乗り越えているのがよくわかると思います。
                〔 Power Point 〕
 これは、宇多さんが笑っていますけど、同じ台風の後に保安林の前で撮った写真ですが、砂がその後で打ち上がってしまう状態というのがよくわかります。これは砂だけではなくて、前の護岸のブロックが波で吹っ飛ばされて後ろに上がっていますね。このとき、たしか保安林の中までブロックが飛んでいたように記憶しています。
                〔 Power Point 〕
 これもシーワールドさんのホテルの前の壁、この当時ありましたけれども、もう土砂が打ち上げられて、その先が陥没している状態がわかりますが、この後、災害復旧で直したというようなことですね。
                〔 Power Point 〕
 実際、嵩上げというのはいろいろなパターンがあるわけですが、これは前回御紹介した絵ですけれども、現状は緩傾斜護岸の後ろの民有地側のところにいろいろな高さの護岸があるといった状態でありますが、これだけだとどこを見ても波が通過するということもありますし、波がおさまった後に管理用通路、皆さんが歩かれる天端のところに土砂がたまってしまってもう歩けない、毎回撤去をしなければいかんというような状況が起きますので、まず今回御提案したというのは、この前側に壁をつけたらどうだということで御提案させていただきまして、きょうはその具体的な図面等をお持ちしています。
                〔 Power Point 〕
 これは1つの例なのですけれども、お隣の和田町の白渚海岸で実際に同じような3割勾配の護岸を改良した例です。ここの場合は、実は後ろに国道が通っていまして、国道との間に同じ高さの壁をずっと設けています。それだけでは越波を防ぎ切れない場所が何ヵ所かあるということで、この写真の中央にあるこのL型の壁、これはこの手前に見えているブロックを撤去しまして、ここにコンクリートでこういうL型の壁をつけたものですけれども、実際はここの前にもう砂がたまっているのがわかるように、波が上がっても一たんここで波が消波されて、それ以上の波は飛び越えるんですけれども、2枚目の壁で何とか防ぐというようなことをここでは考えたということで、今回御提案するのはこの前側の壁で全体を構築したらどうかということを前回までにお話をしています。
 実際にこれは白渚海岸の場合は段差が1mですね。前側、海側で1mありまして、後ろの管理用通路から見れば50pぐらいの小さなものであります。
                〔 Power Point 〕
 御当地の場合、波の打ち上げ高等をいろいろ検討したりしますと、T.P.約6m、これは平均的な海水面上の高さで6mぐらいの高さの護岸が必要になります。今現在の後ろの管理用通路が大体5mから20pぐらい下がっているところにありますけれども、その前に約1m10pぐらいの壁があって、前面はさらに壁高は高いですが、この壁が直立に立っていることで波を防ごうということで御提案しまして、一応前回、これを前向きに進めることで御了解をいただいたと思います。
                〔 Power Point 〕
 実際には現場へ行くとわかりますけれども、斜めの護岸がいろいろなタイプのブロックでつくられていたりしますので、若干場所によってサイズが変わっています。実際に嵩上げするときにサイズが変わります。例えば、この上の図は前回御提案した図なんですけれども、今回御提案する場所、最も越波が激しくて緊急を要するであろうと思われる個所について図面を描くとこういうことになります。今の天端上の歩道を若干嵩上げしまして、ここの前に1mの壁をつくります。前面はさらにちょっと高くて2.3mの直立の壁ができまして、そこがL型になっているというようなことが、今回一応実施設計ということで、現場に合わせた設計図を描くとこういうふうになるということでございます。
                〔 Power Point 〕
 ちょっと拡大してみますと、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、この前側のものは階段の図なのでちょっと無視していただいて、実際はここが今の通路で、その前に壁に当たってL型になる。こういう図形ができ上がります。
                〔 Power Point 〕
 じゃあどこを具体的にやっていくのだということも前回御指摘がございましたので、ここで御紹介したいと思います。
 まず対策区間を決めるに当たって、最も危険度の高いところを優先するということですが、その考え方は4つありまして、1つは今の現状で前面の砂浜の幅が狭いところ、それから背後地に浸水をするような被害施設が実際にあるところ、また既設の護岸、これは要は管理用通路の後ろの民有護岸を含めた護岸の高さですけれども、それが全体に比較して相対的に低い、低い場所ということですね。それと既設の護岸が、前の護岸が緩傾斜堤である、斜めの護岸であるというところをまず選択の条件として考えてきました。
                〔 Power Point 〕
 これは前回までにお示しした絵ですけれども、沿岸全体でもう一回整理すると、前原横渚海岸というのは浜も広いですし離岸堤があって、今は越波しにくい状況があるので、ここは今回は対象外。それから東条海岸、待崎川から先ほど御紹介があったマルキ下というところまでの間のところを見ますと、まず待崎川から整備事務所さん、県の事務所さんの前までというのは砂浜幅が70〜80mございます。相原さんに御紹介いただいたように波は確かに打ち上がるのですけれども、護岸より前で何とか食い止まっている状態、ほとんど越波しない状態というのがあります。ですので、ここは若干今は安全度が比較的保てている。それと亀田病院さんの前からマルキの下までというのは、実際は国道までの間に浸水する被害施設がないということと、ほかに比べればまだ砂浜幅が広い。まあ真ん中に比べればですね。ということで、ここは対象外だろう。こっちですね。
                〔 Power Point 〕
 今申し上げたのはマルキの下から、亀田病院というのは大体この端っこの方ですね。それと、整備事務所さんからは、大体ここにありますが、ここから先ほどビデオでお見せいただいた待崎川までの間というのは砂浜幅が広いというのがわかります。これに対して整備事務所さんの隣、これはグランドホテルさんの前あたりからロイヤルホテルさんの前というのが、この写真でもわかりますように砂浜幅がほとんどないといったところで、まずは全体としてはこのエリアが対象になるだろうということは御理解いただけると思います。

 具体にそれではその中でどういうふうに考えるんだと、この区間が、ここが整備事務所さんで、ここがさっきの昔、市の防災小屋があったところの駐車場ですね。それとここに夜長川という小さな河川がありまして、亀田病院さんのヘリポートがございますが、このヘリポートまでの手前までの間、ここは約1.6qぐらいありまして、ここがこの写真を見ていただいてもわかるとおり、これが護岸ですけれども、護岸の前に砂浜がほとんどない状態というのがわかります。その中でも先ほど宇多先生に御紹介いただいたように、現状を見てもやはりシーワールドさんの前のあたりが砂浜幅がとても狭いという現状があると思います。
 それと、先ほど選定条件の中で幾つか御紹介しましたが、後ろの壁が高いか低いかという問題も考えますと、このシーワールドさんの今の中央の広場のところが砂浜も狭いし後ろの壁も低いということで、最もこの地域の中でも越波しやすい状態であるということがわかります。
 そういうことで、まずこの1.6qを考えていくのですけれども、その中でもこの辺、真ん中辺がやはり重要度が高いのではないかというふうに客観的に見てとれます。
                〔 Power Point 〕
 先ほど、こういう前提条件の中で今図面を御紹介しましたけれども、やはりどうしても海岸の中央部、砂が痩せているところを重点的にまず手当をするべきかなということがいわゆる設計手法としては客観的に判断できるところということです。
 おさらいですけれども、砂浜幅は狭くて後ろに浸水する被害施設があって、さらに後ろの護岸高も低くて前が緩傾斜である。
                〔 Power Point 〕
 この条件に合致したということで、当面はこの辺から優先的に嵩上げなりを進めていって、順次横方向に広げていく検討を今後していく。今後も当然砂浜の幅とか変わっていく要素もあるわけですから、ここ、例えば着手して様子を見ながら、次にどっちをやるかとか、そういう話は今後、検討課題になっていくんだろうというふうに思います。
                〔 Power Point 〕
 もう一つ補足的に、前面に今度壁がずっと立ってしまうと、当然アクセスが、海浜に下りられなくなってしまいます。それを解消するためにここがちょっと、これは上から見た平面図と言うのですけれども、ここが皆さんが普段歩かれているところで、上が先ほどのホテルとかシーワールドさんがあるような背後地です。ここに護岸がずっとできるわけですが、そこをところどころこのように切って階段で下りられるようにしてやるということを考えています。これは当然、海浜で遊ばれている方とかが、高波が急に来たときに逃げ場がなくて困るというのもありますので、そういう防災面も配慮しながら、または当然後ろから来る方がこちらに下りて海浜にアクセスできるというような配慮で、これは横から見た図ですけれども、階段を適宜設けていくということを検討していますが、この階段の設置するイメージ、これは和田浦にある斜路ですけれども、ちょっとイメージは違いますが、ここがつまり歩道で、この前に壁ができて、今、ここからピョッと両脇に階段で下りられるようなことを検討しているといったことです。
                〔 Power Point 〕
 ちょっと上に書いていますけれども、約100mに1個所ぐらいずつこういうものを設けたらどうかということを提案しています。
                〔 Power Point 〕
 実際には現地を見ますと、当然駐車場があったり、元々、例えば保安林の脇に海浜に出られるような通路があったりしていますので、そういう場所、または例えばグランドホテルさんなどはここの自前のところに出入りする階段があったり、いろいろな既存のアクセスのポイントがあります。そういうところと今の100mに1個所というのを勘案して実際には適宜設置していくことになりますけれども、なるべく現在の利便性を損なわないような場所に設けていくというふうになります。この辺の具体の位置については、特に後背地の民間施設の方々であるとか、あと利用者の方々の意見を聞きながら場所は設定していくということになります。
                〔 Power Point 〕
 こういうふうに適当な間隔でやっていく。
 それともう一つ、前回の会議で狭い階段だと下りづらいとか、先ほどの御意見で、逆にシーワールドの前のブロックのところは滑りやすくて下りにくいとか、そういう意見も具体に出ています。それについても解消することを考えていまして、これは先ほどの嵩上げの部分を横断するのに100mに1個所つけるのですが、このつけた2個所の階段の真ん中、間にさらに2個所ほど緩傾斜護岸をうまく下りられるように階段工を設置することを考えています。この2個所の間に例えば2本、ブロックの上を改良しまして、階段状にしてアクセスができるような階段を設けるというような改良を現在検討しております。そこの場所を使っていただければ安全に下に下りられるだろうということです。
                〔 Power Point 〕
 どこから手をつけるかについては先ほど申し上げたとおりですが、一応先ほどまず1.6qの対象区間についてこういうふうにいろいろな個所で階段を設けることを考えていく。
                〔 Power Point 〕
 こういったことが今回の具体的な提案になります。
 まずここまでの間でいろいろ御意見をいただければと思いまして、ここからフリーディスカッションに入りたいと思います。
○宇多理事 眺望のことも説明した方がいいんじゃない。
○事務局(星上) 失礼しました。眺望の話がなかったということですので。
                〔 Power Point 〕
 これは前回お示しした図ですけれども、水色のものが大体背丈が165pぐらいの人が立った場合、こっちは185ぐらいの背丈の人が立ったときに護岸の高さとの対比をしていますが、大人であれば十分腰より上になりますので、海の眺望はそれなりに確保できると思いますが、お子様だと、ちょっと小学生の高学年ぐらいにならないとなかなか海は見づらいかなというのがこのままだとあります。
 それと、先ほど宇多さんの方から現地の写真で、これはちょうどシーワールドの駐車場の絵ですけれども、残念ながらこの壁を立てると駐車場に立った人からは海が見えないということになります。

7.意 見 交 換

○事務局(星上) では、一たんここでいろいろな御意見があればお伺いしたいと思います。
 どうぞ。
○関谷 このまま自然と真っ向勝負していて、いずれ何か勝負がつくというか、とめることができるんですか。とめるだけしか考えていないんじゃないですか。もともとシーワールドがあったところも砂浜で、海だったんですよね。それを覚悟の上でつくっているはずだし、シーワールドさんだって海の生き物を飼って、海から勝手に水をもらって恩恵を受けているわけじゃないですか。あとは、外国などは逆にもう本当に海のそばで、ビーチフロントという土地とか家がどんどん高くなってて、本当に危険な状態になったら避難するんですよ、逆に人が。そういうところの方が人気が出ている、観光地としては。その中でこういうことばっかり真っ向勝負で行って、毎回同じことの繰り返しのような気がするんですけども、それでいてこの会議も意味があるのかなと、今ちょっとふと思った次第でございます。
○事務局(星上) じゃあ、ちょっと宇多先生の方から。
○宇多理事 それは何もつくらないのが一番いいんだよな、本来的には。
○関谷 とめるだけじゃなくて、受け入れることも考えてみてもいいんじゃないかな。
○宇多理事 ただ、おっしゃるとおりなんだけど、シーワールドのところはもちろん元々は砂浜よね。元々海の土地だった。ただし、過去の経緯で、そこは私有地にしてよろしいとやってしまったわけですよね。
○関谷 市が。
○宇多理事 市というか、国というか、県が。
○関谷 国立公園ですか。
○宇多理事 保安林区域を解除してやっちゃったわけ。
○関谷 松林はもう国立公園……。
○宇多理事 正確に言うと森林法に基づく保安林区域と言って、通常はその区域に施設をつくることはものすごく厳しく禁じられている。しかし、ある時々の状態で、そこを保安林指定を解除して何か施設をつくるということも許されたときがあった。シーワールドはその許されてこれをつくったわけで、合法的行為なわけですね。法律違反していないわけさ。保安林解除というのはそう簡単に、生やさしい話ではないんだけれども……。
○関谷 もちろんシーワールドさんだって海の生き物を飼って、海のことを調べて生きているわけですから、シーワールドさんで働いている人たちは。
○宇多理事 それはそうだ。
○関谷 そうしたら、波がいつか来るという考えもあったはずですよ、あんな近くなら。タンクなんて、波をかぶんなくても錆びますから。
○宇多理事 おっしゃるとおりだよ、それは。でもさ、僕の言いたいのは、それはわかっていて言っているんだけど、それで一たん私有地になってしまって、財産になってしまうわけ、その人の。それでそこが、そもそもはそんなところを無理に土地利用しないで松林のままにしておけば何も起こらなかったんだけど、許してしまっているから……。
○関谷 何で許しちゃったんでしょう。
○宇多理事 それは日本の国土の利用がそこまで深慮遠謀を持ってちゃんと緩衝地帯を残すものというふうなルールを日本国中、やっていなかったんだ。清野さんに後で聞いてごらん。日本中至るところ、そうやって何だか知らないうちに海の方へ出ていったという歴史を持っているわけさ。だから、今にしてみると非常に残念、もうちょっと余裕を取っておけばよかったのになというところがあるわけさ。それで、そういう状態になって、それで今度は海岸を管理している人は、今度は森林法ではなくて海岸法、別の法律の下で、とにかく生命財産を守れというふうな法律の趣旨で今やっているわけね、さっき僕が見ていただいたあの辺の海岸の土地というのは、護岸より前側の土地は。そうすると、その中で何かしろよと言うと非常に辛いんだけど、海の中に何か構造物をつくるか、ギリギリ守るか、あるいはもう全部やめて撤退するかという話しかないわけね。
○関谷 いや、何かあると思います、方法は。
○宇多理事 それで、前々の議論でさんざん議論したのは、水の中に、シーワールドの前のところだけ離岸堤とか人工リーフとかつくると、これはそこに砂を寄せ集めて両脇がおだぶつになるわけ、それもう百も承知なわけね。だから、水の中はやっぱりつくるべきじゃねぇなということになって……。
○関谷 でも、見たことはないんですよね、水の中。
○宇多理事 それはだって科学的にはそこの前……。
○関谷 想像でしかない。
○宇多理事 いやいや、違う、違う。想像ではなくて、そこに構造物をつくればどういうふうな砂の動きが起こるかというのは全部完全に予測できる、これ、パソコンで。だから、そういう状態からすると……。
○関谷 そこをパソコンに持っていかれてしまうと……。
○宇多理事 パソコンじゃなくても……。
○関谷 計算は結局データでしかないわけじゃないですか。
○宇多理事 違う、違う。フィッシャリーナ側の離岸堤をつくる前とつくった後で砂がドーッと動いたでしょう。それは全部きちっと予測どおりになってしまっているわけさ。だから、今度もまた……。
○関谷 地形はこういうふうになることも予測していたと。
○宇多理事 ええ、結果論だけどな。
○関谷 結果論、予測と結果……。
○宇多理事 だから、離岸堤をつくる何十年の昔にこういうふうになるんだけど、いいかと離岸堤の計画を練ったわけではなくて、何だか知らないけれども、パッと波が来るからってつくっちゃったわけ。その後の地形変化を……。
○関谷 来ていなかったのにつくっちゃったんですよね、きっと。
○宇多理事 いやいや、前原は来ていたよ、波。前原の2基あるでしょう、2基半。だから、あそこの地域を守るという意味では非常に合理的だったわけ。ところが、その砂は東条海岸の方から引っ張っていってしまった。だから、あちらはよくなったけれども、こちらがへこんじゃったということが結果的には全部わかっているわけよ。そういう……。
 ごめん、後ろから手が挙がっているから、ちょっと僕一人、マイクあれなんだけど、順番こに。
○永井 済みません。そうすると、この海岸線の中にある砂という量は決まっていて……。
○宇多理事 一定。
○永井 それで今こっち側になくなって、こっち側にたまっているという状態ですよね。
○宇多理事 そうです。
○永井 それはなぜなのかというところを先生に説明していただいていないのですけれども、きょう海岸をずっと回って、何でこっち側に砂浜が多くあって、ここの砂浜が痩せているのかという地形は何があって何が足りないのかということです。単純に考えると、縦に出しているところに砂がたまっているというふうに思うわけですよ。そうすると、同じ海と並行に高いものを立てていくのではなくて、それだったらホテルの、ホテルというのはとても資源、鴨川の資源の1つというか、鴨川の市に対してすごく貢献していますよね、観光客を収容するために。そうすると、そういう堤防を高くするということだけではなくて、観光客も呼べるようなもっとアイデアをどうして1つでも出してもらえないのかというのが普通に考えて思うんですけれども、そうすると、例えば縦に出したらそこに砂が少しは戻ってくるんじゃないかという、平均的にこの海岸に砂が集まっていく方法というのを考えてほしいなと思うんですけど、そうすると単純に、例えばホテルの前にピアみたいなものを1本出すことで人と海との距離というのを離すわけではなくて、もっと近くにしてあげれることができるんじゃないのかなって、そこの中からの発想をもう少しアイデアを出してもらえないのかなと。今までと同じような発想でただ防ぐだけの壁をつくればいいということは、結局その壁をどんどん、どんどん高くしていけばいいだけの結果論になっていくように思うんですよ。そうじゃなくて、もっと先に、こういうものをつくったことで全国的に鴨川がアピール性があって、観光都市としてもっと栄えていくような方向で人を集めるためにもできないのでしょうか。
○宇多理事 わかった、質問はわかった。じゃあ、説明するよ。
                〔 Power Point 〕
 幾つか誤解があるので解きほぐそう。まずここから、ここの東端のここまでにある砂の量は一定ね、もうふえも減りもしない。みんなが取っていけばなくなるけれど、ここにある砂は沖にドーッとこんな方へ行って戻ってくるわけじゃなくて、この中にある砂は変わらない。我々の生きている人生の間では変わらない。これからはこの川からも入ってこないので、全く変わらない。それで何でこういうことが起こったかというと、前々々回ぐらいにすごい議論になったんだけど、ここのところに離岸堤というか、横に置いているでしょう、離岸堤ね。これはさっきの清野さんの話で、待崎川の南側のここの大規模な人家が集中している区域は、元々は砂浜だったわけね。この道かな、この道より前側は全部こういう松林ではないけれども、砂浜だったわけよ。それを……。
○関谷 ちょっといいですか。
○宇多理事 ちょっと待って、説明を……。
○関谷 砂の量は変わらないと言うけど、川から土砂や護岸工事をした土砂を盛って、ユンボで積んで、それ、そのままならして、大雨が降ったら流れるわけですよ。
○宇多理事 流れません。
○関谷 それじゃああれはどこに行っちゃうんですか、川にとどまってるんですか。
○宇多理事 いやいや、ここに流れてくるけれども、それは粒の細かいやつはシュワーッと全部広がっていってしまって……。
○関谷 どこに行っちゃうんですか。
○宇多理事 細かいやつ。
○関谷 川から出てきた……。
○宇多理事 60%、濁り水は海浜の砂とは別ものですから。
○関谷 じゃあ、砂利が転がって……。
○宇多理事 それはここにたまります。
○関谷 砕けていったのは多くなるではないですか。
○宇多理事 ここ、ここにたまるわけ。それが、だから事務所が4,000m3、ここへヨイショッと運んだというのは、確かに運んだ。その程度の量はふえるよ、運べば。だから、一定というのは何と言うのかな、そういう人間の……。
○関谷 その程度の量で変わっちゃうのが自然だと思うんですよ。
○宇多理事 違う、違う、残念でした。ちょっと説明を先に聞いてよ。
 ここは何も人の住んでいないところだったのを、人が非常に住むようになって、何年だったっけ、1982年か何かにここはどえらい波をかぶっちゃったのよ。それで地域の人は要望を出して、波を消してくれと言って離岸堤をつくったわけね、これ。それと同時にこの漁港の施設が、波を防ぐ構造物をつくったために、この砂というのはここから、この辺から広く削ってこっちへ持ち込んだわけさ。いい、砂はこっちへ動くんじゃなくてこっちへ……。
○関谷 人工的に持ってきたんですか。
○宇多理事 違う、波の自然の力で。離岸堤をつくるとその裏側が静かになる。その静かなところに砂はたまる。その砂は横から動いてくる。だから、行ってごらんなさい。ここへ行くと非常に細かい砂が勾配緩くたまっていますよ。
○関谷 僕は20年近く住んでいるけど、もっと全然長かったですよ。
○宇多理事 何が。
○関谷 前原海岸。
○宇多理事 いやいや、それは口頭で言ってもいいんだけど、すべて完全に証拠を押さえているわけ。この砂、ボリュームも含めて、こっち側から行ったということは完全に証明できるんだよ。
○関谷 マリーナのところはその1/3ぐらいしかなかったような気がするんですけど。
○宇多理事 だから、この下に埋まっている砂もあるわけよ。だから、この砂は、大量の砂はこっち側から引き込んだわけ。
○関谷 もともとなかったところに来ちゃっているわけじゃないですか。
○宇多理事 そうそう。それはこういうふうに波を静かに……。
○関谷 それはまずいんじゃないですか。予定していたんですか、それ。
○宇多理事 いや、だから、それは結果論だと言っているわけ。説明を聞いてからにしてほしいな。そうしないと、茶々を入れるだけで、論理が進まないんだよ。人の説明を聞きなよ、まず。いい、待ってちょうだい。
 それで、縦と言ったけれど、縦の構造物はつくる意味が全くない。ピアは全く砂の動きには関係がなくて、ここのコンクリートの導流堤でさえ砂はスーッと行っちゃってるわけね。だから、ここの前に砂浜がないからというので、ここへこういうものをつくれば、ここへこうなるわね、こういうのが。しかし、その場合、すべてのしわ寄せは両側に出るので、ちょうどシーワールドの前を守るためにここを削ってここにお山をつくるということは、こいつを守るために両側を悪くすることになる。だから、そういうことからすると、水の中の構造物をつくってその浜辺を広げようというのは虫が良すぎる。自然現象としては静かにすれば砂はたまる。その砂は両側から来る。両側は必ずやせる。それをやり始めると、ここからここまで砂浜の長いビーチが限られている中で、1個始めると両脇がヤバくなる。またそこへ構造物を並べるというようなことをやっていくと、とどのつまりは全部構造物が並ぶという方向に必ず突っ走る。それが見たければ、九十九里浜へ行っていらっしゃい。
○関谷 いっぱいありますよね。
○宇多理事 ええ、全部そうやってどうにも収拾がつかない蟻地獄に陥って、ハッと気がつくと海岸線全部が構造物に埋められる。だから、何だ、そんなのは情けないなと言っても、今回は水の中で構造物をつくるというのはあきらめよう。そういうことをやらない限り、この長いビーチのままというのは、関東地方ではここは一番近くて一番いいところなんで、そいつをなくすことに荷担をするのはおかしい。それだったら今のままほっておけよという話、シーワールドは水をかぶっても、どうせ私有財産だろうという言い方もできる。ただし、それを管理している人は別の整理も必要で、現在これが私有財産となって、そいつを守るべき義務がある人がいるわけ、土木というのは。そのままほっておけよと言うと、今度はそっち側から言われた場合に不作為な、要するに問題が来るのがわかっているのに何もしなかったなということを言われたときにあれなんだ。だから、そういう本当のギリギリの調整というのをしなきゃならない状態にあって、だから理想論ないしは書生論で言えば、一番簡単には、外国だったらこれは壊すよね。セットバックで、そんなもん、おまえが出ていったんだから、おまえの責任だ、アメリカはそれでやっているさ。ただし、それは憲法に基づく土地の私有権の設定法と海岸線の管理のシステムが法律的に全然違うものだから、科学的には、ここへ出たんだから引っ込めよというのはすごく言いやすいんだけれども、現実問題、それを言っていても神学論争の極みにはまっちゃう。国会で議論をしていただいて法律を変えてからじゃないとこういう場を開けないということになっちゃう。それで、その場合に、シーワールドは1997年にドバーッと波をかぶったけれども、あれと同じことがときどき起こるわけだ。それで、去年の10月7日、あの異常低気圧が発達したでしょう。あのときもビョーッと。だから、そういう事態が間欠的に起こってくるわけよ。そこをどうしようかという、すごい辛いギリギリの話だというのが説明。以上。
 どうぞ、質問開始して。
○永井 九十九里の方にあるのは支柱があるわけではなくて、そのままのものをドーンと前に出しているということですよね。砂が動かない状態のものではなくて、砂も動きながらついていくというようなことは無理なんですか。
○宇多理事 できません。科学的にできない、残念ながら。
○永井 カリフォルニアのピアとか……。
○宇多理事 何十本見てきているけれども。
○永井 できないんですか。
○宇多理事 あれは誤解だよ。波を消すというのは相当、言葉、ガツンと波のエネルギーを消してやる必要があって、ツーツーというのはちょうど裸の王様みたいな……。
○永井 波のエネルギーを消すのはかなり沖で一度波をブレイクさせるとこっちに、岸に来るまでに……。
○宇多理事 そうそう、おっしゃるとおり。
○永井 そうですよね。ということは、結局、単純に考えると、浜を広げるということがそこにつながるんではないでしょうか。
○宇多理事 つながる、おっしゃるとおり。だから、これはつながったわけ。
○永井 そうですよね。そうすると、上から見た状態でそういう山に見えるようなその幅を幾つかこっち側の海岸にもつくってあげれるような方法を考えることはやっぱり難しいんですか。
○宇多理事 でも、もう一回繰り返すぜ。これは、お山はつくれるんです。この目の前につくれるんです。しかし、その砂はどこから供給したかというと、このお山をつくるのにシーワールドの前の砂が消えちゃったのね。横にチャチャ、チャチャッと引っ張っていっちゃったの。
○永井 その幅は狭まるけれども、全体的なバランスを考えると、こっち側にももう少し寄せてあげることがそれでできるということですよね。
○宇多理事 ここの目の前につくればこうできるんだけど、その両脇側がシーワールドの今の目の前と同じ状態に至る。
○永井 まあ、1本では不可能なことですよね、その1つを出すということは。
○宇多理事 そうそう。
○永井 幾つか出さなきゃいけないんだろうけれども……。
                〔 Power Point 〕
○宇多理事 そうそう、今の話、これね。
○永井 はい。それは1つだけではないですか。
○宇多理事 そう。じゃあ、やってみ。
○永井 1つだけの山をつくるというもの……。
○宇多理事 そうすると、今度はここがヤバイからこうなっていく。そして、ああまたここがやられたということで……。
○上田 夷隅の海岸になるんですよ、そこ。
○宇多理事 これはもう本当に辛い話なの。で、昔は……。
○上田 取れないんですよ、それは。もうずっと今までその話はしていて、こうなってしまったらもう取ることは、一挙に取らないとできなくなるんですよね。
○永井 これはいっぱいつくり過ぎてしまって、夷隅の海岸よりももっと長く沖に出すということとか、それも無理なんだ。
○宇多理事 沖に持っていってしまうと効果がないんです。本当に厄介なんですよ、砂というのは。
○関谷 こんなに入れちゃうと取れないということは、取れるということもあるんですか。
○上田 一挙に取れないというか……。
○関谷 数が少なければ、取ってもいいのであれば……。
○宇多理事 これはまた別の問題があって、これは我々の税金でつくるでしょう。税金でつくった代物はむやみやたらに取るな、勝手なことをするなという法律があって、ばかばかしい限りなんだけれど、不要だとしても、もう用が済んでも……。
○関谷 税金払ってても知らないから。
○井坂 でも、たった30年とか40年の間に起こしたことだからね、これ。たった、その前の、清野先生の最初の写真、あれは明治のころでしたっけ。だから、本当は僕、ぜひ提案したかったのは、この海岸で、もう湘南が全くこれと同じことで、幾ら議論していてもしょうがないんで、むしろ港がなかった、赤堤があったころのままの……。
○関谷 そっちに戻しても……。
○井坂 戻すのではなくて、現状、もし今30年たっても、もしパソコンと、今全部いろいろなデータを集められたら、もしあのまま、そのままだったらどうであろうかというような情報を集めて、それをこの地図に載せてみたら、じゃあ例えば住宅地の方に住んだ方、それはもともとそういうところ、あの前に、僕が本当にやってみたかったのは、じいさんが夏になると一人の小屋を海辺に建てて、そこで夏中、ゴローンとしていたのがいっぱいあったわけ。そうしたら、いつの間にかそれがなくなっちゃったの。それと同じように、本当だったらどうだったのというものをまず公開していただくと、今言っている話で行ったら、そのシーワールドのところとか、住んでいる方というのはかなりリスクを持って暮らしているんだなと。じゃあ、それに関して、確かに暮らしちゃったから権利がついて、権利がついたから、じゃあそこにいろんなことをやれと言うのは、大体どこも後から来た人の論理なんだよ。
○宇多理事 そうそう。
○井坂 砂が飛んでくるから、それからワカメが、海藻が流れて臭いから埋めろなんというのは後から来た人の意見なの。だから、そういう人たちにもこれは公開していかないと、結局海のことがいつもわかっている人だけの不毛の論理になっちゃうので、できたら本当は堤防がなかったときの絵なんというのを……。
○宇多理事 簡単、今シミュレーションできるよ。
○井坂 それをやっていただければ、私はそんなことですよ。
○平野 ちょっといいですか。
○宇多理事 ちょっと待って、順番に答えるから。
                〔 Power Point 〕
 これを一たん消して、これも全部消したらどうなるかというのは、このふえたところを、突出している部分の砂の面積を削り取って、この長さで割って、広く薄くピューッとやるような姿に戻る。ただし、これは別の目的のためにつくってるし、これは今言うとおり、この住んでいる人たちにとって守るために絶好のものとしてすでにできちゃってるから、取ってくれという話は現実的にはできないという。
○井坂 ただ、事実としてそういう情報公開をしていかいなと、この論理というのはまたわかった人だけが繰り返していて、そこに住んでいる人たちはこんなものはどうでもいいやという話になっちゃってたら、これは悲劇的じゃない。
○宇多理事 ちょっと待って。じゃあ、こっちへ回そう。
○平野 何年住んでいますか。
○井坂 いや、住んでいませんけれども、僕は一般論として……。
○宇多理事 聞こえないからマイクを使ってください。
○平野 さっき、最近海岸縁に人が住み出したというようなことを言いましたけれども、それは何年ぐらい前の話から言っているんでしょうか。
○宇多理事 冒頭の話を聞きましたか。
○平野 ちょっと……。
○宇多理事 冒頭、その話を正確にやっているので、その同じ話を……。
○平野 ちょっとおくれて来たもんで。
○宇多理事 そう。じゃあ清野さん、もう一回あの地図でしたか、何かありましたね。あれを……。
○平野 済みませんです。
                〔 Power Point 〕
○清野アドバイザー これは明治時代からの地図で、ずっと平成までの地図があるんですけれども、これを見ていただくと、明治時代とか戦前の状態というのがもうほとんど海岸防災みたいな構造物をつくらなくて、港もない時代のものだということです。それで、これは明治36年なんですけれども……。
                〔 Power Point 〕
 これはちょっと地元の方にも伺いたいんですけれども、ここの前原のあたりのこっちの海岸、加茂川の河口に近いところというのは確かにこうやって集落があるんですけれども、この辺、今問題になっているあたりというのは御存じのように砂丘があって、余り人が住んでいるということが地図には載っていません。ただ、小屋とかそういったものはあったと思うんですけれども、定住するような家があるようなところというのはこういうふうに黒くなっています。
                〔 Power Point 〕
 それで、ちょっと誤解があったのかなと思うんですけれども、確かに前原はここのギリギリまでお家があるんですけれども、一方で、次、お願いできますか、昭和……。
                〔 Power Point 〕
 ここまで来てしまうと、この前原のあたりというのは離岸堤がその後できてある程度安定してくるんですけれども、こういうのは鴨川の湾の真ん中辺にあるところ、波がどんどん入ってくるようなところのこの辺のあたりというのが結構微妙なところなんだと思うんですね。それで、これは逆に地元の方しか記憶されていないところなので伺いたいんですけれど、地図だとこういうふうにベタッとどの家も同じふうに描いてしまうんですけれども、場合によってはこの辺のもう少し陸側のところはしっかりした形のお家があって、海側の方には季節で、夏に使うとか、倉庫だとか、ちょっとずつここの家のつくり方ももしかして違ったのかなというのがあるんです。そこが鴨川でどんどん、どんどんサイクリングロードをつくって橋をかけてとか、道路を整備してというのをどんどん、どんどん海の方に出てきちゃったというのが地図に残っているんで、そこはもともと住んでいた方は、この昭和55年ぐらいまではフィッシャリーナもなかったし、離岸堤も入れてないので、この辺というのが割と自然と人間のギリギリのところだったのかなという感じがするんです。
                〔 Power Point 〕
 その後、このフィッシャリーナをつくられたときに、ここでも漁港関係の方がおられると思うので余り言うのもはばかられるんですけれども、理屈的には、ここにこれをつくってしまったら、多分ここの砂を引き込むよというのは理屈のわかっている人は、これをつくるときにここら辺ヤバイかも、というのは科学的にはわかっていたはずなんです。それでもここをつくるときにいろいろ反対のこととかもあったと思うんですけれども、ここが、全体がやばくなるということをどこまで鴨川市の皆さんが、市民の皆さんとか、関係される方が十分理解していたかというとちょっと、当時は情報公開とかなかったので、ここだけ見ればいいやというので、こういう地図で見なかったんですね。
○平野 わかりました。東条海岸にあるシーワールドやグランドホテルは昭和40年に海岸道路ができて……。
○清野アドバイザー この前の。
○平野 ええ、それで海側に建物ができたわけです。
                〔 Power Point 〕
 そこですね。それと、私は65年、鴨川で生まれて住んでいますけれども、前原地区は今の富貴屋さんがやっているサンライズコーストというマンションからフィッシャリーナにかけては全く人家は変わっていないです。そのままです。その辺は全部今のままで、昭和45年ごろユニバースホテルの下の護岸堤、遊歩道ですか、あそこまで波がもう来ばなしで、遊歩道から下りる斜面、何段かあるところは海藻が生えていました。それでテトラポッドを沖に入れて海岸線を回復したんだと思います。
 それと、昭和昭和30年代、40年代の砂と今の砂は粒子が全く違ってしまっているんですよね。50pぐらい掘っても真っ白な、湿った砂が出てこないようなのが30年代であって、今は本当に昔、勝浦の海岸にあったような細かい砂しか鴨川になくなって、粒子が粗くて砂鉄が入っているような黒っぽい砂が全くなくなってしまって、東条の方へ行ってもそれは見えませんけれども、それはどういうことなんでしょうか。
○宇多理事 砂というのは動くときに、東条側に行くとザラザラの小砂利がたくさんあるんです。元は砂利も小粒の砂も全部一様に混じってるんですよ。
                〔 Power Point 〕
 ところが、こういう離岸堤とかをつくるとその後ろ側が静かになりますよね。静かなところには優先的に細かいやつが行くんです。
○平野 粗いと沈んじゃうんですか。
○宇多理事 ううん、粗いやつの上にどんどん細かいものが被さっていくよ。だもんで、この前原は言ってみれば勾配が緩くてすごく粒が細かくて、固く締まった砂が全部集中している。元は、ここは昔からあったわけじゃなくて、おっしゃるとおり、昔は全部一様だから、この細かい砂はここのところから主に抜け出て行ってしまったんです。そういうふうに、ただ浜辺の広さがどうのというだけじゃなくて、質も変わっちゃったというのが実情だと思う。ところで、これは前原の何年だっけ、1982年、もう一つ前。
                〔 Power Point 〕
 これが当たっているわけですね、前原。
○平野 プールが流されたとき、ええ、わかりました。
○宇多理事 もう一つあるよ。
                〔 Power Point 〕
 このあたりの状態で、これはたまんないというので離岸堤を置いた。
○平野 それでテトラを、わかりました。
                〔 Power Point 〕
○宇多理事 これか、これが一番いい写真で、これらすれば、まあ守るしかしょうがないねとなって……。
○平野 でも、関東大震災前までは、うちのおやじなんかも近くの旅館で修行していたんですけれども、上げ潮になるとこの海岸線に住んでいる人の家ギリギリまで波は来ていたって。関東大震災で2mぐらい隆起して、前原の砂浜が出たということは聞いています。
○宇多理事 そうか。だから、そこまでのロングスパンになるとわけがわからないんだけど、(笑声)こういうことは時々起こっていたのかもしれない。でも、こうなると、ここを管理している人は、この人から波が入らないようにしてくれという要望は、おら知らんぞとは言えないでしょう。それでここへ並べたわけだな。
○平野 だから、さっき言ったそれと同じように、海に物をつくるんじゃなくて、陸側に障害物をつくるという話ですね、今はね。
○宇多理事 今はね。ただし、1982年当時は離岸堤をやれば砂がわいてくると、前浜がうんとどこもかしこもふえるんだよという間違った宣伝がすごく行き届いていたので、離岸堤をやれば国土がふえるなどということを言ったやつがいるわけだよ。
○平野 その教訓を持って、シーワールドの下は今度のあれをしようという話ですね。
○宇多理事 そうそう。
○平野 わかりました。
○宇多理事 そう、無理をしないで、だから過去の経緯からすればやっぱり……。
○平野 いけなければそれを撤去もできるわけですね、陸上であればね。
○宇多理事 そう。
○平野 わかりました。
○宇多理事 つまり、人間のなした技だから、人間の中で処理するのが一番合理的で、むやみやたらに砂を動かすようなことはしない方がいいんじゃないかと事務局は考えてみたと。
 どうぞ、御質問。
○(氏名不詳) それで、さっきの壁をつくるという工事の階段のやつなんですけど、一応そのアクセスを考えた上で個所を決めるということで、でも約100m沖ということで、例えばこの間、地震があって、津波は大したことはなかったですけど、来ましたよね。そういったときに、海で例えば釣りないしはサーフィンとかやっている方が砂浜に上がって逃げる際に、100mという距離というのは結構すごい距離じゃないかなと今思ったので。
○宇多理事 おっしゃるとおりだよ。
                〔 Power Point 〕
 おっしゃるとおり。だから、今は100mというのは、これで言うと割る2だから、どっちか最短距離では50m、右か左か対角状に走ればあれだけれど、その距離になっている。100m置きというのは間だから、右か左に行けばいいでしょう。それはもう……。
○(氏名不詳) 50mは1.8mの壁があるわけじゃないですか、下から見た場合に。仮にスマトラの地震じゃないですけど、バーンと来られたときに、ウワーッと逃げて……。
○宇多理事 それはだからおっしゃるとおりよ。だから、そこは本当に100mでいいのか…。
○(氏名不詳) 距離的な、それでいいのかということを僕は思ったんです。
○宇多理事 じゃあ、実際にサーフボードを担ぐかどうか知らないけど、100mやってみようかというのなら、それはやってみた方がいいよ。
○(氏名不詳) もうでも、普通上がってきて、徒歩で歩いているだけで、10mの距離というのは結構きついわけですよ、やっぱし。
○庄司 そんなに出入り口をつくったら護岸堤の意味ねぇじゃねぇか。
○宇多理事 だから、そこのところのバランスさ。
○(氏名不詳) バランスがどうなるか……。
○宇多理事 だから、事は納得づくだから、100mにすべしと言っているわけじゃないの。だから、100mというのはどんなもんかねというのを実際に浜辺で歩いてみるとかね、普段の。やはり利用時の命の保障というのは非常に大事な視点なので、滅多にないかもしれないけど、滅多に来たら、その瞬間に命を失うということはできる限り配慮した方がいい。ただし、おっしゃるとおり、やたらにどこも階段だらけになったらつくらなくていいことになっちゃうよね、お金がかかるしね。
○(氏名不詳) そんなにいっぱいは要らないけど、そこが難しいところで。
○宇多理事 そう、だからそこは、ここでやるより現場へ行って、巻き尺を持っていって何分かかるとかやった方がいいのかしら、わかんない、僕も。
○井坂 一応、50mで7秒から8秒ですよ、早い人は。
○宇多理事 ちょっとマイク、相原さんに。
○相原 済みません、ずっと見ていますと、前原海岸の方の前には高さのある防潮堤があって、その前に歩く歩道があるんですよね。あれがすごくいいなと思っていて、その右側には車も通るようなところがあるんですけど、歩くところはお天気が悪ければ歩かなくていいわけなんですから、台風が来たときは歩かないでやめればいいわけで、要するに、歩くところの前は皆さんが自由に行けるというような方法……。と言うのは、私はグランドホテルの前で波をかぶって、ああ、そこに来るというので間に合わなかったことがあるんです。逃げられなかった。
○宇多理事 ああそう、相原さん、今の話で、ここに車がとまっているでしょう。ここのところに壁があって……。
○相原 で、高くして、こっち側は遊歩道で歩ければ。
○宇多理事 ここは適当に歩けるよね。下りるやつはここで下りればいいんだから。
○相原 そうするのならば、要するに私たちは楽しむこともできるし、危険なときには前には来なければいいということはどうでしょうというふうに思います。(拍手)
○宇多理事 基本的にはこれの考えなんだ。後ろ側にこういう壁があって、そしてその前に平べったいものがある。ただし、この段差では水がジャバッと超えちゃうもんで……。
○相原 こっちの、みんなが歩くところの山側ならば高くたって、別にみんなは楽しめるのではないでしょうか。
○宇多理事 ああ、ここの壁じゃなくてか。
○相原 要するに、人がいますよね、あそこに。
○宇多理事 ここに。
○相原 ええ、その壁が高いのは別にところどころでもいいかもしれないけれど。
○井坂 緩衝地帯をもう少し横に幅を取る。
○宇多理事 泣き言を言わせてもらうと、僕の現場の写真。
 いかんせん、問題があって土地がないんです。シーワールドのところ出してみて。
○井坂 ないんですよね。
                〔 Power Point 〕
○宇多理事 これでもいいや。これで兄ちゃんが立ってるでしょう。この下水の側溝があるじゃないですか。ここのところに杭があって、この線よりこっち側が要するに官地、ここは民地、この中のものは全くアンタッチャブルね。もうちょっと向こう側がいいや、一番シーワールドのヤバイところ。これからつくらなければいけないなというもっとすごいところ、もっと、もっと、ここでいいや。
                〔 Power Point 〕
 だから、これは今言った相原さんのあれに近いよな。でも、この前の砂浜が余りに狭いもんで、消波構造物もないもんで、このままじゃ相済まないわけだよ。
○相原 このホテル側の壁を高くすることは不可能なんですか。
○宇多理事 まず、ホテルの壁は公共機関としては何も言えない。
○相原 あの溝あたりに立てる。
○宇多理事 本当は自分のことだから自分で守れと言いたいんであるが、だから、今言っているのは、ここのこのドブからこっちのところの工夫でかなり波を下げるようにして、ここの自由歩行はもちろん今までと変わらないようにし、なおかつここのところに下りられるようにしよう。土地は広げちゃだめだと言われるから、しょうがないからここを1段取ろうかねという、背中が痛くなるような……。
○相原 やっぱり観光客も、私たち地元民も海の、シーサイドを歩きたいということは最大限な喜びだと思うんですけど。
○宇多理事 そうだと思います。
○清野アドバイザー 水のところの壁を立てるとしたらどのぐらいの高さになるんですか。
○宇多理事 これに。
○清野アドバイザー ええ、そこに公共でつくるとしたら。
○宇多理事 ええと、この壁が2mだそうです、ずっと。
○清野アドバイザー そうですね。そうすると後ろの……。
○宇多理事 この後ろの壁が、もう少しいい例はありますか、私が撮っている写真で1m70というのがあったよ。もっと先……。
                〔 Power Point 〕
 これ。これが今1m60p、2mというとちょうどここだ。こういう壁になってしまうわけよ。そうすると、このホテルはいいんだけど、このホテルじゃないこっち側の方はこの中を利用しているじゃないですか。その中の人が海が見えないと嫌だというわけ。
○相原 それはだからそのホテル側が工夫して、見えるように努力する方向に行きませんか。
○宇多理事 それはホテルをこれから建てるんなら地上げするんだけど、建物が建ってしまった後にこの壁をくっつけようという、要するにこんな白壁を塗るような話なので、地盤を上げるというのはなかなか難しいわけよ、ホテル側の。建っちゃっているでしょう。だからあちらさんを、ある程度もうしょうがないなとやった上でやると、この2mの壁じゃ足んなくて、2段構えにしっかなぁという。
○相原 ホテル側と交渉して、例えばホテル側はビューの2m以上のところに応接間をつくるとか、そういうような兼ね合いはできないものでしょうか。だんだんにそれは、シーワールドホテルに関しては確実に、最初からもう見えない状態のところにレストランをつくっていますからね。掘り下げたところにレストランの設定をしていますもの。だから、見えるということは考えていないわけですよね。
○宇多理事 それは、だから議題にならないんじゃないかな。公共機関が、おたくさまのホテルの地上げをやった方がよろしいと言うのは、余計なお世話と。
○相原 でも、その前を結局防波堤、防潮堤を高くする方がいいか、どっちかということはお耳には入っているんでしょうか。
○宇多理事 もちろん耳には入っている。きょうもどなたかいらっしゃるかもしれない。そういう調整作業だ。だから、要は壁をここで上げるか、2枚に上げてちょっとずつ低くするか、1枚でズドンとやるかという単純な絵だよね。そうすると、どうかなぁと。
○相原 海が見えなくなるのは寂しい。
○宇多理事 いやぁ、寂しいよ。だから、ここの面から水平線の阻害はしないように、1m以上だから、この高さに抑えようと。
○相原 子供さんがね、やっぱり。
○宇多理事 それで、ガラスでつくるとかプラスチックでつくるとかいろいろ考えたんだけど、許可権者が文句を言うよ。飛行機だったらできそうだよね、こんな窓があいているじゃん。汽船とか。やろうかなぁと思ったんですが、それも難しくて。だんだん出口のない質問に入っていったと。
 また質問、挙がってるぜ。ちょっと待って、マイクを持っていくよ。
○永井 済みません。今問題になっている海岸線のシーワールドさんとかグランドさんとかロイヤルさんとかみんな集めて、こういう案があるんですけれども、どちらがよろしいですかという話は進めてもらえるんですか、じゃあ。
○宇多理事 これがそう。
○永井 でも、来ていらっしゃらないんじゃないですか。
○宇多理事 来てないか来てるかどうかは知らない。だけど、個人の秘密だから、どこのだれそれが来ているなんというのは。
○関谷 ホテル側からはやってくれって言われてんですか、できれば。
○宇多理事 ええ、もちろんです。
○関谷 そうしたら、ホテル側もやっぱ折れるところは折れないと、見えなくなるものはしょうがない。部屋の値段を下げるとか、(笑声)見える部屋は高いままでもいいけど、一方通行じゃないですか、そんなの。
○宇多理事 それはだからある程度我慢づくでやりましょうということじゃないと、こういう場そのものが、それはもう基本認識はできているの。ギリギリ、公共も、被害を皆さん被るわけよ、それは。それはできていると思います。
○永井 ホテル側がそれを承認すれば、そういう案を受け入れて、シーワールドさんとかもさっきの壁を、じゃあうちは高くするためにお金を使わせてもらっていいですかとおっしゃれば、今の遊歩道はそのままで、こちらの壁を全部高くするということはできるということですか、国のお金で。
○宇多理事 国のお金は全然、1円も使えない。どういうことかというと、国のお金というのは、ここにポールが立っているでしょう。この線より海側の区域についてお金を支払いすることについてのみ限定、1pでもずれたここについては全く……。
○清野アドバイザー 国と県のお金で2枚壁になっちゃうということですよね、本当につくるという話だったら。
○宇多理事 そうそう。
○清野アドバイザー これで個人の、民間さんがつくったものの前にこの高さでまたパッと壁ができるという、ダブル壁になるんですかね。
○宇多理事 これは壁はないんだよ。法律上は今、壁がないの。これはないの。
○清野アドバイザー それは民間さんの塀があるということですね。
○宇多理事 好きに、生け垣にしようがこれにしようが……。
○相原 でも、税金がない、公共料金がないという時代になったんだから、そういうのも少し、頭の中を考え直して交渉し直すなどということは、絶対というぐらいにないんでしょうか。
○宇多理事 清野先生に聞いて。それはさんざん……。
○清野アドバイザー 結構……。
○赤堀 ばかばかしいと思うんだけど、あの壁の高さが160p、そうしたら、2mにするんだったら40p足せばいいんですよね。コンクリートの量を40p足せばいい。もう一個立てたら2mのコンクリートをまた使わなければいけないでしょう。
○宇多理事 残念でした。ああ言えばこう言うと皮肉なことを言っているんじゃないよ。これはここのところをこういうふうにやろうと言ったときに、今できている緩傾斜堤。星上さん、写真を出して。いい、シーワールドの前がいい。護岸がはっきり出たもの。これでもいい。
                〔 Power Point 〕
 要するに、この上に護岸を足せばいいじゃんかということはじゃないんです。ものすごい力が働いて、コンクリートで50p厚で、こういうマンションのインチキマンションがあるじゃん。あんな比じゃない強力な力を受けるので、鉄の棒を中へ全部入れて、全部ひん曲がって、その上に乗せたものがドーンと動くわけよ。それだもので、これの上につくるという案は当初、事務局も考えたのさ。むだはないし、いいなぁで。ところが、それはだめなので、私がテーブルに寄りかかるような感じ、下から立ち上げない限りつくれないんです。構造的につくれないんです。だから……。
○赤堀 足せないということですか。
○宇多理事 足せないんだよ。だから、さっき清野さんが言ったようにこの壁の前にもう一枚、ちゃんと下から掘ったやつをつくりますかという話になっちゃって、何だか変。
○相原 そうしたら、やっぱり今のドブのところにとつくるということですか。
○宇多理事 そう、もしやるとすれば。それでまたドブも必要だから、そうすると、何となく人間の方がどんどん、どんどん前に行く感じになるでしょう。シーワールドがあって、ここはこれだけ護岸をつくって、またドブが前へ出ていって。
○相原 でも、あの道が狭くなっても、前に高いものができるよりはいいような気がしますが。
○井坂 ただ、それって方法があって、遊歩道を桟橋構造にするとかということもあるでしょう、ある程度高い。
○宇多理事 できないな。
○清野アドバイザー 波にもたない。
○宇多理事 もたないな、下からボーンとやられて。
○井坂 メッシュ状にするとか。
○宇多理事 できない。
○井坂 そのぐらいしか高さは……。
○宇多理事 さっきからできない、できないと言っていて非常につまらない気持ちがするんだけど、波が本当に来るときというのはさっきの……。
○井坂 まあ、その日はクローズするしかない。
○宇多理事 それはだれが判断をするの。
○井坂 本当に海辺の人というのはそういうことの判断ができて……。
○宇多理事 本当はできてたんだよ。
○井坂 海のそばに、これ以上前へ行ったらだめだ、だからこの辺に道路をつくってそれより陸に住もうというのは、もう少なくとも何百年は経験でやっていたわけですね。
○宇多理事 やっていたわけよ、それはさっき清野さんが言ったとおりだ。
○井坂 それの学習をもう一回して、だからもうさっきの、例の赤堤ができて港ができるもう一個、弁天島、あれができたとき、僕がサーフィン、鴨川へ来たときだったんですよ。もうそのときにはあの赤堤、手前の河口の堤防が延びたころから手前の侵食が始まっているのを目のあたりにしているんですね。岩なのに、手前の砂浜が取れてきてしまった。
○宇多理事 だから、そのころからボタンの掛け違えがすでに……。
○井坂 もうずっと続いているわけでしょう。だから、その辺も一回検証しないと……。
○上田 いや、したんですよ。
○井坂 これは途中の話を聞くと、みんな自分が鴨川でそれぞれ来た意見がそれぞれの時間でずれてきちゃうので、ゼロと今とというものが明確な1つの土台を持って話をすれば、将来的にはだからどうしようかという話の中でももう少し……。
○宇多理事 それは前々々回、来られない場合もあっただろうから、僕は復習をするためにいろいろな意見を出して逐一お答えしているという。
 また後ろ側に回して。
○相原 この会議の始めのころ、この回ではなくて、初めのころに、何はともあれ、私の経験から言うと、10年の間に2回、シーワールドのホテルの前が壊れたんですよ。そのほかは壊れていないんです、波はかぶっているけれども。
○宇多理事 1997年と……。
○相原 2回壊れています。だから、あそこが壊れやすいということは議題としてあったと思います。
○宇多理事 あります。壊れやすい構造だし、波が越えやすい構造だし、だからまた壊れるでしょう。
○清野アドバイザー 何かその辺は、一番最初にも話していたんですけれども……。
                〔 Power Point 〕
 この写真の地形でこういう形になってしまって、ほっておくとやっぱりいつもここはもう危ないよという話はどうにもなんないんですよね、地形がこうなっちゃって、波も来るから。
○宇多理事 そう。
○清野アドバイザー だから、ここをやはり守るというのはきょうの優先課題であるんですけれども、本当にこの形のままだときついということですよね。
○宇多理事 そう。
○清野アドバイザー それで、さっき観光的にという話があったと思うんですけれども、そうすると、やっぱりここで頑張っていらっしゃる観光施設もあって鴨川を支えているし、あとこれもそうなんだと思うんだけど、これとこれというのは多分両立しないんですよね、形的に。
○宇多理事 そうそう。
○清野アドバイザー 人が頑張るとかそういう話じゃなくて、もうこの形になっちゃったので、こっちとこっちが両立しないんで、すごい長期ということだったら、もうどっちかを取ってどっちかを捨てるということなんだと思うんですね、何十年後というか。
○宇多理事 そうそう、そこが難しくてさ。だけど、同じ同一人がここに住んで、こっちにも住んでいるなら片方やめようだけど、ここに住んでいらっしゃって生業を営んでいる人とこの人は違うわけだ。そうすると、何であんたのために私のあれをつぶさなければならないって、それはものすごいポリティカルな問題に行っちゃうわけ。だから、そこのところはどうにも我々の手に負えねぇんだよな。
○清野アドバイザー だから、そうすると、今両立するためにこっちの漁港も頑張って、観光施設も頑張るとしたら、やっぱり壁をつくるかというのがまだましな方でということなんですかね。
○宇多理事 そうそう、すごくいいと言ってんじゃない。そのぐらいしかもう手だてがないんじゃないかって、それをやってもまだ波はすごいのが来るし、困ったなと。
○関谷 ここの場所だけ波の崩れ方が違うの、わかりますか。
○宇多理事 え……。
○関谷 ここの場所だけ波の崩れ方が違うんですよ、昔から。1回沖で崩れて、また手前で深くなって波が戻るんです。
○宇多理事 深くなってる。
○関谷 それで一気に手前でダーンと来るんですよ。
○宇多理事 ダーンと、そのとおりだ。
○関谷 だから、その地形を何とか崩したまんまで来るような形に……。
○宇多理事 それが、だからさっき僕が言ったやつの、ここに細かい砂が行っちゃったというのは、そのズドーンと落ちているところを覆っていた砂が行っちゃったのよ。だから、ここは目の前がズドーンだろう。そこは、そここそ細かい砂があれば緩やかな斜面でゆっくり波が砕ける状態だったんだけど、それ、行ってらっしゃいとばかりにこっちへ行っちゃったんだよ。
○関谷 いや、そこは昔から2段になるポイントなんですよ。
○宇多理事 昔からね。それでなおかおつ……。
○関谷 それで、流れも速くて遊泳禁止でもあって、サーフィンはほとんどできなかったんです。
○宇多理事 波が集中するところだね、両方から来るからな。
○関谷 シーワールドの辺とロイヤルホテルの亀田の前なんて。年に何回かしかやっぱできなくて、最近ではやっぱ結構できるようになっていますので、ここ最近は本当にもう全然逆にできなくなっていますけど、もう5年前とかだと……。
○宇多理事 だから、あらゆる点でこのセンター、これが、シーワールドがここにあったのならいかったんだけど、このポケットビーチのど真ん中にあるというのはやっぱり辛いよ。
○井坂 辛いですね。それは、そういう変化の途中ですよ、決してそれが1つのあれではない。
○宇多理事 どうぞ御質問、昔の話でもいいよ。なぁぜという話でもいいよ、どうぞ。種が尽きるまでやってちょうだい、ほんと。
○事務局(星上) 宇多さん。
○宇多理事 こっちにあった、事務局から質問。
○事務局(星上) 事務局の立場ではなくて、先ほどのシーワールドホテルさんとか幾つかの民間施設さんの意見は事務局でも全部吸い上げています。ちなみに、シーワールドさんたちがホテルとかをつくられた40年代というのは、その施設をつくった前にはまだ前浜がそれなりにあって、10年に一遍ぐらいしか波は飛び込まなかったということです。そのぐらいは元々覚悟の上で、多少、そこに建てたというふうに聞いています。ただ、最近はさっき御説明があったように、砂浜が引っ張られて痩せてしまったために、もう年に数回ぐらいの頻度で飛び込んでいる。これはさすがにやっぱり我慢もちょっと限界に来ているなというところを逐一おっしゃっていますから、だから問題なのはやっぱり許可された実態にはまだ我慢できる程度だったんですけど、今の現状はちょっと我慢しにくいんだろうなというのを客観的にもやっぱり少し理解してあげないと、そこだけ集中的にやると建ったのが悪いみたいな話になっちゃうんですけど、結果的に、歴史的にそうなったという背景があるので、多少そこは理解をした上で、じゃあギリギリどうするのか。今、ギリギリ何ができるのかというところの議論がこの会議の場ということも、ちょっと補足ですけれども。
○宇多理事 今、僕、お手洗いに行ったから彼が何と言ったか知らないけれど、この前の砂浜が消えたというのは、シーワールドがそこに立地したから消えたわけではないよね。被告人質問で、「シーワールド、おまえがつくったら行ったのだろう」と、ないよ、それは。この全体の中でのいろいろな営みの結果、そこが集中的に削られたという被害者でもあるな。ただ、被害者なんだけど、被害の前のバッファーゾーンをもっと広く取っておけば被害なんか出なかっただろうというのもこれまた正論。それで、ここに住んでいる人はたくさんおって、これは漁港の人とかこの離岸堤の後ろとか、ここでやっているサーファーとか利害関係者がたくさんおる中で、余り劇的なことをやると、また何かやろうと思ったらそいつのマイナス影響が及んで、そいつをまたつぶそうと思うとモグラ叩きにはまって、ダカダカダカッと、気がついてみれば鴨川の海が死んでたと、そうならないようにするには、人間の方が少し控えめに今のところはして、これで絶対だなどということにならないと思う。でも、海面上昇が来たら、きょうの護岸ぐらいじゃとうていもたないのも百も承知。それは、そんな場所は日本中にたくさん出てきてしまっているんだけど、さりとて御破算に願いましてと言えないし、今現在、困っちゃっているというのもわかるし、何と言うかな、出口が本当にない中でどういうふうに物を整理していったらいいかという、非常に辛い質問なんですよ。
○井坂 あと……。
○宇多理事 どうぞ。
○井坂 この議論というのは何年スパンぐらいの話なんですかね。例えば、人間が構造物をつくって40年、50年、たった40年ですよね。でも、それこそ今、子供たちが次の時代になったときに、これを歴史的に見て客観的に判断したら、ああ、全部取っちゃおうなのか、それとも全部コンクリートにしようなのかというのは、もう僕たちが言うときの先の話ですよね。そうなったときを前提に考えていかないと、結局、今はいいんだって、いつも最近思うのは、大人が今、僕もあともう何十年生きているかわからないレベルの話でこれを議論して、結構年齢の高い人がここで話をしてるんだけど、じゃあ、それこそ十代、小学校の今こうなっている子たちが大人になったときにどうなるかということもちょっと想像してかからないと、やっぱりこの話、ただ年寄りが集まって話しているような、ロビー活動的になっちゃうのは非常に残念だと思うし、それを踏まえていくと、この海岸ももう少しどうするかというのも、今言ったように、弁天島から取っていかなければいけないという話をね、本当にゼロ、最初の防波堤ができたときからの話をきちっと歴史的にもう一回踏まえてみないと、どこかで見ていると、この資料も全部途中からなんですよね。
○宇多理事 それはそうだ。
○井坂 途中のプロセスが全部話として出てきちゃうと、やっぱり根底に本当は自然と人間がつくったもの、この50年の間につくったものがどういうものかというのをちょっと判断しないと、どうしても、僕もそうだし、皆さんも今見ている中でこの海岸をどうしようというすごく即物的な話しかできないんで、そこのところを何かうまい方法を、先生、考えてください。
○宇多理事 それは、だからさっき冒頭に清野さんがやろうとしたのはそのことを言ってるんだ。
○井坂 それで……。
○宇多理事 もう非常に何百年にわたる営みの結果、この地域があったわけだよ、安全で、まあときたま波は食らっただろうけど。そこをある線を越えて人間が出しゃばっちゃったわけだよな。それを年表風に整理して、何だっけ、さっきのサイクルロードをやって……。
○清野アドバイザー そうですね。
○井坂 我々、すごく曖昧な、半分言っちゃいけないような、言っていいような話としてずっと僕も来ていたような、余り追及していいものかどうかというのも、例えば国側も地方行政も全部法律上、縦で別なので、片方言ってしまうとこっちが言えないということもわかるんですけど、やっぱりそれは今となったら、これだけ地元の方がもう意見をしているということは、それをまず公開して、それをまず普通の人に伝えて、その上で今言った嵩上げでも何でもいいんだけれどもね。
○宇多理事 それはさ、この場では言ってきちゃってるよ、すべて。
○井坂 言ってきちゃってるんですけど、それを図にね。
○清野アドバイザー それをだんだんやっている間に、まあ麻痺しちゃったのかもしれないけれども、言えるようになってきたというのはあると思うんですよ。最初の1回目は、何となく県の人も、あれも言ってもらっちゃ困るよなぁみたいな雰囲気もあったんですけれども、(笑声)だんだんやっぱり、もう見たらこうだよなというのは理解していただいたんで、結構こういう話ができるのは大きいと思うんですね。
○井坂 そうですね。
○清野アドバイザー それで、次の代と言ったときに、当面はここの方たちがどうするかという話なんですけど、50年後というか、鴨川の海岸の事業にお金がなくなっちゃう、もしかすると破産しちゃうかもしれない千葉県が、県のお金とか国のお金を投入するのは、多分もう半世紀後なんですよ、今度やった次は。そうすると、その間に海面が上がっちゃったりとかいろいろあるかもしれないけど、この形のままでどこがヤバイかというのをいろいろな予測をして、もうこのヤバそうですよというハザードマップみたいな、ここの港があって、ずっとこういういろいろな張り付け方はあるんだけれども、この形だとここが一番ヤバイところというのを公開させてもらって、そこをどういうふうに土地利用するかとか、住むかとか、あと夏のときだけ小屋がけして使うことにするとか、まあいろいろなやり方があると思うんで、それはやっぱり次の数十年で考えていくというところなのかなと思います。
○井坂 それをまず土台にこれを話してないと、ただ、ただ今の話で構造物の話になっちゃう。
○清野アドバイザー でも、近々にはここをという話は出てるんです。
○上田 それは一応前にサーフィン関係者からの提案ということで、どういうスパンで考えるかというのは発表しています。それをちょっともう一回説明したいんですけれども。
○宇多理事 ここでやったらいい、大事な点だ、それ。
○上田 だから、今回こういう形でこういう場を持ってくださいと言ったのは、サーフィンをしている人間が主体になってお願いしたんですね。だから、こういう形のものというのは別に県も市も今までの法律というか、今現在ある法律でも別に開く必要はないんですよ。災害復旧でものすごくとんでもないリーフを入れたというのは、宮崎でも実際に事例があって、サーファーが裁判を起こしていますね。だから、それと似たようなことがここであっても全然おかしくはないんですよね。けれども、そうじゃなくて、それをしないというやり方でその全般を見直しながら考えてみようというステップの中で、短期的にできるもの、長期的にできるものという形で整理をして発表はしています。
 この情報もホームページにもあるので、また帰ったら見ていただきたいんですけれども、簡単に言うと、要は今すぐこの海岸の持っている現状というのがやっぱりその形が変わって、いろいろなものがある。そういう中で何をしなければいけないかと言ったら、やっぱりここの真ん中を何とかしないといけない。シーワールドの被害をそのままほっておいていいのかというようなことなんで……。
○井坂 それは今の現実の問題でしょう。
○上田 だから、それに関して対策というのは、それを嵩上げをするのかとか、いろいろな現実的な問題で整理はしています。だから、その中で嵩上げというのは出てきていますね。けれども、長期的な展望としてはこのままでも、ここで嵩上げしても、何度も言うように必ず何かが起こるんですよ。だからどうしたらいいのかと言ったら、やっぱりこの長期的にこの海岸をどう考えるのかと、だから、今まで漁業管理者の人もホテル関係者の人も、それに私たちサーフィンをしているという人間の状況とかも説明して話し合う場はなかったんですね。それは特に日本の法律ではそういうものを持つ必要というのはないんですよ。今でもないんですよ。
○井坂 流れは大分違ってきていますよね。
○上田 だから、それが徐々に法律が変わる中で、海岸法というのはそういうものは持った方がいいですよというような雰囲気に変わっているんですね。それはそんなに古い話じゃなくって、ついこの間、方向は変わり始めているんですね。だから、この会議というのも3年、4年ぐらいたっていますけれども、その毎回、毎回というのがみんなが成長していくプロセスであって、これをどうやって永続していくかというのがこれからの大きなテーマなんですけれども、だから、リョウジさん(井坂さん?)がきょう初めて見えて、今までの背景がわからない中で今質問されていることについてはもう議論されています。
○井坂 いや、それだとしたら、それが情報になっていてほしいと聞いているんですよ。情報としてほしいということを……。
○上田 だから、それは公開されていて、もうそれは共有しているという前提で話は……。
○宇多理事 資料の扱いはちょっとあれだけれどもさ。
○清野アドバイザー でも、同じ議論が少しずつ繰り返されながらみんなでそういうことを言うのがタブーじゃなくなってくるので、まあそこは……。
○宇多理事 だから、さっき言ったのは本質的視点で、おまえ、目先のことだけ見ていいんかと、子供の時代になったらそれがナンセンスになるかもしれないという話だよね。
○井坂 ええ。
○宇多理事 おっしゃるとおりだよ。だから、できるだけ、当面のことは見つつも、こっちの方も見ようというのがこれだよな。
○井坂 だから、両方。
○宇多理事 そうそうら、両方大事だ。それにはもう、さっき清野さんが言ったように、明治時代から、我々のじいちゃん、ばぁちゃんの時代から現在までの経緯のほどもできるだけ勉強しておこうという、そういうことじゃないのかな。
○井坂 ですから、そっちの方との、だから資料的に言ったらもう少しそれをはっきりしたら僕もわかりやすいなと思うんですけど。
○宇多理事 わかった、わかった。それはそうだ。
○井坂 ただそれだけです。
○宇多理事 手を挙げそうだな、いいの。体が怒りで震え上がって……。(笑声)
 こっち、こっち、何か出そうだな。
○赤堀 今言ったことの補足だと思うんですけど、結論から言うと僕が今一番言いたい意見は、上田さんも言っていたんですけど、こういう会議をとにかく続けていきたい。それは多分サーフィン、今、意見を言っている人はほとんどサーフィンをやっている人が多いんですけど、それを続けていきたいというのが、それはみんな同じふうに思っているんで、それがとにかく一番、続けていっていただきたい。そのためにどうするかというのが、もうちょっとアドバイスをもらえればと思うんですけど、だから何と言うのかな、結局今のことも……。
                〔 Power Point 〕
 要は、簡単に言えばここのこのこれをつくっちゃったから、つくっちゃったというか、これをここの人たちを守るためにつくって、漁業を守るためにつくって、そうしたらここが…。
○宇多理事 減ったと。
○赤堀 減っちゃったから、こっちの人とこっちの人が、こっちの人はこっちの人に文句を言って……。
○宇多理事 南北問題だよな。
○赤堀 南北問題になって、この会議をまず立ち上げた、それが多分一番の、この会議が立ち上がった最初のファクターだと思うんですよ。だけど、その中で僕たちサーフィンをやっている人とかが出てきて、ちょっと違う方向に行って、今度は長期的な話とか、それで、このときに僕たちが言った話は、元々戻すのが一番いいからと、砂浜の回復と維持、さっき清野先生が言ったけど、100年間どうのとかいうスパンで見ると何もいじらないのが一番いい。きょう来ていないですけど、足名さんとかも、何もいじらないのが一番いいんだって。だから、じゃあ元に戻そうよみたいな、サーファーとかの意見になって、じゃあ、これをぶっ壊しちゃって、ここ、4,000m3取っているんだったら、ここ何千立米あるかわかんないけど、それだって取るのは可能じゃねぇかみたいな話だと思ったんですよ、さっき聞いていて。だから、それも視野に僕たちは入っているんですよ。多分、そんなことはここの人もここの人も考えてはいなかったと思うんですけど……。
○宇多理事 いやいや、何でもありだよ。
○赤堀 何でもありだけど……。
○宇多理事 ただ、それが実現するとは限らない。
○赤堀 最初の会を開いたときのファクターとしては、そんなことは考えていなかったと思うんですよ、恐らく。まあ先生は考えていたかもしれないですけど、多分ね。でも、そういう意見がこういう会議で出て、結局言えたということは僕たちもラッキーだと思うし、多分鴨川市としてはすごい大きいことだと思うんですよ。プラスなことだと思うんですよ。
○宇多理事 そうそう。
○赤堀 なので、こういう会議を多分開くのに、恐らく先生たちのあれ、予算をもらってこういうものを開くということはお金がかかることだと思うので、そういうお金を鴨川市が今回は出してくれたということなんで、これからも……。
○佐久間 県……。
○赤堀 市じゃないんですか、県ですか。
○宇多理事 正確な情報公開するよ。これは鴨川市じゃなくて、県の方が、もちろん鴨川市はこの場提供でお世話になっているんですが、県の方が現場の……。
                〔 Power Point 〕
 ここが困難な状態にある、ここがね。これは早急に何とかしなければならないなと考えているわけよ。そのときに、「おまえら黙っていろ、護岸つくるぞ」という時代じゃないのは、もう法律も変わったし、世の中も変わったわけ。だから、できるだけ合意をなして、全会一致になるかどうかわかんないけども、どうにもギリギリの案としてそういうことで行こうね、まあそれでしょうがないねということを、御意見をいただければ工事はできるわけよ。だけれど、その工事をするのに先立って意見を聞くべきなわけだ。そのためにこれをやっているのね。だけども、それは今おっしゃるように、長期的にこの鴨川を健全な状態に保っていこうという議論が必要だということもあるのは承知しているの。ただし、きょうのこれはいろいろ事務経費とかお金がかかるし、手間暇もかかるので、このパターンで行かれるかどうかは知らない。ただし、全国ではこんなすごい立派な会場じゃなくて、どこか公民館借りて、自分で手弁当で、お茶を出してさ、弁当は自分で買ってこいやというのでやっているところは山ほどあるわけ。だから、そのやり方は、形式はともかく、議論をするというのが必要であれば鴨川市の方にもいろいろ話していただいて、きょうの前段にあったように、みんなで何とかこの地域の利用も闊達にしよう、泥棒のない駐車場のあれもしようということが議論したいのであれば、それはそれでまた考えればいいわけだよ。それはいつもお金がかかるとは限らない。清野先生にでも聞けば山ほどそういう……。
○清野アドバイザー ええ。
○宇多理事 それはそれでやっぱり大事で、ただしきょうの会議は、さっき言ったようにここをどうしようという、早急の問題にはまっちゃっているもんで、議論がそこに集中している。だから、そこのところできょう合意いただいたら「やったぁ」と言って、土木事務所のやつがみんな階段を駆け下りて、「やったぜ、もうこれで工事ができる」と、そういうことはつゆ考えてないよ。そういうだまかし根性はこの場にはないの。そうじゃなくて、もう本当にみんな辛い中でどうしようかと悩んでいるのを、できるだけ皆さんの意見を聞いて、一番迷惑千万にならない方法はないだろうかって考えているんだ。だから、いろんな御意見は自由に出してくれって、さっきから言っているとおり。
 相原さん。
○相原 前々回だったか出たと思うんですけど、角度が緩やかだから波がバーッと来やすいということが出て、もう少し角度をつけた、鋭角的に深く深く行ってというのがあったんですけど、それは今回の案にはないんですか。
○宇多理事 そのとおりにやったのが今回の案。あのスロープがいけないんです。人間が下りやすいということは、波もまた同時に上がりやすい。これは科学的に……。
○相原 あの角度は緩やかに見えましたか。緩やかじゃない。
○宇多理事 これは緩やかなんです。
○相原 これで緩やかなんですか。
○宇多理事 滑り台なんです。
○相原 それがいけないと思っているんですけれども。
○宇多理事 いけないと思ってなくて、いけないんです、これ。それが……。
○相原 それは直さない。
○宇多理事 国の基準が間違っちゃった時代があるんです。だから、千葉県をとがめても、そんなもの、答えはないよ。国の方がどんどんやれよと言ったの、これを。実際は、いろいろ調べてみるといつもいいとは限らないって、ある条件では波がドーッと来る。だから、今、相原さんが言うように、これスーッ、スーッ、スーッと上がれないようにして、ここへLのこれを置いたというのは、人間が下りられなくなったでしょう、ここへ。下りられないでしょう、ここから簡単には。逆もしかりで、ここから来る波はここで跳ね上がって、こうなって中へ飛び込まなくなるという意味では縦にしようという。
○相原 それで、元の望洋荘の前というのは、一番最近……。
○宇多理事 どこだっけ、望洋荘。
○相原 元の望洋荘の前です。
○宇多理事 どこだっけ。
○相原 シーワールドのちょっと先なんですけど、あそこが壊れて直されたのは、何と言うんですか、珊瑚礁のように割とこの踊り場が広いんです。あれもまた同じような状態でドーッという状態になると思うんですけど、あれがもっと短いあれで、さっき危険だと言いましたけど、歩きやすいようなのはところどころ、それこそ100mでもいいけれど、ああいうものをもっと緩やかじゃない角度にしたらいい……。
○宇多理事 だから、それは人間が下りやすいものは波も上りやすいんで。
○相原 そうですね。今のは歩きづらいですよ。
○清野アドバイザー それを取っちゃうという話もアイデアで出たときがあると思うんですけど、長期的にはこれって結構……。
○宇多理事 そうそう、これ、全部取っちゃおうかって。
○清野アドバイザー 国が余り考えてないときにつくっちゃって……。
○宇多理事 今でも考えてない。
○清野アドバイザー 今でも……、そうなんだけど、これだけ、これはヤバそうというのがあるのにそのままになっているので、何十年後かにこれをもし取っちゃうことができて、ちょっとズドーンとなるけれども、こういう壁もつくらなくていい海岸もあり得るわけですよね。
○宇多理事 そうよ。これやめちゃう、だって、清野さん、やったんだろう、あれ、青森。叩き壊しちゃったんだ。
○清野アドバイザー そうです。青森県は、でもすごい国から怒られて、いまだに何か……。
○宇多理事 でも、表彰状をもらっているんだもの。
○清野アドバイザー だって、国のお金を上げてつくらせてあげたのに、それをこんなんじゃないとか言って、県のお金で勝手に直したって言って怒られちゃったんですけれども、だからそうは言っても、ここから先、多分、鴨川市とか住民の方とか、千葉県の頑張り具合だと思うんですけれど、きょう事務局で、今の国に怒られなくて、県も困らない範囲というアイデアはきょう出したのが限界なんですよ。
○宇多理事 そうそう。
○清野アドバイザー そこから先は、そういう事務局だけだと、やるといろいろ怒られたりとか、あり得ないとか言われちゃうんで、これだけ、ほとんど資料は全部公開しているので、皆さんで勉強会というか、そういうのを開いてもらって、それでもっともっと自由に議論していいと思うんですね。きょうはどうしても県がスポンサーでやっているから、こんなの取っちゃえとかいろいろ案を言えないところもあるんですけど、全部情報は公開されているんで、突飛なアイデアとかも、本当になぜできないのかというのももっとみんなに知ってほしいというのはあるんですよ。そうしたら川から砂を持ってくるとか、コンクリートで、これじゃないんじゃないのというのは取っちゃうとかというのも、やっぱりギリギリまで詰めてやってみるというか、思い詰めてやってみるというのはあると思うんです。それが実現するかどうかはわからないんですけれども、前よりかは、やっぱり変なものは認めてくれる時代になったし、今回、県のスポンサーでやれるのはこれが最後になっちゃうと思うんですけれども、情報はやっぱりこの間にほとんどすべて公開しました。千葉県の中でも同じような問題に悩んでいても全然公開されていない海岸もあるんですよ、実は。それは地元が余りここまで知りたいと言ってくれてないから公開してないんですけど、鴨川は公開されてます。
 だから、さっきの今後どうしたらいいかということなんですけれども、私としては、今まで結構いろいろ情報公開しているんだけど、私たちがやりませんかと言ったときにしかみんな集まってくれなかったというのが結構残念なんですよ。やっぱりさっきの青森みたいに、津軽海峡に面していても、これじゃうちの町、死んじゃうよということで、こういう階段護岸を取っちゃったところなんかは、本当にもうこの町、どうするかというときに追い詰められていて、もう公民館で本当に何度も何度も自分たちで勉強会をやって、わからなかったらコンサルタントの人とか、宇多さんとかいろいろ来てもらって、自分たちがやりたいことがなぜだめなのかというのはもう徹底的に突き詰めたんですね。それはやっぱり県を動かしたし、県はちょっと国に難しいところもあるんだけれども、その結果、やっぱり新しい海岸というのは実現したんです。
 だから、鴨川はまだそういう本当にギリギリまで追い詰められてないというところがどこかにあるんだと思うんですよ。だけれども、それはきょう皆さんがこれだけ言ってくださったんで、あらゆるアイデアを検討する材料はほとんど出ているし、日本の中で最高レベルの技術者の方もついているので、ぜひここから先、いろいろな情報をもっとどんどん議論してほしいし、そのためには鴨川市さんもこういう会場とかも貸してくれると思いますし、それは県が鴨川市に残せる大きな財産だったと思います。そういう勉強会が積み上がっていって、何年か後にはやっぱり突破口というのはあいていくので、ぜひそこをがんばっていただきたいというのがあります。今ちょっと……。
○宇多理事 ちょっと待ってな。
○清野アドバイザー はい。
○宇多理事 これでちょっと補足だけど、今度は県の立場で話してみようか。これ、現在の施設は何も壊れてなくて、基準どおりきれいにできているわけ。そういうできているものをいじくるというときが問題なんだ。できているものをいじくる。今度は査定する側、「いいじゃん、そのままできているんだから、何でさわんのよ。じゃあ、おたくの金でやってくれる?」って、必ず来るのよ。な、そうだろう、だって、車が壊れてもいないのに新車に替えるって、何でやんだって、それと同じことで、そのときに、これはギリギリの、そういう意味じゃ選択しているわけよ。これは何もさわらないという。今あるものは立派に機能しているんであるから、これ、税金でつくったものであるからそのままだ。ただし、一部分だけ工夫をさせてくれと。で、これは衝立状に立たないと波が越えちゃうので、ここのところだけは工夫してちょうだい。「ここにあったブロックはどうするんだ、それも金がかかったじゃないか」と必ず言われるんで、待ってましたとばかりに、「これはほかに必要なところに持っていきます。粉々に砕いて爆破して海に捨てるわけじゃございません」というような説明で、一分の狂いもないようにして説明をしないと国からのお金というのは来ないの。
 そのぐらいものすごくシビアな話があって、それもクリアしつつ、さっき相原さんが言っているようにここのところ、立てればいいじゃない。これを全部壊してやり直すというところも科学的にはあるのね。でも、何をやるにもお金がかかって、お金がかかるのに、千葉県の財政はめちゃくちゃ悪い、僕がそう言ったら悪いけど、超赤字、再建団体ギリギリ寸前だよ。そうすると、やっぱりこれは国民全体のお金をいただいてくる。つまり、国の費用、国費を注入する方が合理的に決まっているわけだ。そうすると、そのルールをギリギリ守った中で、しかもやってきたことをみずからだめでしたというふうに言うと、国の関係者はひどく気分を悪くするんだよ。嫌だな、あいつ、もう来るなと。
○関谷 それが必要じゃないですか。
○宇多理事 いや、そうだよ。でも、それには大変な努力を要するわけよ。こういうふうに少しずつ……。
○関谷 ここまでになったのには、相談も何もなかったですよ、今まで。
○宇多理事 そう。だから、2000年にいろんな各種法律を変えて、ようやっとこれができた。
○関谷 ようやっとじゃ、侵食が始まったら、どうしましょうと地元に相談してきて……。
○宇多理事 ツーレイトだと思うでしょう。でも、2000年より前にはこんな場ですら、さっき星上さんが言ったように何もなかった。必要がなかった。みんなそれぞれここのところのことはここのところの事業、これはこれ、これはこれって、それで全く問題はなかった。
○関谷 結果、出ちゃったわけですね。
○宇多理事 出ちゃった。
○関谷 でも、それ、認めて欲しいですよね、やっぱり。
○宇多理事 日本国中そうさ。
○関谷 その結果を。
○宇多理事 だから、日本国中そうよ。でも、それというのは大変な大きな課題で、ここでワーッと言ったってどうにもなんない。だからこそセンセーショナルに言っても何も変わらないんだよ。それよりも具体的に少しずついい方向に変える地道な積み上げをやるしか、多分方法はないと思っているんだ。ないしは衆議院選に立候補することだよ。国会でやればいいんだよ、それは法律を変える話だから。と思っている、僕はね。
 こっちで手が挙がっているから。
○上田 本当にそのとおりでね、今さら何なんだとなるんですけれども、これはサーフライダーというもののアイデアから来て始めたときには、目の前のブロックが入っているのが、だれがどういう理由で入れたかとか、サーファーが、何でサーフィンができるのにこんなところに入っているんだということさえよくわからなかったんですよ。それでいろいろ調べたら、「宇多高明」という名前がいろいろな論文に載っていて、この方が建設省の海岸室というところの、そういう技術のトップの人だったんですね。そうしたら、この人にすべて責任があるのか。この人がすべてみんなブロックを入れているのかというようなことも最初思って、土木学会というところで話をされたときに会いに行きましたよ。それでいろいろ話を聞くと、宇多さんだけじゃないなと、いろいろなしがらみがあるのは確かなんですよね。それで、そういう中で、だから宇多さんが説明された、要はお金というのが、県の行政の仕事の範囲の中でできる部分というのは法律があって、それで出るのがこれだけだからこれしかできないとかね。
○関谷 お金の問題にされちゃうと……。
○上田 いや、そうなのよ。これで、私はもうこういうふうな議論と違って、逆に、要は今の普通の日本のニュースで、つい去年なんて、教育基本法改正って知ってる、法律変えようと言ってミーティング、日本中でやったんですよね。内閣が動いて、電通という広告代理店を入れて。1つの会場に何億というようなお金をかけてですよ。来てくれた人にみんなお金を渡したんですよ。それでいい意見を言ってくれて意見を通した。そんなお金があるんだったら何でできないのというのは、もっともっとみんなが言わないと、宇多さんに幾ら言ってもしょうがないし、何かもっとまとめて言って、だからこういう会議を開くという条例とか、そういう仕組みを千葉県だけでもやりましょうよとかというのも……。
○関谷 個人に言っているわけではなくて、こういうふうになったのはだれかが必ずいい思いをして、漁師の中でも反対と賛成でと分かれたと思うんですよ。
○宇多理事 そうじゃない。それほど世の中、簡単じゃない。みんなよかれと思ってやった結果の累積が……。
○関谷 だったら認めてくださいということですね、国も。
○宇多理事 みんなよかれと思ってやっているんだ。
○関谷 だから、今結果が出たから、結果が出たんだから、これはだからもう……。
○宇多理事 でも、現にその結果が日本国中にちりばめられちゃっているわけよ。そのことを嘆いても昔に戻んないわけよ。そうしたら、今の状態をちょっとよくする方向に……。
○関谷 昔には戻らないけれど、この工法は減っていくんじゃないですか。
○宇多理事 この工法というのは。
○関谷 こういうふうに護岸をすごいつくって、ビーチサイドに。
○井坂 それは失敗例よ。
○宇多理事 だから、失敗例は、例えばここへ離岸堤をつくるなんというのは提案すらしなかったでしょう。今、どこどこの県へ行ったら、これ、一発10億ぐらいで、すごいおいしい事業でやってくれ、やってくれというのが山ほどいるのよ。まだ我々の10年、20年ぐらい古い意見を持っているやつが山ほどいる。そして、シャーシャーとこれをつくって、ここが侵食すると、「ああ、すごい、今まで見たこともない波が来て」って……。
○関谷 そういう人たちにもこういう場に来てもらって……。
○宇多理事 だから、清野さんが言ったとおりで……。
○関谷 話になんないですもの、だって。
○宇多理事 だから、そういう話にならないやつが行政にもどこにも満ち満ちているわけ。ここは違うけど……。
○清野アドバイザー 千葉県内にもいる。(笑声)
○宇多理事 だから、大変なモグラ叩きの、清野さんなんかどれほど胃潰瘍になったか知らない、胃潰瘍かどうか知らないけれども、(笑声)本当大変なのよ。だからこそ、大上段に振りかざさなくても、しょうがないわけだ、つまりそのぐらいのことしか我々はできないから、その中でもギリギリよくやって、でも、白渚に行ってごらんなさい、白渚はあそこ、波がボチョーンと上がって、もう本当にうまくいったんだよ。だから、そういう実績を積み重ねていく以外、どうにも出口がない。
○庄司 白渚は前が岩場だからでしょう。
○宇多理事 え……。
○庄司 前が岩場だからね。
○宇多理事 まあね、いい条件はあった、それはおっしゃるとおり。だから、あれでうまくいったからこれでうまくいくというのはちょっと短絡的な言い方かもしれない。
○庄司 要するに、この堤防をつくっても長い間もつわけはないんだから、砂が侵食されてくるんだから。結局、イタチごっこになるわけですよ。そうするか、もしくは海の中に、水面下に浅瀬をつくって、要するに波の力を弱めてくるか。その両方なんだけども、その波を弱めてくるということをすれば、両サイドにカレントができて砂がなくなってしまうというんでしょう。
○宇多理事 そう、全部構造物だらけになっておだぶつと。その選択は取りたくないな。
○庄司 だから、そこまでわかっていて、ここで幾ら論議しても水掛論じゃないですか。
○宇多理事 いや、そうだけど、でも、議論を尽くしたいの。僕はしょうがなくてこの案を皆さんに提案しているんだけど、それを十分考えた上でこれを提案しているということを伝えたい。何だ、こんな提案かと言われるけれども、それには水の中にやったらどうなるかという対応を全部考えた上での案ですと。
○庄司 私が20年前に鴨川の市長に、ハワイのあるところでピアが出ていたから、それがすごく砂のとめ方にいいからといって、写真まで持ってきて市長に提案したことがあるんですよ。でも、それは結局最終的には受け入れられなかったですけれどもね。でも、この海岸線をずっと見ると、一番最初の発端が鴨川漁港の灯台の建ってるところの堤防が、テトラが出たことが最初の発端でこうなってきちゃったんだから。
○宇多理事 そうだよ、そのとおり。
○庄司 あとは先生方が……。
○宇多理事 だから、指摘事実を今から否定しても始まらないというかね。
 前へマイクを回して、相原さんに。
○相原 済みません、私は斜めのあれがすごく気になって、結局、これは要するに一度つくったものだから取り外せない。だけど、壊れやすい。それでもまだお金をかけてまたその上に嵩上げをつくる。こういうことがちょっと、何とも納得ができない。
○宇多理事 僕も辛いんだよ。
○相原 もったいない。
○宇多理事 いや、もったいないかどうかじゃなくて、ほかにやりようがない。
○相原 だから、一度壊せないかもしれないけれど、斜めのというのは壊れることは目に見えているわけですよね。
○宇多理事 目に見えているけれども、その間を置いておけば、大量の水がシーワールドに飛び込むであろうということもまたこれは事実なわけだ。そっちの立場になって考えると、「何やってるの」と言いたくもなる。
○相原 同じお金を使うならばって思いますが、国はお金がない、税金がないと言っているのに、同じ先を見たら壊れるだろうと思うのに、また投入するお金をつくるということでしょうか。
○宇多理事 でも、そう言っちゃ、つまり何もできなくなって、でもそういうふうになる時代が僕は来ると思うよ、日本は。もうだめだと。
○清野アドバイザー いや、結構近いんじゃないかと思っていて……。(笑声)
○宇多理事 清野さん、だめよ、それ。(笑声)
○清野アドバイザー 私も最近知ったんですけど、千葉県の海岸って結構ボロボロであちこちひどいじゃないですか。それにもかかわらず千葉県の海岸にかけられる予算って、離岸堤を1個入れたらほとんどそれで終わるかもっていうぐらい全然なくって、それでこういう議論をしているんだけれども、本当に鴨川にどこまで予算をつけられるのかは、国全体も予算縮小で福祉に回すとかいろいろあって、建設系を縮小していて、あと県ももう倒産しそうなぐらい赤字なんで、実際、いろいろ技術的に検討しているんですけれども、お金のかかるアイデアというのは税金だけでやろうとしたら結構厳しいんです。その湘南も宮崎もそうなんですけど、公共のお金だけを頼っていると多分もう最低の、もう最低のものだけしかできないというところも結構わかってきちゃっていて、そうすると、さっき中期的とか長期的に川の砂を動かすとか、毎年たまったものを動かすとか、ああいうものも多分公共の税金でできない時代がもう数年ぐらいで来るんですよね。
 そうなっちゃったときに、海岸というのはもうほっておくしかなくなってしまうというのを、そういう時代というのは意外に近いかもしれないというのがあるんで、そこは、例えばここが観光で海岸で生きてるといったら、一部だけでもそういう管理の基金を民間で少しサポートするとか、やっぱり何千万というのは無理なんだけども、全部を公共というのは無理だなと思います。
 それで、この変化はものすごく早くて、鴨川でこの会議をやろうと言った3年半ぐらい前は、千葉県はまだ少し何となくお金もあったんだと思うんですけど、一気にもう本当に待ったなしになっちゃって、それで今回でもう県がスポンサーでというのが会議が開けないという状況になっちゃっているんですね。だから、事業自体もこういうアイデアをつけられるかわからないし、さっきちょっと宇多さんが言いかけていたように、もし千葉県が結構過激な事業をやり出すと、千葉県全体が「大丈夫か」という感じで、ほかのものに予算がつきにくくなるという恐れもほかのところからは出ているんです。だから、大きい社会の変化があるんだけども、そういう現実的なものを本当にやるのかどうかというところを1回詰めるのと、それから長期的に鴨川の海岸をどうするのかというのをみんなでかなり頻繁に話し合っていただくというのがものすごく大事だなと思います。きょう結論は出ないし、方向性というのはなかなか難しいんで、そんなところです。
○宇多理事 結論が出ないというか、僕はこう思っているんだ。これ、おおよそ、まあしゃないとみんな思ってくれないかな。ただ、これ、「イエス」と言っても、あしたすぐつくるわけでも何でもない。ものすごくお金がかかるんで、今、財布がすってんてんだ。だから、バーッとそんな大工事なんかとてもできないわけ、現実は。ただし、今ここで皆さん、「だめ、却下」と言ったらおだぶつだな。おだぶつというか、国の方へ申請するときに「地元の皆さんの御意見を聞いて、理解を得ていますの?」という質問が必ず来るんで、そのときに「よく議論しています」と言われればそうかと、窓口で却下されなくなるのね。だから、そういう面で問題を多々積み残しているのは重々承知で、長期的な展望も問題があるんだけれども、そこで万やむなしというふうに皆さん、考えていただけないかなと思うんだけど、どう。
○清野アドバイザー これが原案で、変わることもあるけどもというような意味合いなんです。
○宇多理事 そう、だからさっきのサーファーが津波が来たときに逃げられるかという質問は全くそのとおりなんで、この案のとおりやらなくてもよくて、現場へ行って、巻き尺を持っていって、ストップウォッチを持っていって、裸足で逃げるのにどのぐらい時間がかかるかというのをやってみればいいわけだ。そういう積み上げの努力をやる必要があって、それで100mだめだったら、ちょっとわかんないけどよ、ちょっと間隔を短くする、さりとて余り開けすぎたら問題だという御意見もある。
○相原 30mも逃げられませんよ、波が来たら。もう全然だめ。
○上田 どの波に対応するかなんですよ。津波なんて、スマトラのケースを見たら、もう見えた段階で逃げようとしても間に合わないものが来ているんで、どうやって警告するかとか、そういうものと関係しないと。
○宇多理事 そうそう、いろいろあるんでどうかなっていうことなんだけどな。
 御意見、あ、挙がったよ、後ろ。
○石井 北風原の石井と申します。
 3つちょっと質問があるんですけども、まず海面上昇という話が先ほどありました。私、その辺、結構興味があって、正直なところ、観光地の鴨川というのは非常に私も地元で好きなんですけども、生きるか死ぬかという意味で、どれだけ海面が上昇してもこれが有効か、まあお話がもうあったのかもしれませんけど、そこのところをまず1つお話を伺いたいのと、あとそれから前回私、お邪魔したときにちょっと海が見えなくなるのは非常に残念だ、穴でもあけられませんかという質問をしたところ、今回は子供さんは無理かもしれないけども、かなり大人の方は海が見れるようになったなということは非常にうれしいことなんです。その中で、さらに例えば観光を考えたときに、やっぱり散歩をするのにお金がかかると言われたらそれまでなんですけど、ウッドデッキにしてもうちょっと嵩上げして、歩く人がもう少し海が見れるように、まあ安全とかその辺もあるかもしれませんけど、そういうことはできないかということと、あともう一つ先ほど……。
○宇多理事 今3個目だよ。最初3件と言ったでしょう、今3個質問している。
○石井 いえ……。
○宇多理事 ちょっと待って、僕、覚えられねぇから。
○石井 済みません。
○宇多理事 単細胞だから、1個ずつ言って。
○石井 海面上昇の話と、それから……。
○宇多理事 海面上昇は考えていません。将来は、起こったら、そんとき考えましょう。というか、そのぐらい日本人の海面上昇に対する考えはルースです。オランダや何かはものすごい真剣にやっているのに、日本は全然疎い。だから、私自身情けないなと思うんだけど、今のところそれを入れる余地がない。
 2番目、これは現況の管理用通路の高さをちょっと上げているんです。できるだけ、とにかくこうやらなくていいようにして、それでこの面を1m10でギリギリ低くしたというふうにこれはしています。
 それから、ウッドデッキは残念ながら、つまりね、国、何でも金を使っていいとならないわけね。国のものは基本的に50年ぐらいの間もつことというルール、鉄とコンクリートのものは大体もちそうでしょう、日本のマンションはもたないと思うけど。でも、そういうルールでつくるから、でもあそこでやっているな、館山、ウッドデッキ。
○清野アドバイザー あれはだから別のお金で、ウッドデッキをつくるとしたら、多分もうこれからは市の予算か民間の予算で、「そこの通路の上に簀の子みたいに置かせてもらっていいでしょうか」みたいな、そういう施設になっちゃうと思います。
○宇多理事 そうか、そうか。
○清野アドバイザー だから、県でつくるのはちょっと無理です。
○宇多理事 県じゃちょっとできない。
○石井 そうでしょうね。
○清野アドバイザー 「簀の子を置かせてあげてもいいですよ」と鴨川事務所が言ってくれれば、ウッドデッキは……。
○宇多理事 みんなで間伐材を切ってきてやるか。
○清野アドバイザー あと「管理もやってくださいね」とかいろいろうるさく言われると思いますけど。
○宇多理事 そういう状況だと思います。それから、どうぞ、続けてください。
○石井 わかりました。
 最後、弁天島、私の友達で八千代の方でイシダイを釣る会というものの会長をやっている人がいるんですけど、昔は弁天島でもよくイシダイが釣れて、今はヒラメが釣れるようになったということで、これは多分海流の問題、これはいろいろ影響があるのでしょうけど、そういうことに我々は非常に興味を持つんですけれども、今までに随分いろいろ御研究された中で、海流についての公開というのはされているんでしょうか。
○宇多理事 海流、うんとオフショアを流れている海流については、今回は全然情報を持ち合わせていません。むしろ沿岸から2qぐらいの間の水の流れがどうなるか、こういう衝立みたいに構造物をつくったらとまるとか渦を巻くとかいうのは前々々回ぐらいに出していますので、ちょっと古いバージョンを見ていただければ、そういう弁天島までズコーンと防波堤を延ばすやつがなかったらどうなるかというのは、たしか昔やった覚えがあります。ちょっとすぐ思い出せないけど。
○石井 わかりました。
○宇多理事 ほかにある、マイク。
○田中 田中と言います。
 青森県の海岸、変えましたよね。あれのビデオを見てへぇっと思って来たんですけど、僕は加茂川の上流に住んでいて、産業廃棄物の処分場ができる、できないということで海にどういう影響を与えるのかということで、その辺のところも関心があって来たんですけども、こんなにすごい論議がされているとはちょっと予想外で、へぇーっと思いましたね。
 それで、今1つだけ聞きたいんですけども、このままほっといたらどうなるかということと、それからこうこうこう改善したらこうなる、それから原因であるアリーナとテトラポッドですか、それを取っちゃったらどうなるという、そういうシミュレーションというのは全部公開されていますか。それを知りたいですね。
○宇多理事 わかった、順番ね。ほっとく、それは多分僕の見通しじゃ3年か4年に1回ずつシーワールドがジャブーンと水に浸される。最近、地球温暖化だか何だかわからないけど、気候変動がきつくなって、変なときに台風とか低気圧の発達があるでしょう。低気圧、一発、10月6日の低気圧じゃ海面が満潮の上に1m上がって、その上に6m50の波が来ているんです。今、ここで言っているこの護岸の高さが幾らだっけ、星上さん。
○事務局(星上) 6m。
○宇多理事 6m、もうそういうことが割と日常的に起こるような海象条件になっちゃっているんです、どうやら。だから、それからすると、私があそこのこっちのここに住んでいる管理者だったら、ちょっとえれえなというふうに思うでしょう。それが1個目。
 それから、この離岸堤や何かがいけないと今おっしゃったけど、いけないんじゃない。
○田中 いけないんじゃなくて、それが原因だったなら、それをもし取っちゃったらどうなるか。
○宇多理事 原因であるけど、これはこの砂がピッとなくなって、真っ平らに均等に、集まった税金を皆さんにパーッと配るようなもんだな。それで、そのかわりここの前原だっけ、ここに住んでいる人は水をかぶる。
○田中 水をかぶる。だから、僕ら素人考えだったら、そこの人は、それが原因でテトラポッドをつくったという話だから、そこだけを高い防波堤、ビューンと階段にして、そこだけかからないようにしちゃうという。
○宇多理事 それはだから、法律に基づいてやった行為というのはあるときにやった行為をずっと遡及していって、昔に戻っていって、これは御破算で願いましてというのは、やりにくい。
○田中 でも、それは僕、青森県のビデオを見ていたら、知恵を働かせて、確かにそうなんですよ。そうだけども、前にある防波堤みたいなものを壊して、それを壊したものを岩にしちゃってやるということも、岩も同じ効果じゃないですかと。だから、防波堤の替わりの別の形態なのだから、何も法律違反じゃないじゃないですかと。
○宇多理事 あれは清野女史が仕込んだやつで、あそこはものすごい参謀がいるんですよ、絶えず議論をしている連中が。だから、それをまねしたらどうかって、さっきね、日ごろから。だけども、千葉県の、ここの御当地にはいないとさっき言ったじゃない。
○田中 それは、今はいないかもしれないけども……。
○宇多理事 だから……。
○田中 可能性のことを言っているんですよ、僕は。
○宇多理事 そうそう。
○田中 そういう方向性、今いないからできないという話じゃなくて。
○宇多理事 そうそう、それはわかっているんだよ。
○田中 可能性があるんだったら、その方向だってあるわけだから、選択肢としてきちっと残しておいて、それを僕はシミュレーションを公開しているんですかって質問しているわけ。今答えてくださいと言っているわけじゃなくて、シミュレーションを公開していますか。
○宇多理事 シミュレーションは公開しています。
○田中 どこにされているんですか。
○宇多理事 だから、ホームページを見てもらえば。
○事務局(星上) 鴨川市役所のホームページに。
○田中 そのA、B、C案を。
○宇多理事 取っ払ったらどうなるか、とっくの昔にやってますよ、それは。
○田中 それは済みません、本当に全然知らずに初めて来たので。
○宇多理事 そのとおりになる。我々のシミュレーションは完璧な自信を持ってやっているから。
○田中 それを取っ払った場合のシミュレーションもビシッとあるわけですね。
○宇多理事 ある、ある。だから、その……。
○関谷 じゃあ、こうなることもわかっていたはずですよね。
○宇多理事 それは……。
○田中 その場合、もう一つもう少し、済みません、突っ込んで、これは失礼かもしれないけども、突っ込んで言いたいんですけど、そのアリーナって、多分漁港ですよね。
○宇多理事 これ、マリーナね。
○田中 漁港をつくられた理由は当然あって……。
○宇多理事 当然ある。
○田中 それで、鉄塔をつくられた理由もある。しかし、漁業の方向というのは随分変わってきていると思いますよ、この40〜50年の間で。そうすると、そういうものが本当に必要なのかどうかということを、まあ漁業で生活しておられるから、外部の人間が言うのはすごい失礼だということは、多分突っ込んでいないんじゃないかと予想しているんです、簡単に言えば。何というか、言いにくい話ですよね、これは、どっちかというと。
○宇多理事 いや、言っちゃっていますよ。
○田中 言っているんですか。
○宇多理事 水産庁は。
○田中 水産庁じゃなくてここで。
○宇多理事 ここはもちろん言っちゃって……。
○田中 だから、ここの漁港の人に対して、簡単に言えば、もうこういう世の中になっちゃっているんですから、堤防も一回なくして、もう一回自分の漁業のやり方を根本的に考えてくださいという、そういう提案だってあり得ると思うんです。歴史的に言えばそれの方が正解ですよ、それは。だって、100年、200年と考えたら絶対に正解だと思う、失礼だけど。
○宇多理事 いやいや、失礼でも何でもない、ちょっと待って、冷静に。いい、私は何遍も言うけども、過激な意見を吐いて気分がさっぱりするけど、現実は何も変わらないという選択をやるか、それとも腹たまる思いはあるけど、少し現実をよくする、どっちを取るんですか。私はこうしたいと。
○田中 ちょっと待ってください。わかりました。それについては僕は全く否定してないの。だから、A、B、C案を言っていまして……。
○宇多理事 だから、過激なことを言う……。
○田中 ちょっと待ってください。
○宇多理事 だめ。
○田中 ちょっと待ってくださいよ。
○宇多理事 だめ。
○田中 だめって、あなた、他人の意見を否定して……。
○宇多理事 それは漁師のいる前で言ってもらいたい。漁師がちゃんとここへ座ったところでやるならいい。そうじゃない、きょう漁師がいない中で……。
○田中 いいですよ、きょう、漁師、多分おられるんです。
○宇多理事 漁師がいない中で……。
○田中 僕はおられると思ってます。
○清野アドバイザー まあ……。
○宇多理事 漁師がいない中でやるのは片方だけで……。
○清野アドバイザー 前に漁師さんがいるところでもその話をして……。
○宇多理事 さんざんやったんだもの、それは。
○清野アドバイザー だけど、その話……。
○田中 僕は誤解されているのは、具体的な一方の解決案を僕は否定しているというふうにあなたは勝手に思っておられるようだけど、僕はそんなことは思ってないんだ、全く。A、B、C案をまず提示されていますか。
○宇多理事 やってます。
○田中 それはわかりました。だったら、その具体的なところに対して言われる場合に、そういう具体的なやつと、その長期的なA、B、C案との関係を……。
○宇多理事 やってます。
○田中 もっと……。
○宇多理事 3年前にやりました。
○田中 もっと世の中にやるようなことをですね。
○宇多理事 ホームページに……。
○田中 論理的に説明されないと……。
○清野アドバイザー ホームページに載っていてもみんな余り見ないので、それで思ったんですけど、一応図だけは出ているんですけど、今おっしゃったような形でもうちょっとわかりやすいというか、逆に言うと当時は取っちゃうみたいな話をやっちゃうとこの会議自体ができなくなっちゃうかな、みたいな話で、3年前はやれなかったことももうやっぱり世の中は変わってきたので、もう一度、せっかく計算した結果もあるんで。
○宇多理事 私が言いたいのは、片方の意見の人だけが集まって、片方のやつはけしからんから取っちゃえという議論は僕はおかしいと。それならそっちの人が半分いる中でやるんじゃないとフェアじゃないと言っているんだ。
○清野アドバイザー だから、今後この会議を続けてもらう人に、例えば漁港もみんなで見にいくとか、ちょっとこの会の中じゃできなかったんですけど、会議に「漁師さん、来てください」と言うとおっくうなので、向こうの方にもうちょっと会場を移してやるようなことをするとか、もしそういうのを地元で続けていただくことができれば、長期的な話というのはできるんだと思うんですよ。会議を運営している側からすると、長期的な話は結構触れたくないところに触れることが多いんで、みんながついてきてくれないともうできないんです。だから、この3年間というのは一応きっかけで情報公開はしましたけれども、余り本質的なところに突っ込むことができなかったのは、本当についてきてくれるかどうかわからなかったからです。だけど、きょうこれだけの議論が出たので、現実的な最大限の今やれるベストの案というのは、もう事務局から出ているものだと思うので、まああれはある意味で最高の妥協だと思うんだけど、それじゃないと思って、次はそうじゃないぞと思っておられる方がおられるとしたら、ぜひ漁協さんとか、あとホテルの方とか、そこでやっぱり泊まりに来た人とかとももっと現場で話す会議を何年間かやっていただいて、多分その間にまだ予算が十分つかない可能性はあるので、それを続けていただきたいというのがあります。
 それからあと加茂川の川の砂の話というのを少し検討されていると思うので……。
○宇多理事 加茂川は砂は出てこないよ、もうだめだ。
○清野アドバイザー だから、そういう話とかもですよね。
○宇多理事 上流でいじっちゃったからさ。
○清野アドバイザー せっかく提案が出たのでいろいろ調べてみたんですけども、川にも力がなくて、もう粘土ぐらいしか海に出せないような、ちょっとそういう寂しい状態の川になっているので、もともとの皆さんが知っている加茂川とは、力尽きちゃって寂しい川になっているので、それをじゃあ、川も含めてどうするかというのは、まさにきょう上流の方から来ていただいたとしたら、そこも含めて川も生き返らせないと海ももうだめだしということなんですね。それで、この会議の掌握範囲をちょっと超えてきているので、ぜひ今度は市の中で海岸を中心に川とか、ちょっと上の話も含めてというふうに展開していただいたり、漁業の人と話すというのもしていただけたらと思うんですけども、だからちょっともう随分時間がたってしまったので。
○宇多理事 だから、僕、けんかしてるんじゃなくて、議論してもいいんだけど、前々回かな、初回、2回ぐらい、すごい漁業組合の主婦の人とかたくさん来てくれた。そういう……。
○清野アドバイザー 組合長です。
○宇多理事 そう、組合長とか。そういう人たちの中で、それぞれがみんな生きていくわけだよな、この地で。おまえは死んどれということは言えない。それぞれがみんな、サーファーも大事、同じぐらい漁業者も大事、そういう中で議論をしてできることをやっていこうというようなことをやったわけさ。それは妥協の産物かもしんないけど、それを、議論をもってやろうというのをだめだと言ったらもう専制国家になるか、イラクみたいになっちゃうかしかないんだよ。答えがない。そうならないようにできるだけギリギリで、もうみんな腹にたまって、くそおもしろくない会議をやりやがったと思うかもしんないけど、その中で何とかよき妥協ができるところを探っていくしかない。しかも、土木の方は今、後ろの方で聞いているかもしれないけど、やっぱり水をかぶっちゃう人たちの要望も聞いているわけさ。そういう中で、何と言うかな、だから非常に妥協の産物、「何だ、これ」と言われるかもしれないけど、じゃあどうするのという話に結局なっちゃうので、辛いけど、さっき言った海面上昇に対しては対応できない。また付け焼き刃じゃないかという指摘も全くそのとおりだけど、だけど、今我々ができること、予算のしがらみとかいろいろな調整問題とかいろいろなほかのところの、ほかの生業を持って生きている人たちに水をひっかけないようなやり方でともに何か共生というか、やろうとすれば、こんな案しかないよということなんだ。だから、絶対だなんと言うつもりはさらさらないな。だから、工夫の余地があれば、こういうところは工夫したらよかっぺというのを現場でやったらどうだよ。
○相原 先ほどのごみを焼いてしまって水をかけていたというところの場所の話なんですけど、あのときにどうして、じゃあ燃やしちゃいけないのなら看板を立ててください、そうしたらボランティアも火をつけないと思いますからと言いましたら、実はこの斜めになった壁は県がつくりました。埋立ては市がやりました。だから、勝手には看板も立てられませんと、こう言われました。じゃあ、ボランティアはそれが汚い、お正月が来ます。それなのにそれの処理もできないのか……。
○宇多理事 それはですね。
○相原 ちょっと待ってください。それと同じで、先ほどに戻るんですけど、じゃあ、お金がなくなった時代になったから、国のお金、県の税金がない。だけど、じゃあシーワールドの前も、シーワールドさんの壁を使ってこっちの県のお金も使って、先ほどの1m何十を2mにするということが国のお金だから絶対にできませんと言うんですけど、その点をもう一度お話し合いというか、そういう話をできるような世界が来ないのでしょうか。
○上田 それはやりましょうよ、相原さん。
○相原 ねえ。
○上田 一緒に行きましょうよ。
○相原 もったいない。お金が非常にもったいない。
○上田 宇多さんにやってもしょうがないじゃないですか。
○宇多理事 物理的に多分困難だと思うよ。現在の官民境界のあの線をいじるな、それからスロープの斜面のてっぺんをいじるな、そして遊歩道はちゃんと現在のまま確保せよ、そういう条件をきれいに丁寧に整理し、護岸というのは厚さが少なくとも50pあるわけね。その前に水路が必要なわけ。そうすると、そういう、こっちが決まったらこっちに出すしかないよね。ところが、沖の方から見たら絶対に来るなという壁、線がある。
○相原 これ、縦割りでこちらの分野、こちらの分野ということが、だんだん税金や何かで投入が不可能になってきたときには……。
○宇多理事 これは縦割りの問題じゃないよ。
○相原 民間のお金がとかというときに、おたくの壁を利用して土をドーンと盛っていいですかとかという世界だと思うんですね。
○清野アドバイザー 壁のところの細長いところを地主さんから国に売ってもらって、今つくっているのを壊して、そこの公有地と民間の土地の隙間のところを本当に買うとかいろいろなことがあるかもしれない……。
○宇多理事 だけど、それは買うことができないんじゃないかな。というのは、現在の護岸はそれなりに機能を果たしているんだから、何で買うんだと。
○清野アドバイザー 民間さんの護岸があるわけですね。
○宇多理事 あるよね。だけど、あれは護岸じゃないんだよ。
○清野アドバイザー 民間の壁のところの……。
○宇多理事 シーツなんだ。シーツが垂れ下がっているんだから。
○清野アドバイザー 民間の壁のところを本当に50pぐらい買わせてもらって。
○宇多理事 だから、その買うという行為が、現在の護岸のところでできる以上、「何で買うの」と財務が言ってくると思うんだよ。
○清野アドバイザー だから……。
○上田 そういったことが法律の枠であったとしても、そういうものもちょっとぐらいは変えられる世の中というか、そういう宇多さんの範囲じゃないところで変えることはできると思うんですよ。
○宇多理事 わかった。私は現実を知りすぎているから厳し目に言うというのは10年前に清野さんに言われてるんだよ。それはわかる。それはその点は修正する。
○清野アドバイザー そのときに財務省に、今、相原さんがおっしゃった方が実は2割方お安いんです。それで、地元もそちらの方がいいし、民間のリゾートもいいんですという案があったとしたら、それはもう宇多さんとか事務局とか、県から持っていくともう門前払いなので、市民会議というか、その市民の会から、みんなで議論して、これが最高のアイデアなんだけど、なぜだめなのというのを、やっぱりそれはもう東京でになると思うんですけど。
○上田 それが地方自治で、それは憲法に保障されているので、ちゃんと使っていないんですよ、今まで。
○宇多理事 そうそう、だから議論して……。
○上田 今までも、それをほったらかしにしていたのが悪いんですよ。だから、こんなになっているんじゃないですか。
○相原 ねぇ。(笑声)
○宇多理事 なぁ。
○上田 外国なんか、それをやってるんですよ、ちゃんと。
○宇多理事 何かみんなうっちゃったみたいな感じだけどよ。
○上田 それをやってるんですよ、彼らはね。きれいな海岸が残っているけども、結果的に。みんなが関わってやっているんですよ。「お願いします」だけではやってないんですよ。
○宇多理事 それで、国の予算がどんどこ減ってきて、県も減ってきているんだけども、合意がなったところから先に、優先的に工事はすることになるので、ずっともめにもめているという、例えば三番瀬はどうか知らないけど、もめにもめているところというのは金が回らなくなる。後回しにされるというのも、これまた事実さ。そこのところが難しい。
○相原 ある意味でニーズは、水をかぶりたくないというホテル側のニーズと、要するに海を見て観光したいというニーズと、県がそこで折り合ってくれればいいわけじゃないですか。
○宇多理事 それはそうだ。
○相原 そのニーズが話し合になるかどうかということを希望してやみません。
○宇多理事 僕も希望します。(笑声)やってもらうなら……。
○清野アドバイザー ぜひ、私もちょっと無責任な立場で申しわけないんですけど、じゃあ鴨川の人たちはこう言っていますというときに、県が最初、やっぱり国に交渉に行くので、県の梯子を外さないように、やっぱり鴨川の地元でいろいろな合理的なものとか、もうお金の話も出てくると思うので、それが一体じゃあ皆さんがきょう出したアイデアで幾らぐらいかかるのかとか、法律的に大丈夫かとか、そういうのを詰めていただいてきちんとした形で出していただけば、少しは県も清水の舞台から飛び降りられるかもしれないんですけど、後ろを見たらだれもいなかったというのはちょっと……。
○宇多理事 整理していただいたらというのは、それが普通の人にはできないから、こういう場を持って県の方にお伝え申し上げる場として使ってもらえばいいんだよな。
○清野アドバイザー そうですね。
○宇多理事 整理して持ってこいというのは余りだよ。だって、日ごろ生活しているのにさ、そんなもの、書類、つくれないよ。
○清野アドバイザー いや、書類までつくらなくてもいいんですけど、アイデアを整理するところというのは上田さんが言った、やっぱり海岸に本当にみんなが関わっていくというところなので、その後のお金の計算とかは県の方にやっていただくとかだと思いますけど、そういうアイデアをもうちょっと、きょう出たものを集約していくということだと思います。
 それで、私はやっぱり今、時代の変わり目で、それを突破していけるかどうかという本当のギリギリのところなので、きょうは最高の妥協の産物はお見せしましたけども、ああいうものじゃないという場合には、やっぱりあれも1つの案なのだけども、どういうことがあり得るかをもうちょっと、なぜ合意がまだできないかとか、どこのレベルだったら逆に合意ができるかというのを出していただくということかと思います。それはちょっと……。
○宇多理事 ちなみに、こういう場をやっているのは日本国で随一だろうな。これだけしつこく、しつこいというか、勝手なことをみんな言っているのは。だけど、言うことはちゃんと言おうよ。
○清野アドバイザー 私は鴨川に頑張ってほしいと思うのは、こういう会議を開くと、やっぱり国民が生意気になっちゃって困ると思っているじいさんとかまだたくさんいるんで、(笑声)やっぱりそうじゃなくて、みんながいろいろ考えたり言うことで絶対に海岸はよくなるというふうにしてもらうと、国民に知らせない方がいいというじいさんとかも少し違うのかなと思うんですよ。
 さっき、合意が取れたところから事業のお金をつけるというのは結構あれで、押さえ込めばいいんです、反対意見って。そういうふうな県もあるんです。だから、それからしたら千葉県はよくバンバン出てくるので、それはそれでやっぱり健全な状態だと思うので、ぜひそうやっていろいろ議論するけど、それで結果的によくなったというところを目指して、何とか数年、力を入れてほしいというところがあります。だから、むだじゃないと思うし、宇多さんが困っている理由もわかりますけど、やっぱりみんなの意見で変えられるところは変えていきたいというのはありますね。
○宇多理事 どうだい、そういうわけで。この妥協の産物、くそ産物をきょうのところはもうしゃあないと言ってくれるか。別に多数決でも何でもないよ。
○関谷 それでいい案が出れば変えられるということですか。
○宇多理事 工夫の余地があるのならいつでもやればいいよ。例えば、全部やぁめたというのはあれだけどさ。もっとよりよき工夫ができる……。
○関谷 これはあのときに決まっちゃったからしょうがないんだよということじゃなくて…。
○相原 まずホテル側と話し合って。
○宇多理事 だって、これで皆さんの合意になったから、これですぐつくれるわけがないよ。これだってちゃんと当事者の人につぶさに説明し、それでいいかねと言って、だめだと言われたらパーだよ。でも、それはいろいろな場において議論してきているから、まあ大体こんなものかなという、何となくコンセンサスはあると思うけど、本当につくるにはまた……。
○清野アドバイザー 白渚のときみたいにちょっとベニヤ板でつくってみて、模型を置いてみてやっぱり浜辺で皆さんに……。
○宇多理事 見えるとか見えないとか、さっきのあれ、やってみたらいいぜ。
○清野アドバイザー そうですね、そうするとまた感覚は違うかもしれない。
○宇多理事 100m……。
○大久保 ちょっといいですか。
○宇多理事 どうぞ、どうぞ。
○大久保 あと養浜というか、石を入れたりとか、要するに砂利ですね。それは考えていないですか。
○宇多理事 すべて完全にその結果が見えちゃっているので、細粒を入れれば全部こっちの前原に寄ってきます。それで、粗いものをやると勾配が立っちゃう。そして、今までの東条海岸のイメージがガラリと変わって、石がジャラ、ジャラ、ジャラという海岸になっちゃうんで、しのびない。だから、そういう点で、いつも冷たく言って申しわけないんだけど、ほかの案がなかなかないというのが実感。
○庄司 いかんせんあの溝を埋めないことには、幾らやっても結局護岸堤は壊れるばかりです。
○宇多理事 え……。
○庄司 波打ち際の横にできるカレントの溝がありますよね、波打ち際の。あの溝をつぶさない限りはどんどん侵食して、また護岸堤は壊れるばかりですよ。
○宇多理事 どんどん侵食は続きません。もうそろそろ落ち着き始めているから。
○庄司 いや、無理でしょう。
○宇多理事 いやいや、あそこにある砂がああなったのは深い理由があって、前原の方へ行っちゃったわけ。でも、どんどん前原に引っ張っているわけではないんで。
○庄司 だからね、要するにあそこにできる、波打ち際にできるどん深の溝がありますよね。あの溝が消えない限りはどんどん侵食してきますから。
○宇多理事 侵食はしてきません。波はきつい、ただしあれを埋めるには、さっきの後段の質問の同じ意見で、砂を入れればいいでしょうという問題に必ず行ってしまって、やってできないことはないんだ、技術的に。
○庄司 いや、あれはね、要するに私らはもっと昔からあそこでいろいろなことをやってきていますけど、あそこの溝はあの防波堤をつくったからできたもんじゃないんですよ。
○宇多理事 そう思うよ、前からある。
○庄司 昔からあるんですよ。ということは、あそこの砂がユニバースの方に持っていかれるというわけでもないんですよ。
○宇多理事 ええ、知っています。だから、その辺は全部分析していて、やるとあと2時間ぐらいかかるもので御容赦を、わかっている、わかっている、重々わかっている。
 後段、一番しまいから手を挙げている、だれか。マイク。
○芝本 夷隅から来ました。
 きょう初めて参加したんですけど、後でその他のところで、今回参加させてもらった理由は、来週、ビーチ環境サミットというのを館山でやるんですけども、それの報告と告知というのもありまして参加させていただいたんですけど、今、養浜ということが出たのでちょっとお聞きしたいなと思って、1つお話があるんですが。
○宇多理事 私、行くよ、それ。
○芝本 そう。それで、今ちょっと……。
○宇多理事 わかった。それで養浜、何。
○芝本 養浜のとこについて、オーストラリアの漁港にたまっている砂をパイプを通して…。
○宇多理事 コールドコーストな。
○芝本 はい、ジアンバンというところから……。
○宇多理事 外国はみんなそれだよ。
○芝本 それで日本で、私は太東の近くに住んでいるんですけど、友達のお父さんが漁師さんで、娘がサーファーなんですね。漁師のお父さんとちょっと海岸の侵食の話とか砂がたまっている話をしたところ、太東の漁港はすごく砂がたまっていて、船のスクリューを出して、傾けて港を出ているそうなんですね。
○宇多理事 知ってます。
○芝本 その砂を、「例えばパイプを出して、こっちに砂を流せばサーファーも砂がついていいんじゃねぇの」みたいな、「おれたちもできんじゃん、それぐらいの予算ってつけねぇのか」みたいなことをちょっと言っていて、ああそうかって思ったんだけど、そういうアイデアというのは……。
○宇多理事 よくぞ言ってくれた、それをやろうとしてるんだよ。
○芝本 ああ。
○宇多理事 パイプじゃなくて、今、取って。
○芝本 その方法があれば……。
○宇多理事 ある、ある。まさに太東、困っていて……。
○芝本 はい、片貝とかも困っているんです。
○宇多理事 いろいろな漁業関係者と砂の足りない方との間で調整をしましょうという方向で、今言っているとおりやろうとしている。そのとおりだよ。お答えできないよ、その通りだっていう、いい、そういう答えで。
○芝本 それでやってほしいです。ありがとうございます。
○宇多理事 ほかにある、もういいかな。
○清野アドバイザー そうですね。
○宇多理事 そろそろクローズしていいかしら。クローズというか、きょうの結論は何やねんという話になるかもしれないけど。
○清野アドバイザー そうですね。多分、ちょっと私もどこが結論かというのは難しいと思うんですけれども……。
                〔 Power Point 〕
 1つは、今写っているのをいいですかという話もあったんですけど、なかなかいいとも悪いとも言えなくて……。
○宇多理事 これをベースにして、一応認めてもらって、ただし、詳細なことは、さっき言った階段の工夫とか見える、見えないというのは現場でもう一回、段ボール箱でもミカン箱でもつくってみて、実際に見えるかどうか子供を連れて行ってやってみて、それで納得したらやればいいと、だめ。
○清野アドバイザー 何かそういうのを海岸管理者が約束してくれないと、そういう模型をつくってみんなともう一度きちんと……。
○宇多理事 だって、きょうは海岸管理者は関係ないのだから、みんな私服で来ているんだから。
○上田 それをつくる予算がないでしょう。
○清野アドバイザー そうですね。
○宇多理事 ミカン箱ぐらいつくるあれはあるべぇ。あそこのコンビニに行って段ボールを借りてくればいいんだもの。
○清野アドバイザー 大工としての上田さんがつくってくれてもいいんですけど。(笑声)
○宇多理事 そのぐらいはだって、幾ら何でもできるよ。
○清野アドバイザー そうですね。ここ……。
○宇多理事 何十人もやって、バーッとつくるわけじゃないよ。白渚のときにやったじゃん。だから、何かそういうことで妥協してくんねぇかな、どう。辛い、辛いんだけどさ、僕も。こんな話ばっかりしていて、年ばっかり食っちゃうけど。
○清野アドバイザー この先がやっぱり見えてないとみんな何か、みんなというか、私も大丈夫かという気もするので、ここで……。
○宇多理事 だから、知らないうちに構造物がドカンとできるような真似はすべきじゃないよ。
○清野アドバイザー だから、県のお金でこういうタイプの、録音を取ったりとか大勢の人が来てというのはやらないかもしれないんですけど、県が別に、予算上の問題だけなので、土木事務所の会議室とか鴨川市役所さんとかで同じ会議を……。
○宇多理事 どの話、これをどうするかの話。
○清野アドバイザー ええ、だから、今後こういう場があるのかということは、それはもうやってもらってもいいと思うんですよ。
○宇多理事 だけど、地元の説明会というのは普通やるよ。別にこういう場じゃなくて、そこにつくるときに。
○清野アドバイザー ええ。それで、その地元説明会も個別に説得して回るような昔みたいなやつじゃなくて、もうちょっときょうの議論を……。
○宇多理事 だから、いついつやりますから皆さん来てくださいって、ミカン箱を持っていってちょっと見えるとか見えないとか、ストップウォッチを持っていってはかるとか、そういうのをやったらどうだろう。
○清野アドバイザー ええ……。
○宇多理事 そうしないと、何か……。
○赤堀 済みません。今の話ですけど、この経緯は今後はどうなるんですか、具体的に。
○宇多理事 え……。
○赤堀 例えばここで、仮にじゃあみんなしょうがねぇけど、じゃあまあいいやみたいな話になるじゃないですか。その後の経緯はどうなるんですか。
○宇多理事 その後というのはどうなるんだろうね。
○赤堀 だって、つくるまでの経緯があるわけでしょう。
○宇多理事 あるよな。それはどうなっているんだ。
○赤堀 それは全然関係ないんですか。
○宇多理事 それは事務所の人いるかね、きょう、私服で来ているけど。パーッと構造物ができるわけじゃないんで。
○清野アドバイザー 書類を書いたりするのに何年もかかっちゃったりとか、多分事務所の人とかがいたら言ってくれてもいいんですけど、多分、きょうこれで決裂はしませんでしたという話か、もうみんなが怒って帰りましたというかで、書類を書き始めるかどうかが違うんだと思うんですよ。
○宇多理事 だから、これで一応飲んでくれたとして、そうしたら、それであと全然オフレコということではなくて、こういう会議場でやるかどうかわからないけど、土木事務所か何かかな、アナウンスがあって、今度、あそこのシーワールドの前で実演会をやって、最終的に確認をいただくことになろうと思いますが、皆さんどうですかというやつをやって、「イエス」となったら、それでもういいじゃん。
○赤堀 もう工事発注。
○宇多理事 それでまたクレームが出たら、事務局は別に毎週これをやってくれというのは余り疲れるので、事務局は言われた意見に対して工夫の余地があるのかないのかという微修正をする。この原案どおりに突っ走るのなら現場の会合をやっても意味ないということだよな。
○赤堀 そうですよね。
○宇多理事 だって、変だよね、それ。大体これの方向なんだけど、皆さんの御要望で微修正できるところは、例えば入り口の位置と階段はもうちょっとこっちの方がいいんじゃないとかあるじゃない。排水口の真上にもしかしたらあるかもしれないので、そういう緻密な詰めは別途やって……。
○赤堀 ゴーか行かないかの最終決定というのは、今おっしゃった土木の何か、どうですかみたいなところで最終決定ということですか。
○宇多理事 最終決定は土木事務所の専決事項でやるんですよ。
○赤堀 専決事項でやるんですか。
○宇多理事 うん。だけども、それは上意下達じゃなくて、せっかくこうやってきたから、その中で現場でも、白渚でやったのもそうだったんだけど、それで最終的な納得をいただいたらやるという方向だろうね。
○赤堀 ああ……。
○清野アドバイザー あとは県の中での競争なんで、多分、九十九里とかほかもと言ったときに、その準備状況みたいなところになっちゃうんですよね。
○宇多理事 そうそう、だから……。
○清野アドバイザー あと深刻さというか……。
○宇多理事 ちょっと待って、マイクを持っていくから。悪いけど、帰りの汽車があって、それに乗れないと特急がなくなっちゃうもんでよ。
○阿部 一応彼女のおっしゃるのは、海岸づくり市民会議みたいなものを皆さんでつくったらどうですかというのを提起されていると思うんですよ。
○宇多理事 はい。
○阿部 そういうのができるかどうかということだと思います。
○宇多理事 ああ、そう。
○赤堀 それはここのやる人次第。
○宇多理事 こっち次第だよ。地域住民がそういう思いでやる……。
○阿部 それを皆さんが納得できて、そしてこの案をそこへ持ち込んで検討するということじゃないんですか。
○宇多理事 違う、違う。これの案はここでやるんだよ。海づくり会議というのはもっと長期スパンのことを、我が風土の鴨川をどうしようかということについてもうちょっと末永くりましょうというのが提案さ。そうしなかったら、そっちだったら、きょうの会議は全く開いた意味がないよ。
○清野アドバイザー だけど、そういうおっしゃるような……。
○阿部 海岸づくり会議というのは、県が準備した……。
○宇多理事 だって、会議を幾つつくったってしょうがないじゃん、それ。
○清野アドバイザー 今まではですね。
○阿部 きょうまでは。
○清野アドバイザー だから、これはちょっと私の個人のあれで事務局と違うかもしれないんですが、第7回というのを地元の方と県と相談して、もうちょっと細かい詰めをやるということも不可能じゃないかもしれないです。
○宇多理事 ただし、経費かけないでな。
○清野アドバイザー そうです、そうです。だから、本当にみんなが手弁当でということで、ここの中の施設を使わせてもらう、市内の。そういうことが可能だと思いますし……。
○宇多理事 でも、要はこれと同じことを何遍もやったってしゃあないわけだよ。議論を延々とやっているんじゃなくて、パッと筋を入れて、それで事務的に進めるところは進めておくってやんないと、これ、毎回、毎回、先送りでさ、また1年後にやっかという話で、何も進まないよ。だから、あるところまで、ある段階まではやるぞと決めたら、そこまではやるようにして次のステップの議論をされたらどうなの。絶えず先延ばししていったら、日本の行政みたいになるぜ。
○清野アドバイザー だから、合意がいつまで取れないとそういう予算が申請できないかというタイムリミットをきちんと言ってもらって、この会議を来年とかじゃなくて、例えばもう2月中に決めたいとか3月中にとかという話があれば、もう地元で何回も、タイムリミットを決めて、やっていただくということになるんじゃないですか。
○宇多理事 タイムリミットはもう来ちゃってるよ。
○清野アドバイザー もう2月のきょうまでということですか。
○宇多理事 だって、普通は予算というのは、5月に国に概算要求というシステムがあって、それを11月ごろに、じゃあ来年度はどうしましょうかねというのを決めるタイミングがあるわけ。今は2月でしょう。それに基づいて来年からもう腹積もりができているわけ。だから、ここはどういうシステムになっているかわからないけど、やりましょうかねという大体のあれができている状態だと思うんだよ、わかんないけどよ。そういう状態だから、やめちゃうというわけにいかない。
○清野アドバイザー だから、何もやりませんという意味じゃなくて、こういう形なのかみたいな話は一応決めないと予算は出せないんだと思うんですけど。
○宇多理事 ただし、予算というのはパッとついてすぐその年にやるんじゃなくて、それで本当にこういう構造で大丈夫かなという実施設計というのがあって、緻密な詰めをやるときがあるのね。そのときはまたフィードバックできるわけだ。
○相原 だけれども、繰り返すようですけど、済みません。ホテルと、それから、じゃあその壁の部分を無料で国に上げますから……。
○上田 それはこのテーマとはまたずれている、もっと時間がかかるんですよ。だから、そっちに入ってしまったらこれができなくなるんですよ。そうしたら、もっと被害がどんどん行くから、とりあえずこれはここに参加の人の中で認めないと、これはちゃんとそういうルールの提案をしてもらっているので、それに応対しないといけないと思うんです。嫌だというんだったら、いつまでにどういう計画をするかというのを、はっきり責任を持って進めてくださいよ。
○宇多理事 だから、何かうまくそこんところで妥協点が出てくるかどうかだな。
○清野アドバイザー 何か対策はしなきゃいけないというのは、このままじゃシーワールドさんは厳しそうだというのはわかったんだと思うし、長期の話もちょっと遠過ぎるというのもわかったんだと思うので、シーワールドさんのところの対策を何らかの形でやるという合意はあるんだと思うんですよ。ただ、細かいところまでは急に言われてもという感じはあるかもしれないので。
○宇多理事 対策の必要性はここで議論する問題じゃないんだ。というのは、現在、海岸法があるでしょう。そうすると、シーワールドは私有財産に波が飛び込んでくるという状態があるわけ。過去に証明できるわけ。そのときに、土木事務所が何もしないで、おまえのところに飛び込むのは勝手なものだと言ったときに、法律をかけるんだよ、損害賠償。そうしたら、国、アウトよ。
○清野アドバイザー だから、裁判をやると負けちゃうんですよね。
○宇多理事 ほっといた。ほっといたというのは、よく道路に石がおっこってきて死んだら過失責任を取られるでしょう。それと同じこと。だから、そういうふうに法律というのは厳然とすごく、何と言うかな、状況に合わせて厳しくとらえられているわけ。そういう中で、余りそれを言っちゃうと、さっきから僕は厳し過ぎると言っているんだけど、未来も展望もなくなっちゃうんだけど、そこのところのすり合わせをやっぱりやんないとうまくいかない。
 どうしようかね、どうしよう。
○赤堀 どうすればいいんですかね。
○上田 これでいいんじゃないですか。
○赤堀 結局そういうことで……。
○宇多理事 だから、これについて、基本は皆さん、まあしゃあないなと、皆さんお認めいただければ、これについてさらなる詰めをやって、そのことは秘密にやるんじゃなくて、さっき言ったように、またいついつ、どこか見にいきましょうというのをやって、本当の最後の詰めをやって確認していただくということでいかが。
○井坂 清野先生は三番瀬で何か、防潮堤ができたらこんな高さになりますというような模型実験をやりましたよね。
○清野アドバイザー そうですね。実物……。
○宇多理事 三番瀬はほっといたって波なんか来ない。あんなところででかい護岸をつくろうなんというのはナンセンスな話なんだ。
○井坂 だから、ナンセンスだからそういう話が出ていたんだと思うんですけど、でも、そういうものをつくるって、それは地元の方が手弁当でつくったんですか。
○清野アドバイザー それは県の方で、やっぱりこういう絵だけだとわからないし、どうしてもなかなか合意が難しいところもあったので。
○井坂 そうですよね。特にああいう図面って、何となくイメージはわかるけど、実際にそこに置いてみたらどんでもない大きさだったり、よくするじゃないですか。
○宇多理事 だから、あっちは住民が多いからお金もうんと流れて、鴨川は人間が少ないから、ほんのちょっぴりしかない。
○清野アドバイザー それは本当ですね。
○宇多理事 非常に不公平なんだよな。
○井坂 そういうのというのは、造成の前の調査とかの一部にそういうものを予算化してやってもらうということは、事例としてはできないんですか。
○宇多理事 それはまさに知事さんの、要するに政治的判断になっちゃって、ここらからワーッとほざいても、ハハハハッという感じ。
○清野アドバイザー だから、やり方としても、三番瀬とかも決して、苦労している割にうまくいっているわけじゃないんだけども、みんながこれでというときに、やっぱり少しそれに模型をつくってみるとか、これに似たような、さっき断面があったようなものをつくってみて、やっぱり一度実物が出現した段階でもう一度考えるというのは事実上あるんですよね。
○宇多理事 だって、三番瀬は過去50年、波をかぶったことはございませんよね。
○井坂 まあ、あのサイズはね。
○宇多理事 さっきの波はすごい、この前、来たんだよね、相原さんのあれもあるとおり。だから、やっぱり……。
○清野アドバイザー だから、全部あれの壁ができるとすごい圧迫感だと思うんですけど、本当にひどいという、例えば10mとかをそういうふうに手当することがあり得るかとか、それがバーッとなっちゃうんじゃなくて、それ以外の本当に施設、シーワールドさんの施設の中でも一番ここは困るというところだけを出してもらって、そこにもう、逆に予算は多分それぐらいしかないというのもあるんですけど、やっぱり10mとか20mつくってというのはあると思います。
○宇多理事 さっき説明したように、全部バーッとつくるなどということは事務局も言っていないわけ。一番ヤバイところにまずつくって……。
○清野アドバイザー だけど、その時間のスケールと長さのスケールが余りわからないので、結構壁がバーッと続くのかなとか、いきなりドドッと始まるのかなって不安になるので、そこはやっぱりきちんと言った方がいいですね。
○宇多理事 何年もかかる。できたとしても何年もかかる。ですから、それは随時確認はできると思いますよ。
○井坂 その間にまた何が起こるかわからないですものね。
○清野アドバイザー だから、きょうの会議としては、やっぱり被害のあるところに関して模型をつくったり、合意の、もう一度議論の会議をやるんだけども、あの断面でひどいところというのは10m、20mなりやってみて、これが全部続くというのを想像してもらって、中期とか長期にもう一度回ってもらうというところかなと思うんですけどね。
○宇多理事 そろそろ会議、やめよう。ということで会議終了、だって、これは多数決を取るものでも何でもないから。
○清野アドバイザー そうですね。何か、まあ……。
○宇多理事 もう議論の声が出なくなってきちゃったけど、ということで終わりにすると、いいかな。
○庄司 何かきょうはシーワールドのために来たようなもんじゃないですか。
○宇多理事 は……。
○庄司 我々、シーワールドのために来たようなもんじゃない。
○宇多理事 でも、みんなお互い様だからよ。そういうふうにも言えるけど、やっぱり地域のためなんだよ、それは。
○庄司 それはわかっていますけどね。だけど……。
○赤堀 だから、多分合意どうのとなると、合意することが悲観的なイメージが今あるんですよ、ここの全体的に。だから、上田さんとかは、本当は、これは悲観的な、逆で、合意することが逆のあれだと言いたいんですよね。
○宇多理事 そうそう。
○赤堀 宇多さんだってそうでしょう。宇多さんは仇みたいになっちゃっているけど、結構妥協案を出している人なんですよ。
○宇多理事 逆なんだよ。
○赤堀 だから、悲観的な、多分この合意じゃなくて……。
○宇多理事 これができないんだったら、もはやだめだよ、日本の。
○赤堀 余計悪くなっちゃうということでしょう。
○宇多理事 そうそう、それをさんざんやってきたのを、まだわからないのかということを言いたいんだよ。
○赤堀 まだわかんねぇんですよ。わかんねぇからみんな悲観的になっちゃっているんでしょう。そうでしょう。
○宇多理事 そうそう。
○赤堀 だから、それは、おれは説明不足とか、理解不足、もちろん6回やって、多分6回とも来ている人ってほとんどいないと思うんですけど……。
○清野アドバイザー だから、その間にも資料とか読んでほしいよねというのはあるんですけどね、とか言って。(笑声)
○上田 僕たちがもっと……。
○赤堀 それはこちらの努力不足もあるし、何かあると思うんですけど、ともかくこの合意というのは悲観的なものではないというのは理解した方が僕はいいと思うんですよ。それの上で、だからまた次もつなげていかなければいけないと思うし、自分たちで。この合意はかなり悲観的にみんな思っているから、それは違うと思うんですけど。
○宇多理事 もう大体議論を尽くしちゃったから、そんなんで、ということで事務局に返す。帰りの汽車もあってよ、帰れなくなっちゃうもん。
○事務局(星上) 皆さん、ちょっと中途半端な感じもお持ちだと思うんですが、先ほどこちらの方がおっしゃったように、多分これが突破できないと次の議論はないというぐらいな試金石だと我々も思っています。というのは、多分、これは改良の余地は将来にわたってまだあるんですよね。1回、例えば何10mかつくってみて、ちょっとまずいなと思ったらちょっとでも改良を加える余地はないわけじゃないんですが、ここで多分議論がバツッと切れて「だめ」と言った瞬間に、にっちもさっちもいかないというのは事実だと思います。県もあきらめちゃうかもしれないし。へたをするとシーワールドさんだって、親会社があって、「こんなに越波がひどいところでおまえ、いつまでやっているんだ」と言って、撤退しちゃうかもしれないですよね。本当に、これはわからないですよ。やっぱり民間企業さんですから。
 そういうところまで含めて今議論できるかと言ったらできないので、今御提案があったように、これはきょうの場で要は完成というんじゃないので、先ほどちょっと先生方から御提案があったように、実物をちょっと現場でつくるという方も含めて事務局サイドから少し県の方にもお願いしてみて、またそういう場が設けられるのであれば、市役所さんからの広報とか、あとホームページでも公開できると思いますので、ちょっとこれについては今結論が、済みません、きょうここで出せないんですが、こういう場の会議というのは先ほどいろいろ説明があったように、お金も人も、いっぱい労力を使っておりまして、多分次回やるのは結構厳しいのは確かです。現場でそういうものをお見せするのは、多分事務所さんの手作りでも何でもできるレベルかなとも我々は思っているので、それは県の方と御相談しながらまた公開したい。
 ぜひ鴨川市のホームページを見てください。ほかにはあり得ないぐらい情報が載っていますので。それでわからなければまた質問とかいろいろあると思いますけど、ぜひ勉強していただくという姿勢もとっていただければ幸いかなと。実は特急の時間がないということもありますので、きょうのこの場で一たん事務局へお返しさせていただきます。

8.そ  の  他

○事務局(星上) あと、先ほどおっしゃっていた方、いいですか、告知については。来週の話。時間は余りないですけど、簡単であれば。
○芝本 簡単に、済みません。2月の17日にビーチ環境サミットというものを館山の南総文化ホールというところでやります。これは国土交通省の大臣の方、堂本県知事、千葉県の沿岸21市町村の代表の方、観光協会、また漁業組合とかそういった広い範囲で海岸に関わっている人たちが集まって意見交換する場、大々的にこんな形でできないんですけれども、宇多先生も講演してくださりますし、私たちサーファーとしての意見もちょっと微力ながらまとめた話とかをしていきたいと思っていて、もし参加希望とか興味がある方は、私、入場券を持っていまして、入場券制度になっているので、もし行かれるという方はお声をかけてください。
 ありがとうございました。
○司会 それでは、長時間にわたりまして、活発な御意見、ありがとうございました。
 このような形での会議の開催というのは3年・6回にわたって行ったのですけれども、一たん終了させていただきますが、皆様からいろいろな御意見がございました今後の展開につきましては、県等々と協議しながら皆さんによりよい方向で進められるような形で検討させていただきますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。(拍手)

9.閉      会


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