○鴨川市環境条例

平成17年2月11日

条例第122号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 環境の保全等に関する基本的施策等(第8条―第25条)

第3章 生活環境の保全等に関する施策(第26条―第30条)

第4章 ばい煙等の排出等の規制

第1節 規制基準等(第31条―第35条)

第2節 特定施設及び特定作業の規制(第36条―第45条)

第3節 特定建設作業の規制(第46条・第47条)

第4節 拡声機の使用等の規制(第48条―第52条)

第5章 環境審議会(第53条・第54条)

第6章 雑則(第55条―第58条)

第7章 罰則(第59条―第62条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び創造(以下「環境の保全等」という。)について基本理念を定め、並びに市、市民、事業者及び滞在者等(旅行者その他この市に滞在する者をいう。以下同じ。)の責務を明らかにし、環境の保全等に関する施策の基本的事項を定めるとともに、生活環境に関する市の施策を定めてこれを推進し、及び公害の防止のための規制を行うことにより、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 豊かで快適な環境 きれいな大気、水その他の多様な自然、歴史的又は文化的遺産に恵まれた香り高い文化及び良好な景観等を有し、かつ、市民が住みやすさ、心の豊かさを感じ取ることができる環境をいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(3) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(4) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地下水位の著しい低下、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(5) ばい煙 次に掲げる物質をいう。

 燃料その他の物の燃焼によって発生するいおう酸化物

 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん

 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、フッ化水素、鉛、窒素酸化物、硫化水素その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(に掲げるものを除く。)であって規則で定めるもの

(6) 粉じん 物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。

(7) ばい煙等 ばい煙、粉じん、汚水、廃液、土壌の汚染、騒音、振動、地下水位の著しい低下、地盤の沈下及び悪臭をいう。

(8) 特定施設 工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される機械及び施設のうち、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる機械若しくは施設であって規則で定めるものをいう。

(9) 特定作業 ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる作業のうち、業として行われる作業であって規則で定めるものをいう。

(10) 特定建設作業 建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音又は振動を発生させる作業であって規則で定めるものをいう。

(11) 規制基準 発生し、及び排出され、又は飛散するばい煙等の量、濃度又は程度(以下「ばい煙等の量等」という。)の許容限度(地下水位の著しい低下及び地盤の沈下にあっては、これらを発生する方法の許容限度)をいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全等は、市民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要となる豊かで快適な環境を確保するとともに、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全等は、環境への負荷の少ない循環を基調とした持続的に発展することができる社会を構築することを目的として、市、市民、事業者及び滞在者等が、それぞれの責務に応じた役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 環境の保全等は、人と自然とが共生できるよう多様な自然環境が体系的に保全され、地域の自然、文化、産業等の調和のとれた潤いと安らぎのある快適な環境を実現していくよう行われなければならない。

4 地球環境保全は、地域の環境が地球全体の環境と深くかかわっていることにかんがみ、すべての者は、これを自らの課題として認識し、それぞれの事業活動及び日常生活において積極的に推進するようにしなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、環境の保全等の推進を図るため、基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(市民の責務)

第5条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活において、環境への負荷の低減に配慮し、公害の防止及び自然環境の適正な保全に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有し、地域の環境保全活動に積極的に参加するように努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、環境への負荷の低減に努め、又は自然環境を適正に保全するため、その責任において必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動(この条において以下「物の製造等」という。)を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適正な処理が図られることとなるように必要な情報の提供その他の措置を講ずる責務を有する。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造等を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、環境の保全等に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有する。

(滞在者等の責務)

第7条 滞在者等は、その旅行及び滞在に伴う環境への負荷の低減、環境の保全等に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 環境の保全等に関する基本的施策等

(環境基本計画の策定)

第8条 市長は、環境の保全等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、鴨川市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を策定するものとする。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全等に関する長期的な目標

(2) 環境の保全等に関する施策の方向

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ鴨川市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(市の施策の策定等に当たっての配慮)

第9条 市は、施策に関する計画の策定及び施策の実施に当たっては、環境の保全等に十分配慮しなければならない。

(環境の保全上の支障を防止するための規制)

第10条 市は、環境の保全上の支障を防止するために、次に掲げる必要な規制の措置を講ずるものとする。

(1) 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地下水位の著しい低下又は地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為、土地利用及び公害の原因となる施設の設置に関し、公害を防止するために必要な規制の措置

(2) 自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更等の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれのある行為及び採捕、損傷その他の行為であって、保護することが必要な野生生物、地形若しくは地質又は温泉源その他の自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれのあるものに関し、その支障を防止するために必要な規制の措置

(3) 公害及び自然環境の保全上の支障が共に生ずるか又は生ずるおそれがある場合にこれらを共に防止するために必要な規制の措置

2 前項に定めるもののほか、市は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

(環境の保全等に関する協定の締結)

第11条 市長は、環境の保全等に必要があると認めるときは、市と事業者の間に公害の防止の方法、事故時の措置その他の生活環境の保全等に係る事項について協定を締結することができる。

(環境の保全上の支障を防止するための経済的措置)

第12条 市は、市民及び事業者が、自ら環境への負荷を低減するための施設の整備その他の適切な措置を執るように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要かつ適正な助成措置を講ずるように努めるものとする。

2 市は、市民及び事業者が、自ら環境への負荷の低減に努めるように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、適正な経済的負担を求める措置について調査及び研究を行い、その結果、その措置が特に必要であるときは、市民の理解のもとに、その措置を講ずるように努めるものとする。

(環境の保全等に関する施設の整備その他の事業の推進)

第13条 市は、廃棄物等の処理施設、公園及び緑地等の公共的施設の整備その他の環境の保全等に関する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進等)

第14条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民、事業者及び滞在者等とともに、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように努めるものとする。

2 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように努めるものとする。

(市民等の意見の反映)

第15条 市は、環境の保全等についての施策に市民の意見を反映させるため、環境の保全等についての施策のあり方について市民等から提言を受けるための措置その他必要な措置を講ずるものとする。

(環境の保全等に関する学習の推進)

第16条 市は、市民及び事業者が環境の保全への理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全等に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全等に関する学習の機会の提供、広報活動の充実その他必要な措置を講じ、環境の保全等に関する学習の推進を図るものとする。

(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)

第17条 市は、市民及び事業者が自発的に行う緑化活動、美化活動、河川浄化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全等に資する活動を促進するため、必要な支援措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第18条 市は、市民に対して環境の状況その他の環境の保全等に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査の実施)

第19条 市は、環境の状況の把握又は今後の環境の変化の予測に関する調査その他環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

(監視等の実施)

第20条 市は、環境の状況を把握し、及び環境の保全等に関する施策を適正に実施するため、必要な監視、測定、試験及び検査の体制を整備するとともにその実施に努めるものとする。

(地球環境保全の推進)

第21条 市は、地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。

(環境保全の推進体制の整備)

第22条 市は、市民及び事業者との協力及び協働により、環境の保全等を推進するための体制を整備するものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第23条 市は、広域的な取組みが必要とされる環境の保全等に関する施策について、国及び他の地方公共団体と協力、協働してその推進を図るものとする。

(環境週間)

第24条 市は、市民、事業者及び滞在者等の間に広く環境の保全等についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全等に関する活動を行う意識を高めるため、環境週間を設ける。

(施策等の公表)

第25条 市長は、毎年、環境の状況、環境の保全等に関する施策の実施状況等を公表するものとする。

第3章 生活環境の保全等に関する施策

(自動車交通公害防止のための施策)

第26条 市は、市民、事業者及び関係機関と連携して、環境への負荷がより少ない自動車への転換の促進、自動車の使用の合理化の促進、道路環境の改善その他の自動車の使用に伴う公害を防止するための対策を講ずるものとする。

(生活排水対策に係る施策)

第27条 市は、生活排水の排出による河川等の水質の汚濁の防止に関する知識の普及及び水質の汚濁の防止を図るために必要な施策を実施するものとする。

(地下水汚染防止等のための施策)

第28条 市は、地下水及び土壌の汚染の防止並びに地下水のかん養の促進に関する知識の普及及び啓発を図るとともに、地質を保全するために必要な措置を講ずるものとする。

(化学物質等の適正管理のための施策)

第29条 市は、人の健康又は生活環境に係る影響を生ずるおそれがあると認める化学物資等を有する者に対して、その排出の抑制及び適正な管理に係る対策を進めるとともに、当該化学物質等の適正な管理の普及及び啓発に努めるものとする。

(騒音、振動及び悪臭の防止のための施策)

第30条 市は、騒音、振動及び悪臭の防止に関する知識の普及及び啓発を図るとともに、騒音、振動及び悪臭を防止するために必要な措置を講ずるものとする。

第4章 ばい煙等の排出等の規制

第1節 規制基準等

(規制基準の制定)

第31条 市長は、公害を防止するために必要な規制基準を規則で定めるものとする。

2 市長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、鴨川市環境審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。

(規制基準の遵守義務)

第32条 ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者は、規制基準を遵守しなければならない。

(ばい煙等の測定)

第33条 特定施設を措置している者のうち規制で定める者は、規則で定めるところにより、当該特定施設に係るばい煙等の量等を測定し、その結果を記録しておかなければならない。

(事故時における措置)

第34条 特定施設を設置している者は、当該特定施設について故障、破損その他の事故が発生し、当該事故に係る特定施設から発生し、及び排出され、又は飛散するばい煙等の量等が規制基準に適合しないものとなったとき、又はそのおそれがあるときは、直ちに、その事故について応急の措置を講ずるとともに、その旨を市長に届け出て、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事故について復旧工事を完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(異常気象等の発生時における措置)

第35条 市長は、濃霧の発生、異常渇水の継続等特別の事情の発生により、ばい煙等の発生及び排出又は飛散が住民の健康を害し、又は生活環境を著しく損なうおそれがあると認めるときは、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者に対し、必要な措置をとるべきことを求めなければならない。

第2節 特定施設及び特定作業の規制

(特定施設の設置の届出)

第36条 特定施設を設置しようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届出書により市長に届け出なければならない。

(1) 氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及び住所

(2) 特定施設の設置に係る工場等の名称及び所在地

(3) 特定施設の種類及びその種類ごとの数

(4) 特定施設の構造

(5) 特定施設の使用の方法

(6) ばい煙等の防止又は処理の方法(以下「ばい煙等の防止方法」という。)

(7) その他規則で定める事項

2 前項の届出書には、当該特定施設の配置図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。

(特定作業の実施の届出)

第37条 特定作業を行おうとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届出書により市長に届け出なければならない。

(1) 氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及び住所

(2) 特定作業の場所、実施の期間及び作業の時間

(3) 特定作業の目的に係る施設

(4) ばい煙等の防止方法

(5) その他規則で定める事項

2 前項の届出書には、当該特定作業の場所の付近の見取図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。

(経過措置)

第38条 一の施設が特定施設となった際、現に工場等にその特定施設を設置している者(その設置の工事をしている者を含む。)又は一の作業が特定作業となった際、現にその作業を行っている者(その作業の目的に係る施設の設置の工事を行っている者を含む。)は、当該施設が特定施設となった日又は当該作業が特定作業となった日から30日以内に、それぞれ第36条第1項各号又は前条第1項各号に掲げる事項を記載した届出書により市長に届け出なければならない。

2 第36条第2項の規定は、前項に規定する特定施設に係る届出書について、前条第2項の規定は、前項に規定する特定作業に係る届出書について準用する。

(構造等の変更等の届出)

第39条 第36条第1項第37条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第36条第1項第3号から第7号まで又は第37条第1項第3号から第5号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、この届出に係る事項の変更が当該特定施設又は当該特定作業に係るばい煙等の量等の増加を伴わない場合は、この限りでない。

2 第36条第2項の規定は、前項の規定による特定施設に係る変更の届出について、第37条第2項の規定は、前項の規定による特定作業に係る変更の届出について準用する。

(計画変更命令等)

第40条 市長は、第36条第1項第37条第1項又は前条第1項の規定による届出(騒音又は振動に係る届出を除く。以下この項において同じ。)があった場合において、この届出に係る特定施設又は特定作業(以下「特定施設等」という。)に係るばい煙等の量等が規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から60日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る特定施設等の構造若しくは使用の方法又はばい煙等の防止方法(以下「特定施設等の使用の方法等」という。)に関する計画の変更又は廃止を命ずることができる。

2 市長は、騒音又は振動に係る第36条第1項第37条第1項又は前条第1項の規定による届出があった場合において、この届出に係る特定施設等に係る騒音又は振動が規制基準に適合しないことにより、その特定施設が設置されている工場等又は特定作業の場所の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、その届出を受理した日から30日以内に限り、その届出をした者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、騒音若しくは振動の防止の方法又は特定施設の使用の方法若しくは配置に関する計画の変更を勧告することができる。

3 前2項の規定による命令又は勧告を受けた者は、当該命令又は当該勧告に従い、当該措置を講じたときは、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。

(実施の制限)

第41条 第36条第1項第37条第1項又は第39条第1項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から60日(騒音又は振動に係る届出にあっては30日)を経過した後でなければ、それぞれの届出に係る特定施設を設置し、特定作業を開始し、又は特定施設等の使用の方法等を変更してはならない。

2 市長は、第36条第1項第37条第1項又は第39条第1項の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。

(氏名の変更等の届出)

第42条 第36条第1項第37条第1項又は第38条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第36条第1項第1号若しくは第2号又は第37条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があったとき、又はその届出に係る特定施設等を廃止したときは、その変更又は廃止の日から30日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

2 第36条第2項の規定は、前項の規定による特定施設に係る変更の届出について、第37条第2項の規定は、前項の規定による特定作業に係る変更の届出について準用する。

(承継)

第43条 第36条第1項第37条第1項又は第38条第1項の規定による届出をした者から、その届出に係る特定施設又は特定作業の目的に係る施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設等に係る当該届出をした者の地位を承継する。

2 第36条第1項第37条第1項又は第38条第1項の規定による届出をした者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により、第36条第1項第37条第1項又は第38条第1項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

(改善命令等)

第44条 市長は、特定施設等(騒音又は振動に係るものを除く。)に係るばい煙等の量等が規制基準に適合しないと認めるときは、当該ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者に対し、期限を定めて当該特定施設等の使用の方法等を改善を命ずることができる。

2 市長は、前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは、鴨川市環境審議会の意見を聴いて当該特定施設の使用の一時停止又は当該特定作業の一時停止を命ずることができる。

3 市長は、特定施設等に係る騒音又は振動が規制基準に適合しないことにより、その特定施設が設置されている工場等又は特定作業の場所の周辺の生活環境が損なわれていると認めるときは、当該特定施設を設置している者又は当該特定作業を行う者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音若しくは振動の防止の方法の改善、特定施設の使用の方法若しくは配置の変更又は特定作業の作業時間の変更を勧告することができる。

4 市長は、第40条第2項又は前項の規定により勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定施設を設置し、又は特定作業を行っているときは、同条第2項又は前項の事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音若しくは振動の防止の方法の改善、特定施設の使用の方法若しくは配置の変更又は特定作業の作業時間の変更を命ずることができる。

5 第1項の規定は、第34条第1項の規定による届出をした者については、その届出に係る事故についての復旧工事に必要と認められる期限内については適用しない。

6 第1項から第4項までの規定は、第38条第1項の規定による届出をした者の当該届出に係る特定施設等については、同項に規定する特定施設等となった日から1年間は適用しない。ただし、その者が第39条第1項の規定による届出をした場合において当該届出が受理された日から60日間(騒音又は振動に係る届出にあっては30日間)を経過したときは、この限りでない。

(改善措置の届出)

第45条 前条第1項第3項又は第4項の規定による命令又は勧告を受けた者は、当該命令又は当該勧告に従い、当該措置を講じたときは、速やかにその旨を市長に届け出て確認を受けなければならない。

第3節 特定建設作業の規制

(特定建設作業の実施の届出)

第46条 病院、学校等の施設の周辺の区域その他特に騒音又は振動の防止を図る必要がある区域であって、規則で定める区域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施行しようとするものは、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに(災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合にあっては、速やかに)、次に掲げる事項を記載した届出書により、市長に届け出なければならない。

(1) 氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及び住所

(2) 建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類

(3) 特定建設作業の場所及び実施の期間

(4) 騒音又は振動の防止の方法

(5) その他規則で定める事項

2 前項の届出書には、当該特定建設作業の場所の付近の見取図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。

(改善勧告及び改善命令)

第47条 市長は、前条第1項の規則で定める区域内において行われる特定建設作業に係る騒音又は振動が規制基準に適合しないことにより、その特定建設作業の場所の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、当該建設工事を施工する者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音若しくは振動の防止の方法の改善又は特定建設作業の作業時間の変更を勧告することができる。

2 市長は、前項の規定により勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定建設作業を行っているときは、同項の事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音若しくは振動の防止の方法の改善又は特定建設作業の作業時間の変更を命ずることができる。

第4節 拡声機の使用等の規制

(拡声機の使用の制限)

第48条 何人も、拡声機を使用する場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、拡声機の使用方法、使用の時間等について規則で定める事項を遵守しなければならない。

(1) 病院、学校その他これらに類する施設の周辺の区域であって規則で定める区域において商業宣伝を目的として拡声機を使用するとき。

(2) 前号に規定するもののほか、屋外において又は屋内から屋外に向けて拡声機を使用するとき。

2 前項第2号の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には適用しない。

(1) 法令により認められた目的のために使用するとき。

(2) 広報その他の公共の目的のために使用するとき。

(3) 官公署、学校、工場等において時報等のために使用するとき。

(4) 祭礼、盆踊り、運動会その他の社会活動において相当と認められる一時的行事のために使用するとき。

(飲食店営業等の騒音に係る改善命令)

第49条 市長は、飲食店営業その他の規則で定める営業(以下「飲食店営業等」という。)に係る深夜(午後11時から翌日の午前6時までの間をいう。)における騒音(音響機器音、楽器音その他客の出入に伴う騒音を含む。以下この条において同じ。)が規制基準に適合しないことにより、当該騒音を発生する場所の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、当該営業を行う者に対し、期限を定めて当該騒音の防止の方法の改善、当該営業時間の制限その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。

2 第45条の規定は、前項の規定による命令について準用する。

(飲食店営業等に係る利用者の責務)

第50条 深夜等(午後8時から翌日の午前6時までの間をいう。)において、飲食店営業等を行う場所を利用する者は、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。

(燃焼行為の禁止)

第51条 何人も、焼却に伴い、ばい煙、悪臭又はダイオキシン類等を発生させるおそれのあるものを焼却させてはならない。ただし、規則で定める方法により燃焼させるときは、この限りでない。

2 市長は、前項の規定に違反して屋外における燃焼行為が行われていることにより、その周辺の生活環境が損なわれていると認めるときは、当該違反行為を行っている者に対し、必要な警告を発し、又はその事態を除去するために必要な限度において、施設の改善その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。

(警告及び命令)

第52条 市長は、第48条の規定に違反して拡声機が使用され、又は前条の規定に違反して燃焼行為が行われていることにより、その周辺の生活環境が損なわれていると認めるときは、当該違反行為を行っている者に対し、必要な警告を発し、又はその事態を除去するために必要な限度において、施設の改善その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。

第5章 環境審議会

(設置)

第53条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定により、環境の保全等に関して、基本的事項等を調査審議するため、鴨川市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(組織等)

第54条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、環境の保全等に関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 雑則

(改善等の要請)

第55条 市長は、この条例に定めのあるもののほか、事業者がばい煙、粉じん、汚水、廃液、騒音、振動、悪臭等を発生し、排出し、飛散させ、他は浸透させていることにより、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、若しくは生ずるおそれがある場合において、特別の措置を講ずる必要があると認めるときは、その事態を発生させた事業者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずることを求めることができる。

(報告の徴収)

第56条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者に対し、ばい煙等の発生及び排出又は飛散の状況、ばい煙等の量等その他必要な事項に関し報告させることができる。

(立入検査)

第57条 市長は、この条例の施行に必要な限度において当該職員に、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる工場等に立ち入り、帳簿類、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる施設その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(委任)

第58条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第7章 罰則

(罰則)

第59条 第40条第1項第44条第1項第2項若しくは第4項又は第49条の規定による命令に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第60条 第36条第1項第37条第1項若しくは第46条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は第47条第2項若しくは第52条の規定による命令に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。

第61条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

(1) 第33条の規定による記録をせず、又は虚偽の記録をした者

(2) 第34条第1項第38条第1項又は第39条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(3) 第41条第1項の規定に違反した者

(4) 第56条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(5) 第57条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(両罰規定)

第62条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成17年2月11日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の鴨川市環境基本条例(平成14年鴨川市条例第4号)、鴨川市公害防止条例(昭和47年鴨川市条例第16号)又は天津小湊町公害防止条例(昭和47年天津小湊町条例第24号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

鴨川市環境条例

平成17年2月11日 条例第122号

(平成17年2月11日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
平成17年2月11日 条例第122号